パソコンのグレードアップ(07/01/30

  1. WINDOWS VISTAの登場

    2007130日、いよいよマイクロソフトの「WINDOWS VISTA」が日本でも販売開始された。 マイクロソフトの独断で、現行の「WINDOWS-XP」はあと2年でサポートを打ち切ると言っていたが、日本ユーザーの反対に会い、あと5年間の延長を約束した。 パソコンのOS市場を独占しているマイクロソフトも、LINUXの存在に神経を尖らせている。 ユーザーが経済的なオープンOSであるLINUXに乗り換える可能性は十分にあり得るので、彼らは妥協せざるを得なかった。 我々ももう少し早くLINUXが普及する事を願っているが、現状ではWINDOWSのバージョンアップに泣く泣く追随するしかない状態に置かれている。

    今度出るWINDOWSVISTAの改善点にビジュアル系に強くなった点が挙げられる。

    パソコンでハイビジョン信号が扱える時代が到来し、VISTAはそれをサポートしているらしい。 私は以前からパソコンでハイビジョン番組を編集したり、録画、再生したかったので、今回に限ってはバージョンアップを喜んでいる。

    今持っているパソコンは2004年の春、自作したものだが、VISTAでハイビジョンを扱る様にするには、大幅な改修が必要である事が分かった。 パソコン技術の進歩は速過ぎて、今書店に出ている最新号のパソコン雑誌を参考にして自作すると、その機械を使い始めた頃には、もっとコストパーフォーマンスの良い部品が売り出され、「早まった」と後悔させられる事が多い。 数ヶ月先の動向を察知して部品を選ばないと直ぐ陳腐化してしまう世界なのだ。

    私もこれまでの苦い経験から、雑誌が新製品と囃し立てても直ぐには手を出さなくなった。 じっくりと技術と値段の将来動向を勘案して、方式の切り替え直後には絶対に買い控える事にしている。 

    検討結果、今回のVISTAへのバージョンアップで再利用できるのは、パソコンのケース、DVDドライバー、HDDだけで、電源、CPU、メモリ、マザーボード、ビデオカード、テレビチューナーは買い換えなければならない事が分かった。 1部品当たり平均2万円はするので、10万円の持ち出しになる。 さらに、VISTAを買うともう2万円出費が増える。

    また、今のDVDドライバーをブルーレー方式のハイビジョン用に変えると、+8万円の出費になる。(それでも、既製品を買うよりは安い)

    陳腐化した部品も、ハイビジョンを扱わないなら、あと10年は使える相当高級な部品である。 これを中古屋に売ると、最低でも2万円にはなるだろうが、買った時の1/5の残存価値しかなく、全く馬鹿らしい話だ。 OSWINDOWS VISTA への更改が一段落する頃には、高額の部品も値下がりするのが慣わしだから、肝心な事はあせって新製品を買い急がない事だ。 半年経てば、いまの最新型もコストダウンで半額に下がるか、性能がぐっと良くなるか、するだろう。 「鳴くまで待とう。 ホトトギス」の家康の心境でこの激動期を無事に切り抜けたいものだ。

  2. インストール後の感想

    「鳴くまで待とう。ホトトギス」と言った舌の乾かぬ内に、衝動買いで新しいOSを買ってしまった。
    もう少し様子を見てからVISTAに移行するつもりだったが、周辺機器との組み合わせでOSを安く売るBDL版なら半額で買える事が分かり、つい乗せられてしまった。
    パソコンのHDDを2つのパーティションに分け、一方にはWINDOWS-XPをそのまま残し、もう一方にWINDOWS VISTAの最高バージョン(Ultimate)をインストールした。
    インストールはXPの時より簡単になっていた。

    動作させてみると予想通り多くの問題点が浮かんで来た。 テレビチューナー(パソコン内蔵)と関連ソフトが動作しない。 ビデオカードの機能が不十分で、VISTAの売り物である複数ウインドウの立体配置が出来ない。 インターネットがVISTAの保護機能が厳重な為か数倍動作が遅い。 私のホームページなどは全部読み込むのに10分以上掛かる。 その他、動作しないソフトが半数以上あり、メーカのVISTA対応無償バージョンアップもまだ準備されていない。 あと一ヶ月すれば幾らかのソフトメーカはVISTA対応版を無償でダウンロードさせてくれるだろうが、対応できないで新規に買わされるものも出るだろう。 特に内蔵形テレビチューナーなどのハードはVISTA上ではもう使えない。

    最初はVISTAの「アップグレード版」を買って安上がりに移行しようと思っていたが、それをやらなくて良かった。 両方のOSからいずれかを選べるので、VISTAが駄目な時はXPで従来通り動作させられる。
    やはり、アップグレード版は絶対買わない方が良い。 

    OSだけをVISTAに変えてもパソコンは動いたが、VISTAの改良された機能を充分に生かすには、ソフトの早急な対応と電源、CPU、マザーボード、メモリー、ビデオカード(256MB版)、テレビチューナーの交換が必須である事が良く分かった。

    以上の話はハイビジョン信号の録画、編集などをする場合であり、普通のビデオ信号の編集、静止画の整理、インターネットの利用、ワープロや表計算など今まで通りの使い方をする場合には、CPUとマザーボードを代えるだけで割安にVISTAの新機能を利用できる道がある。 しかし、それだったらわざわざXPからVISTAに乗り換える必要は無い。 XPのサポートが続けられる限り、何もしないのが一番の得策である。