少子化社会の実現(20081128日)

 

  1. 過剰人口社会

    2次世界大戦前の富国強兵政策によって、日本は狭い国土に過剰人口を抱える国になった。 この狭い国土に12千万の人口は明らかに多過ぎる。

    ここ10年以上に亘るの少子化傾向で、女性一人当たりの平均子供数は1.57まで落ち込み、2006年の12774万をピークに日本の人口は減り続けると予想される。

    2100年には、約6000万人に半減する計算になる。

    しかし私は、日本の適正人口はこの位ではないかと考える。

  2. 過剰人口社会のひずみ

    日本人は「うさぎ小屋」に住んでいると外人に馬鹿にされる。 過剰人口社会の歪は先ず家屋の大きさに現われる。 戦後、大都市への人口集中と、土地政策に対する政府の無能ぶりによって、大都市の土地の価格は鰻上りに上昇し、多くの土地成金を産んだ。 ここ数年はバブルの崩壊で土地の値段は下落したが、バブル以前の価格に比べればまだ高過ぎる。 東京の住居費は世界一高い。  

    第二の歪は土地が高い為にそれが生産財の値段を引き上げる。日本の物価を世界各国の物価と比較すると、地価の分だけ高くなる。 マーサー社が調査した結果、世界の143都市で、住居費、食費、娯楽費など、生活に必要な費用200品目以上についての相対物価指数は、ニューヨークを100とした場合、一番高いのはモスクワ(142.4)二位が東京(1273位がノルウエーのオスロ(118.3)、大阪は11位にいる。http://allabout.co.jp/finance/moneyplan/closeup/CU20080725A/ 参照

    第三の歪は受験地獄、就職難、交通渋滞など、過当競争の原因となる。 最近は大学受験生が減少に転じ幾らかゆとりが出てきたが、外国に比べると大変厳しい。

    ウワーキングプアーの問題、連休や盆暮れの交通渋滞数十キロは基を正せば過剰人口にある。

    郊外の狭い家に住んで、満員電車に揺られてのゆとりのない生活に日本人は慣れっこになっている。 我々はGDPの大きさを争う事をやめ、一人当たりの所得(正確には購買力平価)でゆとりのある生活を実現すべきなのです。

    幾らGDPが世界第2位だと威張ってみても、毎日の生活に余裕がなければ経済大国の実感は感じられない。

  3. 少子化の問題点

    高齢化社会と少子化社会が共存すると、一番困るのは社会保障制度が維持できない事である。 給料から天引きされる厚生年金は、将来自分の懐に入ってくるわけではなく、現在の受給者に配分される。 このシステムは、将来の納税者(労働人口)と所得が増え続けることを前提に作られている。 少子化が進むと一人の受給者を支える労働者の人数がどんどん少なくなる。 1995年には約5人で1人の受給者を支えていた。 これが2010年には2.8人、2020年には2.3人になると推定される。

    しかし、将来ののゆとりある日本を実現するには、子供を増やすのではなく消費税を増やしてでもこの難関を克服すべきだろう。 

  4. 人口 6000万の効用

    連休に車で遠出しても渋滞がないので早く目的地に到着でき、時間を有効に使える。新幹線も指定席は要らなくなり、何時も座って行け経済的である。 

    大都市の土地が下がるので職場から遠い郊外に住まなくても良くなり、満員電車でもまれる事もない。 近くなれば自転車通勤も出来る。 温暖化防止にも貢献できる。

    有名私立や大学の競争率が下がり、詰め込み教室も無くなる。 落ちこぼれや不登校も少なくなるだろう。 

    ウサギ小屋住まいから開放され、職場も売り手市場になり、人件費も上がるので工場の生産性にも拍車がかかるだろう。 狂気に走り無差別に人を殺す人も著しく減少し、安全な社会が実現するだろう。

    今、大問題になっている二酸化炭素ガスの削減も一人当たりの排泄量を現状維持するだけで50%削減が保障されている。 これは世界全体に言える事であり、温暖化防止対策、資源防止対策、自然保護の最大の切り札は産児制限なのである。

    すなわち、現在直面している重要課題の真の原因は世界的な人口爆発にある。