草食的男性(2009年5月11日)

動物の食習慣には草食性、肉食性、雑食性などがある。 しかし表題の草食的男性とは女性に積極的にアプローチしない結婚願望の弱い男性の事を言う。 これはNHKの結婚に関する集団討論会で初めて聞いた言葉である。 肉食の男性は性欲が強く、積極的に女性を獲得しようとするのに対し、草食的男性はクールな個人主義者で結婚による束縛を嫌う。 女性の結婚願望は昔も今も変わらず、80%以上をキープしているが、その割りに独身女性が多いのは、男性が結婚の申し込みをしないからだと言う。インドではベジタリアンの人も結婚するから、野菜中心の食生活をしている事と結婚願望が弱い事とは関係なさそうである。

私の見解は少し違う。 ヒントは自然界にある。 名前は忘れたが、野生のねずみの一種は繁殖し過ぎると集団自殺の道を選び、その種の数を自ら抑制する。 また食物連鎖の頂点に位置するライオンや豹は、むやみに草食動物を捕らて増殖せず、自然なバランスが取れる様に個体数を制限している。 と言うよりは、自然界では食物連鎖の平衡状態が保たれている。 増殖を抑制する未知の生理的な物質が存在すると想定される。

人類が農業を発明するまではその総人口は低く抑えられていた。 獲得する食料の総量によって人口が抑えられていたが、農業で食料を潤沢に得る様になって、人口が急激に増加し出した。 2100年には100億を超えると予想されているが、これは地球が生物を養える限界容量を超えている。 現在の総人口60数億でも自然破壊、環境破壊が進行して、人口増加に赤信号が出ている。 私は、人間には本能的に人口の急増を抑え様とするある種のホルモンが存在し、それが危険を察知して、男性の結婚願望を抑圧しているのではないかと言う、仮説を立てている。 自然は人類より賢い。 その位の事はすべての生物の中に刷り込まれており、食物連鎖の平衡がスムースに進行する様な潜在的調整機能が存在すると考える。

上記の討論会で、NHKが、青年男女を集め喧喧諤諤な議論をしても結局原因不明に終わったのは、私の言う仮説を見落しているからである。