尊厳死(2009年2月28日)

 

2009227日付けの朝日新聞に、延命中止「数十例」救急医、07年の指針後と言う記事が出ていた。 日本救急医学学界の特別委員会が0710月につくった終末期医療に関するガイドラインに沿って、これまでに、治る見込みのない患者数十人の延命治療が中止された可能性があることが、救急医を対象にした同委員会のアンケートで分かったと言う。

私は、尊厳死の問題が日本では真剣に考えられていないと思う。 人間は必ず死ぬのであり、植物状態の寝たきり患者を延命治療で見かけ上生かす医療は止めるべきである。

ガイドラインが設定される以前は、主治医の判断で延命治療を中止し、殺人罪で訴えられるケースがかなりあった。 今回のアンケートでも、ガイドラインを適用しようとしたが出来なかった理由のうち、第1位は「法的な問題が未解決」「家族らの意見がまとまらなかった」などで、尊厳死に対する対策が十分機能していない事が分かった。

まず、本人が健康な時に尊厳死を希望するかどうかを明確にしておく必要がある。 また、患者の家族も尊厳死について理解を深めるべきである。 日本人はシルバー社会を初体験するので尊厳死に対する考え方が遅れている。

人間は子孫を残し育て上げたら人生の目的は達したのである。 他の動物は、生殖能力を喪失すると数年で自然死する。 子供が独立してもしぶとく生き続けるのは人間だけである。 その様に進化したのでどうしようもないが、せめて尊厳死するか、PPKでコロリと死に、家族や世間に迷惑を掛けない様にする配慮が、我々老人には必要である。

長生きしたければ、健康で元気に過ごせる様に日々努力する老人にならなければならない。