孫の教育について(03/1/15)

  1. 孫の遺伝子

    遺伝学によれば、我々の孫には祖父母が4人いるので、祖父母一人当たりの遺伝子は4分の1づつ遺伝している。 長女の子供2人を観察すると、痩せている事、耳が大きい事、手先が器用な事、数学が得意な事、動物が好きな事など、私に似ている点がいろいろ見付かる。

  2. 教育方針

    これから孫達がどの様に成長するか楽しみだが、気懸かりな事もある。

    最近、下の女の子が学習塾に行くと言い出した。 友達が行っているので自分も行きたいらしい。 私立の中学校を受験させ、私立大学進学のコースに乗せたいと、親は思っている。 その為には今の公立小学校の勉強では不十分であり、受験技術も磨けない。 受験技術を磨かないと有名私立中学には入れない。 親達はそう考えている。この考え方に絶対反対ではないが、私は単なる有名校指向には反対である。 まず、その子の個性や得意な能力を伸ばす事から始めないと駄目だと思う。まだその子の個性がはっきりしない中から、闇雲に有名校に行かせる必要は無い。中学位までは公立校でゆっくり勉強させておれば良い。必要最小限の事を理解しておれば、小学校では心配する必要は無い。

    それよりも、その子にいろいろな刺激を与えて反応を見る事が大事だ。
    例えば、上の男の子は中学一年だが、カメの飼育と日本の御城に非常に興味を持っている。 数学の模試で全国一位になった事もある。
    そこで、私が今考えているのは、まずパソコンの組み立てを教え、次にソフトの組み方を教える。 そうして、数学の問題を解くプログラムを作らせ、数学の面白さを味わわせる。 次の段階は、生き物が好きなので、遺伝の仕組みを教え、将来バイオテクノロジの分野に進むように誘導してみる。今の学校にこの様な個人教育を期待するのは無理であり、経験豊かな我々シルバーがサポートするしかないと思う。

    下の女の子は小学校4年生だが、勉強は嫌いで、今ピアノを習っている。 或るレベルに達しており、幾らかの才能は有る。 これから先どうなるか分からないので、当面はレッスンを続けるしかない。この子の特徴は、社交的で頭がよく、運動が得意で、パソコン、携帯、ビデオカメラ撮影など、ちょっと教えるだけで直ぐ出来る様になる。 数学は得意ではないが、本は好きで良く読んでいる。 得意分野は未だはっきりしないが、どちらかと言うと文科系に進む様な予感がする。もう少し自由にさせて、どんな才能の芽が出て来るか待つしかない。

  3. これからの有望分野

    我々昭和一桁生まれの時代には電気通信が花形だった。 私はラジオの工作から通信に興味を持ち、その分野に進んだが、これからはもう通信の時代ではない。 通信や情報技術などを応用して新しい分野を開拓する時代に入った。

    私の予想では、これから伸びる分野は、遺伝子工学、脳科学、ナノテクノロジーの分野である。

    ヒトゲノムの解析が終わり、次の段階は遺伝子の特定と制御のメカニズムを解明する事である。 それによって、癌の撲滅、生体移植、遺伝病の克服・予防、老化の解明、農作物の改良、食料の増産など広い分野への応用が期待出来る。

    脳の動作解明は人間の本質を知る為に不可欠な分野である。 それによって、新しいコンピュータへの応用、人間と機械との直接コミュニケーション、難病の克服、人間自身の解明が可能になる。

    ナノテクもこれからの発展と応用が期待される分野である。今の技術は物質の表面現象を利用しており、マクロな特性しか利用されていない。 量子論の世界には、原子や分子レベルで我々が利用できる機能が沢山隠されている。 集積度が限界に達してきたLSIを更に小さくするにはナノテク技術は必須である。 その他分子レベルで物を作ると、思いも掛けない応用面が開けてくる。 鋼よりも強く、羽よりも軽い物質が出来ると、現代の「鉄の文化」は、全てその新物質に取って代わられるであろう。宇宙船と地上を結ぶエレベータも夢ではないと言われる。

    人間は自然から学んで色々な生きる技術を手に入れて来た。 これからは、遺伝子レベル、原子・分子レベルの機構を解明し、そこから自然の教えを引き出す時代に入って行くのではなかろうか。