あずきとの出会い
あずきと初めて出会ったのは、犬の散歩中の夏の朝の公園でした。 すでに柴犬の栗と、ヨークシャーテリアの大五郎を飼っていたので、見ないよう、さわらないようにと、自分に言い聞かせ、散歩を終えて、家に帰りました。 母にそれとなく、子犬がいたよって言ったのですが、やっぱり、うちでは3匹の犬を飼うのは、無理という結論でした。 よく見ると子供が連れていたので、ああ飼い犬なんだ、と少し安心したのですがある日、子犬がひとりぽっちになっているのを見かけることもありましたが、子供が遊びに夢中なだけと思っていました。 それにしても子犬の容貌は、しっぽと耳は湿疹か何かで、しっぽはゴボウみたいに、毛が無くがさがさでした。 ある雨上がりの朝、いつものように、散歩に出かけると、公園の入り口の、車止めにつながれて、鳴き声もあげられないくらいの、あの子犬を見つけました。 前の晩はすごい雨だったのです。体は冷え切っていて、動くこともできない、雨宿りもできない所につながれて一晩過ごしたのでしょう。怯えているのか、それとも、弱り切っていたのか、身動き一つしません。 家につれて帰り、冷えた体を、お風呂で温め、栗のハウスに毛布を敷き寝かせると死んだように、眠り続けました。 もう少し元気になったら、里親を捜さなきゃ行けないと思う。