遅れている野球のジャッジ(2009年4月11日)

  1. ブラウン監督の退場

    確か4月7日の阪神−広島戦だったと思うが、1インニング目に広島の打者がヒットを打ち、2塁にいた広島の選手がホームを突いた。 阪神は外野からショートを中継してホームに返球し、ほぼ同時にホームインした選手にタッチした。 塁審はアウトを宣告したが直ちにブラウン監督が執拗に抗議した。 塁審は直ちに監督の退場を言い渡し、この一件は落着した。 その直ぐ後、再生したビデオを見た解説者は、苦笑しながらセーフだと言った。 私もビデオの再生を見てホームインはセーフだとはっきり分かった。

    年に何回も繰り返されるこの様な監督の退場シーンを見て、野球の審判のジャッジは時代遅れだといつも思う。 相撲がいい例である。 どちらの力士が先に土俵に着いたかは一瞬の差で行司には判定できない事が多い。 相撲では土俵の各辺に審判員が座って行司の判定に待ったを掛け、皆で相談するが、実際の正確な判定にはビデオの録画を使って正確を期している。 そうして、ビデオの判定どおりに最終判定が下される。

  2. 相撲を見習う

    プロ野球もこの技術を利用して、判定の公平性を図るべきである。 野球中継をしているのでビデオは何台かのカメラで同時に撮られており、どれかの録画を再生して判定を下せば、正確な判定など簡単に下せる。 それをやらないのは、審判の手加減で勝ちを得たいと言う昔からの悪しき習慣があるからである。 以前、野村監督が、勝負に負けたのではなく審判に負けたと言う妙言を吐いたが、審判の不公平は昔から続いている。球審のストライク・ボールの判定も、機械の援助を受ける方式に変えた方が良い。

    ミリ波か可視光域以外のレーザー光をホームベースの真上から照射し、投げられた球からの反射なり陰影からストライクかどうかを判定する事は、ドーム球場なら簡単に出来る。衛星から地上数センチの物体を識別できる時代である。 そんな事はやる気さえあれば直ぐにも出来る。 やらない理由は前段に書いた事と同じ理由である。

    要するに、プロ野球では審判のミスジャッジに救われて野球が面白くなっている、とでも当事者達は思っているのだろう。 正確に審判されると、人間くさい面白みが無くなり、無味乾燥なゲームになるとでも心配しているのだろうか。

    私は、野球関係者が、時々勝負の綾を変えてくれるミスジャッジを歓迎しており、この時代遅れの古い習慣から抜け出す勇気を持っていないだけだと思うが、皆さんはどう考えますか。

    (追伸)知らなかったが、アメリカ大リーグでは20088月よりビデオを活用した野球の判定を開始しており、これまでに14件の判定がビデオ判定に持ち込まれ、内4件の審判結果が覆されたとの報道を、最近目にした。 日本のプロ野球も早急にビデオ判定を採用すべきだと思う。