電柱の無い町へ(07/04/02)

昔の町並みを保存している観光保護地区を見ると、落ち着きのある清潔感が漂っている。

その理由は、道路に電柱が無く、したがって、軒先から空を見ても、張り巡らされた目障りな電線が無いからだ。 日頃見慣れた電柱であるが、街の写真など撮っていてつい気になるのが、この邪魔な電柱や電線である。

電柱には、電力線、電話線、CATV線などが共架されており、最近は光ケーブルも仲間入りしている。 こうして何時までも電柱を使っていたら、街の景観はますます悪くなる。

ヨーロッパの街並みはきれいだし、東京の中心街の街並みもきれいである。

しかし、国全体で見ると日本の電柱利用率は他の先進国より相当高いと感じる。 私が住んでいる横浜市の東戸塚の街は、全国的に見ても新しく出来た街であるが、やはり、電柱がのさばっている。 今の都市計画法には電線などの地下化は義務付けられていない様だ。

そろそろ、日本でも電線や通信線の地下化を推進し、街の景観を改善する時期に来ているのではなかろうか。 現在、NTTなどを中心に電話ケーブルの光化が推進されているが、この機会を利用して地下化を行わないと、これから先地下化推進のチャンスは当分訪れないと思う。 なぜ、光ケーブルの地下化を義務付けなかったのだろうか。

金が掛かって光化の普及の足を引っ張ると言うのが多分反対の理由だろう。 しかし、将来改めて地下化をするのは2度手間であり、結局は建設資金の無駄使いになる事ははっきりしている。

今、通信線の光化を急ぐ理由は特に見当たらない。 この機会を捉えて光ケーブルを含めすべての架空線を地下化し、電柱を街から抹殺するべきである。

こうすれば、街はきれいになるし、交通事故も減少する。 政府は、無駄な公共投資や軍事費に税金を使わないで、「美しい日本」を作る為、架空線の地下化に税金を使うべきではなかろうか。

仕事が無くて困っている土建業界の救済策にもなる。

振返って家庭内を見ると、家中にLANケーブルが張り巡らされている。 我が家では、息子2人もパソコンを使っているので、インターネット・プロバイダーからリースしている端末機から2階の私の部屋にあるハブ機器までケーブルが伸び、そこから2人の息子のパソコンを含め3台のパソコンまで配線ケーブルが張り巡らされている。 その光景はパソコンを使っていない主婦などから見ると醜悪に映るらしい。

更に一階にある電話から二階のFAXに配線がなされているし、テレビのケーブルも家にある4台のテレビに衛星テレビと地上テレビの配線がなされている。 昔からある壁の中の配線は3本しか有効に利用されていない。 これら蛸の足配線の問題を解決するには、無線LANの導入と最近売り出された電気配線利用のPLCLANシステムの導入が考えられる。 

2011年テレビのアナログ地上波放送が無くなるまでに、地上波デジタルのアンテナとBS/CS兼用アンテナを2階の屋根の上に設置し、共用装置を使って壁内配線ケーブルに接続し、今使用しいる座敷内配線をすべて撤去する。

また、電気配線利用のPCLLANの端末が普及し値段が下がった頃を見計らって、インターネット関連のケーブル配線を撤去する。 こうすれば、我が家の室内蛸足配線は完全消滅し、すっきりした部屋の雰囲気を取り戻せるだろう。 

最後に残るのはパソコンとその周辺装置をつなぐ蛸足配線である。 これらも、近い将来無線近距離高速リンクが出来て、すべて無線に置き換わる日が来るのではなかろうか。