30年後の世界(20091月元旦)

元旦の新聞を読んでいると、30年後の世界について、子供たちの予想が色々書かれていた。 そこで私なりに30年後の予想をしてみよう。

先ず確実に言えるのは、私と家内はもうこの世から消滅し、自然に帰っている事である。 一番大きく変わるのは、低炭素社会への移行に伴う社会の仕組みだろう。 エネルギーや資源の大量消費時代が終り、太陽エネルギーを発電や加熱・冷房に利用する生活様式への変換が進行しているだろう。 太陽光発電、風力発電、潮力発電、地熱発電などの設備が普及し、火力発電に取って代わる。 クリーンな電力が発電量の大半を占め、家庭が電力会社に余剰電力を売る時代が来るだろう。 家庭の自動車の総量は減り、交通に市内電車や自転車を使う人が増えるだろう。 自動車も自家充電する電気自動車や燃料電池自動車に取って代わるだろう。 ガソリンスタンドは消滅し、電気充電や水素燃料スタンドに変るだろう。 これらは楽観的な予測であり、政府の積極的な推進対策が不可欠である。

熱帯雨林の伐採は無くなる。 今ブラジルの熱帯雨林では、「アグロ・フォレストリ」農業が普及している。 これは、農業と林業を両立させる多角農業で、むかし焼き畑農業でコショウなど大規模なプランテーションを作り、自然とのバランスを無視した為に病虫害を引き起こした苦い経験と反省の上に編み出された自然共生形の農業である。 この共生形農業により、熱帯雨林を破壊しない農業が普及するだろう。

参照) http://www.slowbussiness.org/article.php/200709_slowtopc_agrofore

また、砂漠に生息できる植物が遺伝子合成され、砂漠を緑のオアシスに変える試みが成功する可能性がある。 植物や食料から燃料を抽出する省エネ技術は本当の二酸化炭素削減にはならないから、その内衰退するだろう。

参照) http://blog.goo.ne.jp/chorinkai/e/94d0c1981c7cd510773c9200caa0470

地球温暖化は30年先でも進行しているだろうが、進行速度は減少し始めるだろう。

では資本主義経済はどの様に変貌するだろうか。

発展途上国の中には中国、インドに続いて経済成長をする国が幾つか出現するだろう。

先進国では、金融資本主義が破綻し、自由経済に規制が掛けられ、投機マネーの暴走は止まるだろう。 手段を選ばない拝金主義が反省され、社会貢献形の資本主義へと修正されるだろう。 しかし、貧富の差はそれ程解消されそうにない。 国際的な競争社会も継続するだろうが、自然エネルギー生産消費型社会への変革に大幅な資金が投資されるだろう。 

強大な帝国アメリカの一極主義は崩壊し、EC、ロシア、中国、インド、ブラジルなどが勢力を持つ多極化した世界が実現して行くだろう。 しかし、民族紛争やテロの脅威は解消の方向には進まない。 人間は平和共存の出来ない動物である。 争わなくても生きて行ける時代になるには、数百年掛けて今の人口を半減する必要がある。

以上、希望的な予測を記したが、この様な社会は人間の英知を結集し、世界中が危機感を共有し協調して努力をしなければ実現できない。 我々は死んで行くが、これから社会に進出する若者の背中に、その責任は重く圧し掛かっている。