自然エネルギーの時代へ(2011年7月4日)

今回の福島第1原発の事故を体験し、日本は勿論世界中で、将来の電気エネルギーを原発に頼るべきか、それともこの機会を捉えて自然エネルギー活用に大きく舵を切るべきかが議論されている。 原発推進論者はフランスを始め、原発設備の輸出で一儲けしたい原発先進国である。 彼等は自然エネルギーへ転換すると、天候や自然条件の影響で安定した電力の供給が出来なくなるとか、原子力発電に比較して電力コストが上昇し、製造業のコストアップにつながるとか、色々欠点をあげつらって自然エネルギーへの大幅依存に反対している。
しかし、ちょっと考えてみれば分かる事だが、自然エネルギーそのものは自然が只で提供してくれるものであり、原子力発電の様に莫大な燃料費は掛らない。 自然エネルギー導入の初期段階では、設備費が割高に付くが、大量生産すればコストは無限に下がり続ける。
これに対し、原発の方は独占企業が大きなシェアを有しており、寡占により設備費は将来それ程下がらないだろう。 それよりも将来予想される想定外の事故の発生による莫大な賠償費の発生、それに対処する為の更なる安全対策の追加などで、将来のコストは返って上昇する可能性が大きい。
これだけ考えただけでも、将来の自然エネルギーのコストは、原発より大きく下がり、しかも災害に対して安全な分割型の電力を供給できる体制が整う。
こんな分かり切った事が理解できないのか、理解しようとしないのか、原発を推進しようとする一派が自然エネルギーの普及に反対している。 彼等は原発で稼ぎたいだけであり、将来のエネルギーの最も安全で経済的な在り方など、真剣に考えてはいない。
 
今後原発の増設をする事なく、日本に有り余っている自然エネルギーの利用に政策転換する絶好の機会が今訪れている。 この機会を逃さず、世界の国々が共に、平和で安全な自然エネルギー利用への道を目指す事を願って止まない。