北朝鮮ミサイルの脅威(200947)

 

日本政府は、北朝鮮が日本を射程距離に設定したノドンミサイルを大量に装備したので、その防衛システムを構築せねばならぬと、大枚6000億円を払ってアメリカからミサイル迎撃システム購入した。今回の稼動で如何に安物の機械をアメリカから買わされたか良く分かった。

ここで頭を冷やして考えねばならぬ事は、北朝鮮が本当に日本を狙って攻撃を仕掛けるかどうかである。 もしそうなれば、日米軍事同盟により米軍が一挙に北朝鮮を攻撃し、今の共産政権を抹殺するだろう。 そんな事はされたくないから、北朝鮮は日本に向けてミサイルを発射し戦争を仕掛ける事は有り得ない。これは私だけの意見ではなく、日本の軍事評論家全ての意見である。中国やロシアは勿論、アメリカですら日本の過剰反応を諌めている。

国家と言うものは、万が一の事を想定して、事前に対抗処置を採る義務があると、どの国の政治家も同じように考えるらしい。 したがって、ミサイル防衛システムに膨大な予算を付ける事に誰も反対しない。軍事評論家が侵略は有り得ないと言っているのに、大金を叩いて防衛システムを買ってしまう。

みんな騙されているのだ。 そう言った国家の自衛本能を利用して稼ごうとしている軍事産業の策略にまんまと引っかかっている事に気付かない。 彼らは何とかして紛争を起こし、戦争を起こさせたり、危機感をあおって、武器を売りつけ稼ごうと常に画策している。 特にアメリカ軍部と軍事産業は完全に癒着しており、軍事産業が儲かる様に、アメリカの外交戦略は作られている。 イスラエルに武器を供給し、中東の擾乱を掻き立て、イスラム圏がテロで対抗する様に仕向け、テロ撲滅を言い掛かりにアフガニスタンやイラクを攻撃する。 この一連の動向は文明の衝突でもなんでもなく、アメリカ軍事産業が武器の売り上げで外貨を稼ぐ為の戦略であり、それを隠す為に、偽善的な民主化を振り回したり、歴史的な流れであると言い繕っているだけである。 

日本政府はまだ日本の軍事産業と強い癒着は無いが、アメリカ軍の尻馬に乗ってアメリカから大量の武器を購入している。 資本主義時代の企業は、金を稼ぐ為に手段を選ばない。 軍事産業はその最たるものである。 これこそ死の商人と言われる所以である。

アメリカは北朝鮮の様な侵略国家がいる程内心は喜んでいるのである。 日本政府も北朝鮮の脅威に過敏に反応し、国家自衛の大義名分に名を借りて、アメリカから役にも立たない大量の武器を購入し、軍事産業を喜ばしているだけである。

日本の採るべき賢明な方法は、北朝鮮が売る喧嘩に乗らないで、無駄な軍事支出を削り、福祉や減税に回す事である。 国の面子とは、ヤクザの仁義と同レベルの、取るに足らない見得に過ぎない。 防衛は聖域だと軍事産業に洗脳されているだけである。

アメリカばかり取り上げたが、先進国の殆どの軍事産業はその国の外交方針に大きな影響を与えている。 これは資本主義社会の内包する欠陥の最たるものであり、軍事産業の存在する限り世界から戦争や軍備拡張は無くならない。