巨乳が好き(0374

  1. アメリカ人は巨乳が好き

    私はアメリカ人の審美眼を軽蔑する。 最近、アメリカ映画をよく観るが、撥ち切れんばかりに胸の隆起を誇張したものが多い。 我々はギリシャ彫刻のビーナスの様な均整の取れた肢体を好むが、アメリカ人は余程巨乳が好きと見える。 古今の名画に巨乳の女など描いた画家などいない。

    乳牛なら大きなオッパイの方が乳が沢山取れるので良いが、人間の乳は子供が飲めるだけ出れば良い。 巨乳は乳腺が発達しているのではなく、要らない脂肪がつきすぎているだけである。

    さらにアメリカ人は乳房を性器の一つだと誤解している。 子供が乳を飲むと良い様に設定された感覚を大人が悪用している。 巨乳の女が鋭い性感帯を持っているとは到底思えない。

    インドでは女性は太っている程尊敬されるが、アメリカその他先進国では「デブ」は嫌われる。 エステに通ってシェープアップしたり、脂肪を吸引する手術を受けたりと、女性は痩せる事に懸命である。「巨乳」は言わば「デブなオッパイ」であり、昔は恥だった。 「巨乳」は重力で垂れるので「垂れ乳」と言われ蔑まれた。

    それが、何故アメリカ(最近は日本でも)で今賛美されるのか。シリコンを入れて膨らませている女性が沢山いる。 

    私は、これはハリウッドがでっち上げた虚構ないし一種の宣伝だと思う。 誰か巨乳の女優を売り込む為、巨乳こそ女性美の極致だと宣伝したら世の男性どもがまんまと引っかかった。

  2. 美の基準

    鳥の雛は卵から孵って最初に見たものを母親と思い込む習性がある。人工孵化した雛は人間を親だと思ってその後を追う。

    人間の赤ん坊も自分の母親を脳裡に刷り込み、その容姿が美意識の基準となる。 「蓼食う虫も好き好き」と言うが、他人が見てこんな不美人はいないと思う様な女を好きになる男性は必ずいる。 幼児期に形成された美の基準が違うからだ。 世の中はよく出来ていて、相性の良い相手は必ず存在する。

    動物の世界には、雌性淘汰と言ってメスの好みで雄の形や姿が特定の方向に進化する現象がある。 孔雀の尾羽が美しいのは何千年もの間メスが美しいオスと交尾したがった為である。

    人間の世界にもそう言った傾向は幾らかある。 しかし、これだけ人が増えると、好みも千差万別になり、或る限定された進化の方向には進んで行かないのではなかろうか。 巨乳も一時の変な流行に過ぎないと、私は達観している。