日本人の国民性(02/9/28)

日本人はいざとなると良く嘘をつく。 日本人には無宗教の人が多い。 嘘をついたり誤魔化しをする事はいけないと分かっていても、自律心が十分に働かない。 強力な宗教的罪の意識が希薄なのである。  キリスト教社会では牧師に対し“懺悔”する習慣がある。 本当の事を告白して心安らかになり、反省して罪の意識から開放される。 仏教にはその様な習慣が無い。だから本当の事を告白する勇気が養われない。 

日本独特の異常な長期政権や集団主義も災いしている。 政権が長期化すると社会構造が固定化し、癒着と腐敗の風潮が蔓延る。 政治家が甘い汁を吸っているのを見ると、誰でも真似したくなる。 馴れ合いの社会では相互チェック機能が働かなくなり、誤魔化しが横行する。 人間は本来、易きに流れる動物である。 同じ穴の狢同士、仲間意識がますます強くなり、不正をしてもお互いに庇い合ったり、口裏を合わせて皆で嘘をつき通し、組織防衛をする。 アンフェアな取引で易々と大金を稼いだ連中はその味が忘れられず、それを組織化し定常化しようとする。 こうして、欺瞞と腐敗の構造が社会全体に増殖して行く。 

誇大宣伝が横行し、談合入札が日常化している社会では、嘘をつく事に対する免疫が出来ている。 最近の「国産牛偽装事件」もベースにはそれが有り、更に狂牛病発生は政府の責任だと言う被害者意識と、このドサクサに紛れて「税金をくすねてやろう」と言う卑しい根性が働いている。 

観光地で、美味しくも無い土産を高く売り付けたり、一元さんに不味い食事を食わせて高い料金を取る店が日本には沢山ある。 料金に見合ったサービスを提供すると言う商売の基本が出来ていない。 これも我々消費者にとって嘘の一種である。 良心的な商売をした方が長い目で見て儲かると言う事がどうして分からないのだろうか。 

自白すれば罪を大幅に減じるとか、自白や内部告発は勇気ある美徳だと言う社会的風潮が醸し出されるまでには未だ長い時間が掛かるだろう。 政界、官界、業界が率先して範を垂れる事等想像も出来ない。 相互チェック機能の強化、誇大宣伝の規制、情報公開制度の推進に努力し、汚れた慣行を徐々に浄化して行くしか有効な方法は無いと思う。

新聞等も、運悪く暴露された事件だけを書き立てないで、社会全体に潜んでいる同罪を全て洗い出すべきである。 スケープゴードだけを血祭りに上げても諸悪の根源は断ち切れない。 病巣が骨の髄まで浸透している事を勇気を持って報道すべきである。癌細胞を全て取り切らないと、癌は必ず再発する事を肝に銘じるべきである。

身近な例では、インターネットなどで商品やサービスに対する消費者の生の声や評価結果を公表し、宣伝や効能書きよりもそちらを参考にして物を購入する様なシステムを普及させる必要がある。http//:www.kakaku.comのホームページ等は消費者の生の声が聞け非常に参考になる。

それにしても、異例の長期政権を打破し政権交代を定常化する有権者の見識と、癒着の構造を破壊する為政者の出現が待たれる。 

堕落した仏教を捨て、キリスト教に改宗するのも有効な手段かも知れない。