<カメラの選びかた>



まず最初に。 これは私の私見であり、全くの初心者に対して私がアドバイスすると言うことを想定して書いています。

カメラを買う目的(撮りたい物)は何?


さて、カメラと一口に言ってもさまざまな種類が存在します。

ざっと分類方法だけを思い付くままに列挙しても
  • フィルムサイズ(APS、35mm、中判、大判など)
  • ファインダーの方式(一眼レフ、二眼レフ、レンジファインダーなど)
  • ピント合わせの方式(アクティブAF、パッシブAF、MF、パンフォーカスなど)
  • レンズの違い(レンズ交換可能か否か?単焦点かズームか?また焦点距離は?)
など、組み合わせを考えるとうんざりしてしまいますね。
しかも、それぞれに一長一短が有り、得意分野、不得意分野が存在します。
もっとも、カメラ量販店に新品カメラを普通に買いに行った場合は「一眼レフ」か「ズーム無しコンパクトカメラ」か「ズーム付きコンパクトカメラ」か、フィルムサイズも35mmかAPSか、ぐらいしか種類は有りませんが(^^;
とりあえず、自分自身が「何を」「どのように」撮りたいかをはっきりとさせ、それに必要なカメラの条件とは何かを考えていく事は必要です。


カメラの特徴と対策


ズーム無しコンパクトカメラ
通常、焦点距離が60mm以下(35mmカメラ換算)の標準〜広角系のレンズを搭載していて、価格的には最も安価な部類に属します。(一部例外有り)
実売価格は大体1万〜4万円と言ったところでしょうか?標準〜広角系専用カメラなため、基本的にスナップ/記念撮影用です。
購入時のチェックポイントは
  • ピント合わせの方式
  • 最短撮影距離
  • レンズの焦点距離
の3点です。

ピント合わせの方式は、パッシブAFアクティブAFパンフォーカスが3大方式で、大抵の場合このうちのどれかです(一部、パッシブとアクティブの両方のAF方式を併用したカメラも有る)。

パッシブAF
被写体から来る光によってピントを合わせる方式。窓ガラス越しの撮影に強いが、暗いところや被写体にコントラストが無い(真っ白な壁など)場合はピントが合わない。

アクティブAF
カメラから超音波や赤外線を出し、その反射によって被写体までの距離を測りピントを合わせる方式。真っ暗闇でもピントが合うが、窓ガラス越しでの撮影の場合、どうやってもガラスにピントが合ってしまうという欠点が有る。

パンフォーカス
被写体の距離によらず画面全体の全てにピントが合って見えるようにしたレンズで、ピント合わせ機構が存在しない。カメラの中では最も安価に購入できるが、性能的にはレンズ付きフィルム(使い捨てカメラ)と同程度か若干マシと言う程度のカメラと考えてかまわない。

最短撮影距離は被写体にどれだけ近づいて撮影できる(ピントが合う)かを現す数字で、慣例的にフィルム面からの距離で現されます。もちろん、この数字が小さければ小さいほど被写体に近づいてもピントが合うわけで、小さいにこした事はありません。

レンズの焦点距離広角系(35mmカメラ換算で30mm以下)と標準系(35mmカメラ換算で35mm以上)に大別できます。(一部望遠レンズを備えている物が有りますが、あくまで例外)
広角系は広い範囲が写せますが遠近感が極めて強調されるため、構図によっては顔が歪むなど、特殊な効果を狙う場合を除いてあまり人物撮影には向きません。特に、被写体とカメラの距離が近づくほどその傾向は顕著になります。
標準系は写る範囲こそ狭くなりますが、構図による画面の歪みが(広角系に比べて)少なく、人物撮影でも使いやすいカメラです。

また、例外的存在ですが「高級コンパクトカメラ」と呼ばれるカメラもこの仲間に含まれます。価格的には軽く10万円はするため、よほどの写真好きでないと買わないでしょう。基本的に、普通のコンパクトカメラは全自動でユーザはシャッターを押すだけですが、高級コンパクトカメラは絞り調節やマニュアルフォーカス・露出補正などの機能を搭載し、ユーザの意図に合わせた撮影ができるようになっています。


