個人のエゴ(02/11/28)

  1. 個人主義の履き違い

日本国憲法に何と書いてあるかは知らないが、日本人は「個人のエゴ」を通す事を個人主義と思っているらしい。

個人のエゴと公共の福祉は相矛盾する。 他の先進国では節度を持って公共の福祉が優先されるが、日本では個人のエゴが勝つ。

その際たるものが、「成田空港反対闘争」である。

自分達がその土地を離れたくないと言うだけの理由で土地買収に反対し、政府も手出しが出来ない。 空港の拡張は遅れ、多数の人が大変な不便を蒙っている。 何故強制執行出来ないのか。

詳しくは知らないが、多分詰まらない法律で個人のエゴが守られているのだろう。

首都圏の交通渋滞も立ち退きを拒否する「個人エゴ」に起因している。 計画中の環状道路が完成すれば渋滞は大幅に解消する。

最近私が体験した例は、町内会の交通規制問題である。

進入禁止にすれば頻発する交通事故が防げるので、その賛否をアンケート調査で調べたら、大半の人が規制に反対した。 一時間に3−4台の車が規制され迂回しなければならなくなる。 迂回するとそのルートのトラフィックが増えると言うのが反対理由であった。わずか1%のトラフィック増も許せない、他人の交通事故より、自分の家の前を一時間に3−4台、通過する車が増える方が彼らにとっては重大事であるらしい。 公共の福祉など「糞食らえ」だ。

同じ町内会でもう一つ問題が発生している。

高台に住んでいる為、大雨が降ると排水が鉄砲水になって裾野にある国道一号線に集中し、床下浸水が起きる。 それを防止する為、横浜市が「雨水枡」設置工事を推進している。 これは、道路の舗装を水が浸透する様に変えて雨水を地下水にし、ゆっくり流して下流の水害を防止する方法であり、今は各地で相当普及している。

屁理屈を付けてこれに反対する耄碌爺さんが一人居り、その反対で工事が出来ない硬直状態が続いている。 全く馬鹿げた話である。

日本人は個人主義とは何かを知らない。 法律も個人の権利を保護し過ぎている。 個人のエゴの為どれだけの人が迷惑を蒙っているか、自分もその犠牲者の一人である事が何故分からないのだろうか。

憲法改正が叫ばれているが、公共の福祉の為に個人の権利が規制される様、バランスの取れた改正を是非実現して貰いたい。

 

 この問題は、土地投機の問題と同根である事を付け加えておきたい。