本音の通じる社会(03712

  1. 本音の言えない社会

    日本は本音の言えない社会である。 政治家が本音を漏らすと直ぐ新聞が叩く。 内部告発すると村八分にされる。 上司の悪口を言うと昇進出来ない。

    日本語自体、表現が曖昧である。 何事も「本音」と「建前」の2重構造になっているが、日本語は「建前」までぼやかしている。 

    「本音」とはその人が感じた事をストレートに表現する事であり、「建前」とは周りを慮って修飾した虚偽の表現をする事である。

    相手の感情を傷つけまいとして、つい心にも無いお世辞を言う。虚飾は虚飾を生み、大きな虚構に増殖して、本音の言えない社会が構成される。 狐と狸の化かし合いが日常化する。

  2. 嘘も方便

    嘘も方便と言う様に、社会生活を円滑にするには潤滑油としてある程度の嘘をつく必要がある。 人間は感情の動物であり、自分に心地良い表現を好む。 物事にはどんな理屈でも付けられるので、本当は嘘でも何となく納得できる。

    人間は騙され易い動物なのである。

  3. 本音の言える社会

    皆で本音しか言わない様にしたらこの社会はどうなるか。

    上手く機能しなくなる事も起きるだろうが、意思の疎通が円滑になり、本当の事が分かり合えて、返って住み易くなる事態も色々出て来るだろう。

    確かに社会的な最小限のルールやマナーは必要だし、他人の感情を酷く傷付けるのも考えものだが、お互いに遠慮なく物が言える様になれば、気分がすっきりしストレスが解消するだろう。 

    例えば、国会答弁ほど分かりにくいものはないが、政治家が本音で喋る様になれば政治改革など簡単に出来る。 利権に繋がっている政治家は「その通りだ」とはっきり言えば良い。 正確な情報(自分の信条)を国民に提供し、選挙でその真を問えば良い。 小泉首相は本音で喋るから人気がある。

    皆が本音で喋れば、少なくとも、今よりは住み易い社会が実現するだろう。

  4. 本音と建前

    建前と本音を対比して見ると、次の様になる。

    「建前」の後の括弧内が「本音」である。

    日米軍事同盟(傭兵の方が安く付く)、核拡散防止(既得権擁護)、イラク戦争(石油利権、軍需産業サポート)テロ撲滅(ユダヤ人支援)、政治献金(公認の賄賂)、デフレ反対(不労所得が目減りするのは嫌)、天下り(既得権益を維持し、楽して稼ぐ仕組み)、学歴無用(大学は遊ぶ所だ)、高齢化(長生きのし過ぎ)、少子化(子育て費用が高過ぎる)、セクハラ(相手の男性(または女性)が嫌いなタイプなだけ)、ストーカー(おれがモテナイはずは無い、自信過剰な人)、シングルマザー(子供さえおれば十分、男の世話はしたくない)、結婚式(不経済で効果の無い浮気防止策)、デパート(高いものを買いたい人が行く所)、コマーシャル(押し売りの一形態)、視聴率(スポンサー料を値上げする手段)、天気予報(当たらないのは分かっているから責任は取らない)、ゴルフ練習場(プレー代が日本は高いので、安上がりにプレーした気分が味わえる所)、巨人軍(怪我人が多いから弱いのではなく、新人を育てる人材がいないだけ)、バージョンアップ(幼稚なバグの修正)、モデルチェンジ(化粧し直して売る事)、人生論(その人の懐いた妄想)、合コン(セックスの相手探し)、恋愛(性ホルモンが引き起こす求愛行動)、人間(自分の事を何も知らないのに、勝手な妄想を懐いて生きている動物)などなど…書けば切が無い。 

    かく言う私も、本音を言って気晴らしをしている一老人に過ぎない。