ズーム付きコンパクトカメラ
広角〜望遠のズームレンズを搭載しているコンパクトカメラ。カメラ量販店では最も売れ筋らしいです。価格的には3万〜7万円ぐらい?
広角から望遠まで撮影できるため、一般的な撮影は大抵こなせます。ただし、基本的に全自動である事、レンズが暗い事から「雑誌グラビアのような写真」を撮るのはかなり難しいです。
購入時のチェックポイントは
  • ピント合わせの方式
  • 最短撮影距離
  • ズームの範囲(倍率)
  • レンズの明るさ
です。

ピント合わせの方式と最短撮影距離はズーム無しの場合と同じなので省略。
ズームの倍率は大きければ大きいほど道具として面白いんですが、逆にレンズの明るさがどんどん暗く、画質も悪くなってしまうのでバランスが難しいです。
特に望遠側が100mmを超えるようなコンパクトカメラですと、殆どの場合レンズが(特に望遠側で)暗すぎるために高感度(ISO800以上)のフィルムが必須になってしまいます。


一眼レフカメラ(AF)
レンズ交換式カメラの代表選手。使用するレンズ次第でさまざまな被写体に対応できる自由度の高さが魅力。
最近のAF一眼は自動化が進んでいるため、全自動モードに設定すればコンパクトカメラと同じくシャッターを押すだけで写真が撮れます。ただし、「奇麗に撮る」にはある程度の使いこなしテクニックが必要なので、購入後それなりに勉強するつもりでいてください。「シャッターを押すだけ」を求めるならコンパクトカメラのほうが小さく軽く、安価です。
価格的には下は標準ズーム付きで4万〜5万円、上はレンズ1本ウン百万円という世界が開けています(笑)

購入時の最低限のチェックポイントは
  • 交換レンズやオプション機器のラインナップの豊富さ
  • AEモードの種類
  • ファインダー内に表示される情報
です。できれば事前にカメラ入門書籍や初心者向けカメラ雑誌(月間CAPAや月間カメラマンなど)のバックナンバーを数ヶ月分読んで、ある程度予備知識を仕入れておきましょう。

基本的に、3大メーカ製AF一眼レフ(ニコンFシリーズ、キャノンEOSシリーズ、ミノルタαシリーズ)であればオプションや交換レンズで困る事はまず有りません。
(特殊な物を除いて・・・)
また、AEモードも全自動・絞り優先・シャッター優先・マニュアルの4つを最低限備えていれば十分です。
ファインダーを覗いて最低限表示されていないと困る情報として、
  • 適正露出
  • シャッター速度
  • 絞り値
  • (パノラマ対応の場合)パノラマか否か
の4つを挙げておきましょうか。他に、表示されている事が望ましい情報として
  • 露出補正値
  • ストロボの充電完了
などがありますね。
個人的には、下位機種(EOSkissやα303siなど)は使って行くうちに機能や操作感に不満があれこれ出てくるので、最初から中〜上級機(F90XやEOS55、α807siなど)を買う事をお勧めします。


撮影目的別の大雑把なレンズ選択指針


一眼レフの場合、被写体や撮影条件に合わせてレンズを交換するのが普通です。また、レンズ交換してこその一眼レフとも言えます。
下に、被写体によってどんなレンズを選択するかを私の独断と偏見によって挙げて行きます。もっとも、表現意図によってはここに挙げたレンズと全く異なるレンズを選ぶ場合も有りますけど・・・それも撮影者の感性の見せ所でしょう。

風景・スナップ・記念撮影
広角〜標準(60mm以下)のズームまたは単焦点。明るさはそれ程重要ではない。
シャッターのタイムラグを容認できれば、コンパクトカメラも実用範囲。


人物ポートレイト
標準〜中望遠(200mm以下)で、できるだけ明るいレンズ。ズームなら開放F2.8タイプを選択したい。暗いレンズだと背景がくっきり写りすぎる(ボケが小さい)ため、撮影場所によっては人物を浮き立たせるための背景処理に悩む事になる。
また、極端な望遠は被写体とのコミュニケーションを困難にしてしまう(距離が開きすぎて、大声を出さないと声が届かない)ため、不適格。
コスプレの撮影も基本は同じ。


動物
人に飼われていない動物は基本的に近づいて撮影できない(逃げてしまう)ので、300mm以上の超望遠レンズを使いたい。特に野鳥は500mm以上のレンズが標準と考えるべき。レンズは明るいにこした事はないが、大きく重くなってしまうので機動性とのトレードオフになる。一方でペットはかなり近づく事もできるので、スナップや人物ポートレイトに準じてかまわない。






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