日本の医療制度(2011年6月25日)

安い高齢者負担

私は満78歳になったばかりだが、医療費は1割負担で本当に安いと感じる。
日本は国民皆保険制を採っており、老人も医療保険料や介護保険料は結構取られているかも知れないが、何だか医療費が安すぎる気がする。 これでは、日頃の健康に気を付けるより、医者に掛って薬に頼る人がどんどん増えるのではなかろうか。
最近の医療費の増加は著しく、保険料では賄えなくなって各自治体で深刻な問題となっている。
この様な悪弊を是正するには、各人の保険料と支払った医療費を比較し、医療費の支払いの多い人にはそれに見合った保険料の増額を請求する方式、すなわち、保険料と医療費をある程度リンクさせる方式を採用する必要があると考える。
現状のような悪平等を放置すれば、個人個人の不公平差はますます拡大し、折角の世界に冠たる医療保険制度が崩壊する危険性がある。
この様な傾向を一番喜んでいるのは医者や薬剤メーカで、患者を薬漬けにする医者が返って患者の人気を博し、生活習慣の改善よりも薬に頼る事を勧める悪徳医師が後を絶たない。
医者がやるべき健康維持へのアドバイスを、医療費の増大に苦しむ自治体が行うと云う倒錯した社会状態が発生している。 現行の健康保険制度を悪用して、金儲け主義に走っている医薬業界の過ちを正す為にも、医療費にリンクした保険料の徴収制度をぜひ導入してもらいたい。

金儲け主義の医療界

新聞には毎日の様に、色々なサプリメントの一ページ全面広告が出ている。 いかにもこれを飲まなければ健康を維持できない様に宣伝しているが、こんなものは毎日の食事で十分摂取できる。 医者は患者を薬付けにしないで、毎日の食事で病気に有効な食品にはどんなものがあるかを指導すべきである。 医者は薬の調合をするだけでなく、栄養士のする指導も、やろうと思えばできる知識を持っている。 しかし現在の医者は医療費で儲ける事ばかり考え、食事習慣の指導を通して薬代の節減をする事など眼中にない。 誠に嘆かわしい事である。
生活習慣病に効く食品については、http://www.heiz-west.com/archives/300/304/index.htmlを参照されたい。
歯科医も歯ブラシの使い方は丁寧に指導するが、彼等はそれだけでは不十分であることを知っていながら、本当に効果のある方法は患者に隠している。 それを言うと商売上がったりになるからである。 私の経験では、歯磨きの後、歯間ブラシを使って歯の間に残った物を丁寧に掻きだせば、歯の病気にはならない。 彼等もその事は知っているが、残念ながら私は、それを勧め様とする善良な医師に遇った事がない。 


人間の尊厳死

現在の医療制度は不治の病人に効果のない延命治療を行い、それが医者としての正しい道であると主張している。 治りもしない事が分かっているのに、病人の延命を図るのは医者としての義務であると云う口実で、高額な医療費を巻き上げているだけである。 外国では、尊厳死を認め医療を停止しても殺人罪にはならないが、日本ではうっかり患者の頼みに乗ると殺人罪を宣告される惧れがある。
これは死生観の問題であり、早計に結論は出せないが、日本の医療は余りにも偽善を装っているとしか考えられない。 患者の死については患者の意思を尊重すべきである。