隠し子騒動(03/2/21)

  1. 宮本武蔵の泣き所

    剣を取ったら向かう所敵無しの「武蔵」(中村新之助)も、世間の隠し子騒動には頭を悩ませている。 しかし、彼の行動に疾しい所は何にも無い。世間の常識の方が時代遅れであり、間違っている。

    人間は愛し合って子供を作るように出来ており、結婚しないと子供を作ってはいけないとか、シングルマザーは非道徳的だと言うのは自然の理に適っていない。 結婚とは安定的に子供を作る一種の方便であり、人間が編み出した社会規範の一つに過ぎない。 子供を作って立派に育てられれば、生活のスタイルは元来自分の好きにして良いはずである。

    「武蔵」の場合、多分相手の元歌手は結婚などする気は無く、子供が欲しかっただけだと思う。 世間の常識を味方にして自己宣伝に利用していると勘ぐられても仕方有るまい。「武蔵」は何ら臆する事も恥じる事も無い。 堂々と子供を認知し、世間並みの養育費を払って行けば、事は一件落着である。 

  2. 結婚のスタイル

    これだけ世の中が多様化して来ると、結婚のスタイルについても再考する必要が生じる。 私が主張する様に、人生の本来の目的は子孫を残す事である。 それを果たす上手い仕組みが「結婚」であった。 責任を持って子供を育てるには、夫婦として社会的に認知し子育てに専念させる必要があり、このスタイルが定着した。

    夫婦で分業して子供を育てるのが人間社会では理に適った方法であった。 しかし、女性が社会進出し、家事よりも仕事を好む時代になって来た。 従来の専業主婦が女性を隷属化しているとは思わないが、女性にも職業選択の自由はある。 本来の目的である子育てさえすれば、どんな職業に就こうと自由である。

    結婚しないと子供を持ってはいけないと言う従来の道徳観に束縛される必要は無い。 この呪縛から開放されると、生活スタイルは一段と多様化出来る。 無意識にそれを実行している人も最近は結構増えた。 この傾向を歓迎すべきかどうかは早計に結論を出せないが、間違った方向に行っていない事だけは確かである。

    結婚しない症候群も自由なスタイルで子供を持つ事だけは実行して貰いたい。 結婚しないから子供は持てないと言う固定観念に束縛される必要は毛頭ない事を自覚すべきである。

  3. 戦争自体が悪である

    今のアメリカの行動は「西部劇」のヒーローの行動に似ている。 多分イラク攻撃の発想も「西部魂」にそのルーツがある。勇敢なヒーローが正義感に駆られて悪徳グループやインディアンを退治すると言う構図である。

    しかし、冷静に考えてみると、西部開拓は原住民のインディアンを駆逐して西欧人種が新大陸に侵略しただけの事であり、侵略者にとって原住民は「悪人」であったに過ぎない。 正義とは元来利己的なものである。 人類愛は究極の正義だと人間は思っているが、他の生物にとってはそれは「悪」である。 正義とは元々相対的なものである。 あるグループの立場を正当化する方便に過ぎない。

    そう云った観点から「戦争」を見ると、人類が殺し合いをする「戦争」は正義ではなく悪である。 正義の為の戦争など存在しない。アメリカの指導者がどんな熱弁を労しようととも、それはアメリカにとっての正義であり、人類にとっては「悪」である。人間は知恵を持った動物であり、自然淘汰(戦争もその一種)に拠らない平和的手段で解決出来る方策を考えるべきである。

    イラクの一般市民が大量に死亡する様な行為は人類にとって「悪」なのである。テロ撲滅の為には真の原因を取り除かねばならない。 それは中東に対するアメリカの身勝手な行為を止める事に他ならない。

    大量破壊兵器を一番保有しているのは自国である事を反省し、進んで軍縮をすべきなのは自分である事に何故気付かないのだろうか。自分のやっている事は「正義」であると思い込んでいる所に「アメリカの独善」と言う「おごり」がある。 アメリカ帝国主義こそ最大の「悪」なのである。

    生物学人生論こそ本当の正義を見極める規範であると私は思う。