ファック星人 (03/5/31)
最近、表題の映画を見てすごく気に入った。 私が言う「動物的人生論」とほぼ同じ立場に立っているので、意を強くした。
この映画は、地球外高等生物が沢山いると言う前提で、他の宇宙人が人類の生殖行動を観察したら彼らの目にどう映るかを、ユーモアと皮肉たっぷりにシミュレーションしている。
それによると、我々人類は非常にファックの好きな動物で、宇宙では「ファック星人」と呼ばれている。 人類は恋愛を美化しているが、宇宙人のクールな目でその行動パターンを観察すると、「複雑怪奇な交尾の儀式」としか映らないらしい。 宇宙的視点に立って人間を観察すれば、人間の本来の姿が見えてくる事を、この映画は教えてくれる。
『見どころ』 面白いのは、白いコスチュームを着て精子の格好をした若い男達がトラックを走り(膣内射精)、途中、障害物(コンドーム)にぶつかって倒れたり、機関銃を持った兵士に乱射(ペッサリーに塗られた殺精子グリスで殺傷)されて死んだりするシーンである。 肝心の受精の瞬間は、背面「走り高跳び」した男達がマットに標された的に的中する事で見事に描写されている。
最近の日本人は平気で人前でキスする様になったが、キスの先進国はやはり欧米であろう。
二ヵ月位前、BSデジタルチューナー(HDD,DVD付きでタイマー予約70時間可能)を購入したのを期に、「スターチャンネル」と言う有料映画放送チャンネルに加入した。 それ以来、毎日2−3本の洋画を録画して見ている。
学生時代には未だ街頭TVしか無く、娯楽と言えば映画しかなかったので、多い時は一日に2−3本(一本50円)、映画館をはしごして歩いた。 だから、昔の映画は殆ど観た。その頃は今の様な露骨な性描写は無く、キスの仕方も淡白なものだった。
最近の映画を見て特に感じるのは、性描写の多い事(そう云う映画を選んでいる影響もある)、キスの仕方が昔と変わった事である。
キスには、挨拶代わりのキス、プラトニックなキス、エロチックなキスなど色々有るが、昔の映画では、エロチックなキスでもそれ程刺激的ではなかった。 しかし、今の映画のキスシーンは「交尾」を前提としたキスのオンパレードである。 日本映画では未だあそこまでは進んでいないだろう。アメリカでも街頭であんなキスをしている人は少ないと思うが、寝室では皆ああやっているのだろうか。
あれは、最近の映画が性交渉の描写を省略する為に編み出した一つの演出ではないかと私は思う。 それが映画全体に流行し始めたのではなかろうか。
私はあんなキスはした事がないが、あのやり方はあまりに技巧的でそれ程の快感は無い様に思う。 このキスの仕方と云い、最近の映画を見ていると、やはり地球人は「ファック星人」と言うにふさわしい動物である事が頷ける。