バーチャルな墓  (03/5/21)

  1. 死後に残すもの

    人間は死後に墓を残す。 芸術家は作品を残すが、我々凡人はこれと言って残すものが無い。 死後に残物すものは本当は子孫であり、悠久の生命であるが、そう考える人は少ない。 子孫は両親や先祖を敬わねばならないが、多分私の墓にお参りしてくれるのはせいぜい孫達までだろう。 曾孫になるともう他人も同然であり、墓は苔生すままに放置されるのが目に見えている。

    「先祖代々の墓」も3代で終わりである。

    何故そうなるか。 それはハードウエアを残すからである。 ソフトの形で残せば、代々子孫へと受け継がれ、1000年だって生き残れる。それがこれから述べる「バーチャル・グレイブ」である。

    「バイオ宗教」では祖先を敬えと説くが、その目玉商品に「バーチャル・グレイブ」を奨励したらと考えている。

  2. バーチャル・グレイブ構想

    それはソフトウエア・コンテンツの一種である。 話は簡単で、コンピュータでCDDVDに写真やビデオを大量に記録して残す様に、自分に関する生前の情報を精選してディスクに入れて置くだけで良い。 ディスクは消去不能のCD-RDVD-Rにしておく事。

    ラベルに自分の顔写真を入れ、「○○の一生」とか適当なタイトルと生存した年号を記入しておく。 それを歴代の子孫が保存して、気が向いた時に見れば良い。 記録媒体はどんどん大容量化するので、先祖の数が多くなっても一枚のディスクに索引付きで収容し、年代を指定すればその時代のご先祖が生き生きと蘇る様にする事も将来は出来るだろう。

    面倒な人の為に、「共同墓地」ならぬ「共同バーチャル・グレイブ」サービス会社を設立し、情報を一手に保管するネットサービスを始めるのも良い。結構儲かる商売が出来るだろう。 どこかの博物館のように訪問者は後を絶たないだろう。 ただし、プライバシー保護のオプションは設けておいた方が良い。 時代を経るに従って、このアーカイブは次第に情報価値を増し、1000年もすれば、古代研究の貴重な資料にもなる得ると思う。

  3. 先祖の敬愛

    自分達の先祖がどの様な生き方をして来たか、彼らが代々継承した生命の重みが今の自分にずっ  しりと感じられ、先祖の努力に報いる様頑張る意欲が湧いて来る事、間違い無しと思うがどんなものだろうか。

    情報化時代の新しい墓は、土地代も掛からず手軽で誠に重宝だと思う。