自立すべき日本(2010年4月20日初稿、2011年6月15日改訂))

アメリカの為の日米軍事同盟

日米軍事同盟は日本が他国に侵略された時に米軍が一緒に戦ってくれる為に存在する。 冷戦構造が解消し、日本の周囲に仮想敵国はなくなった。 強いて言えば北朝鮮が脅しを掛けているが、あんな小国など米軍が日本に駐留していなくても、いざとなったら十分対処できる。 日本の政治家は、アメリカの軍事抑止力を保持するにはアメリカ軍が日本にいなければならぬと主張しているが、本心は誰もそんな事を思ってはいない。 米国の機嫌を損ねたくないから、おべんちゃらを云っているだけである。(アメリカの機嫌を損ねると、経済面で報復されると怖れている?) 
アメリカの軍事政策は、アフガニスタンやイラクなどでテロ撲滅と称して戦争を継続する事である。 もともと、イスラエルに軍事協力して中東の平和を乱し、イスラム圏をテロ行為に走らせたのはアメリカやイギリスである。 自分達がテロ行為を挑発しておいて、テロ国家と云う敵国を作り、戦争を仕掛ける。 要するに、アメリカは戦争をしたい国なのである。 それは、政治と軍事産業が癒着した米国内の特殊事情に起因する。(アイゼンハワーが大統領時代、警告を発している。)
極論すれば、死の商人達を儲けさせる為に外交政策が利用されているのである。(アメリカの経済はユダヤ系に握られており、アメリカ政府は反ユダヤ政策を採れない。)

そんなアメリカの恥部に触れる様な事を云うと、日本の政治家の首は即座に飛んでしまうか、暗殺されるので、誰も口にしようとはしない。
だから、真実を知らせない巧みな情報操作によって、テロを攻撃するのはアメリカの正義の戦争であると思い込まされている人が、世界の大半を占めている。 

沖縄の人達が基地の設置に反対しても、日本の政治家や沖縄以外に住む日本人達は、日本を守って貰う為に基地が必要なのだから、反対しても仕方がないと、簡単に諦めている。 米国の本意は、安い費用でアジアに軍事基地を確保し、アフガキスタンやイラクと戦争し易い様にしたいだけで、日本の防衛の為に沖縄などの軍事基地は必要不可欠だと云うのは、単なる口実に過ぎない。 最近は中国の反対を押し切って台湾に大量の武器供与をした。 将来中国との間に一戦交える下準備をしているのか、極東の緊張を醸成する為にしているのか、いずれかである。 米国内における政治と軍事産業との癒着がすべての軍事行動のベースにある事を忘れてはならない。

鳩山前首相の勇気

アメリカ一辺倒の自民党政治に対し、日米軍事同盟の対等性を掲げて、沖縄の軍事基地を国外に移転すると主張した鳩山政権の勇気は、世界の平和を願う真の政治家として称賛に値する。 しかし、アメリカの説得に反発することが出来ず、あえなく責任を取って辞職した。 鳩山前首相が辞任前、自傷気味に「アメリカ軍の存在意義について学習した」と口を滑らせたのは、アメリカと対等に渡り合う事がいかに困難かを、言外に仄めかした言葉である。

誰か勇気のある政治家やジャーナリストはいないのか。 「寄らば大樹の陰」で、アメリカのご機嫌を取り、自分の身の安全を願う外交専門家ばかりが日本の世論を誘導し、マスコミも調子を合わせて、日米同盟の重要性を主張し続けている。
アメリカに上手く利用されている事を本音で語る評論家はいないのか。
アメリカの世界戦略に決死の覚悟で一矢を報いる勇気のある人は居るはずである。 しかし、身の危険を感じて、誰も姿を現さない。 やくざの報復を恐れて何も云えず怯えているのと同じである。

このまま進めば、近い将来日本は、平和憲法に反して、好戦的なアメリカの腰巾着として侵略戦争に駆り出され、第2次世界戦争の惨事を繰り返す危険な道を選択する可能性が大である。 小泉元首相はイラク戦争への自衛隊派遣について、日米同盟にもとずく日本の義務であると云った。 当時の世論調査では国民の大半がイラク派兵に反対であった事など見て見ぬ振りをし、アメリカへの忠誠をアピールした。 平和憲法の精神は自衛隊の創設からイラク戦争への参戦など、実績を積む事により完全に骨抜きにされている。

日本の目指すべき方向

核の抑止力が無いから核爆弾で攻撃される危険など、今の世界には存在しない。
沢山の基地を提供し、莫大な「思いやり予算」を支払って、アメリカに守って貰う必要などない。 既に自国だけで国を守れる軍事力は持っている。
これからの日本の進むべき道は、スイスの様な永世中立国になる事である。 好戦的なアメリカとの軍事同盟を解消し、戦争をしない国として世界中の国々と友好関係を樹立し、世界平和に貢献する。 これこそ、基地問題の抜本的な解決法であり、平和を願う日本国民の取るべき最も賢明な外交政策である。
しかし、残念ながらアメリカと対等に戦えるリーダーは今日本にはいない。 たとえ日本共産党が政権を取っても、アメリカの反対に遭い彼らの政策は実現しない。 
アメリカが軍備拡張によって次第に衰退するか、日本にアメリカに「NO」と言える真のリーダーが出現するまで、日本の基地問題は解決せず、本当に平和を願う国になる夢は実現しないだろう。