過剰競争時代(02/8/4)
競争する事は善である。 これが米国を中心にした資本主義社会の共通原理であり、グローバリゼイションの波として全世界に拡がりつつある。 お互いに競い合う事によって品質は向上し価格は下がる。 我々消費者にとってこれ程良い事はない。 しかし、生産者の側に立った場合、弱者にとってはこれ程過酷な事はない。 競争に負けて消滅した企業、商店などの何と多い事か。
競争には幾らかのマイナス要因がある。
最近、「フェア・トレイド」と言う企業活動が注目され始めている。
良い物を適正な価格で購入し、生産者と消費者が協調してその体制を維持し、健康でゆとりのある生活をエンジョイして行こうと言うのがその趣旨である。
これは過剰競争時代の弊害に気付いた人達が新しい仕組みを模索し始めた事を意味する。
現代資本主義社会に対する新しい挑戦の芽となり、新しい時代の始まりとなる可能性を秘めている。 効率一点張りの味気ない社会に、心豊かな生活を取り戻そうと言う運動である。 競争社会によって確かに技術は急速に進歩し、物の値段は安くなり大量消費時代に入ったが、その為に犠牲にした環境や精神的な損失は計り知れないものがある。
今こそ一度立ち止まって、真にゆとりのある、豊かな生活とは何かを考え直してみる必要があるのでは有るまいか。