ランブータンはライチー・ロンガン等のムクロジ科の仲間で東南アジアの産地の人々に大変親しまれている果実の一つである。
植物学ではNephelium lappaceum L.と記され、一般に英語ではrambutan、フランス語ではramboutan又はramboutanier、
オランダではramboetan、インドではramboostan、中国ではshao tzu、ベトナムではchom chomあるいはvai thieu、その他にも東南アジアでは様々な方言での呼び名がある。
概要:
ランブータンの成木は高さ15-25mに達し、幹は直径60cmにも達し、濃い緑の葉を付けて枝が横に広がり王冠状の樹形を成す。
常緑の葉は、交互に伸びた長さ7−30cmの羽状複葉で構成され、赤味を帯びた葉軸を持ち、若い時には産毛があり、この小葉が交互に1〜4対付いている。
葉の形は楕円か長方形楕円かやや倒卵形をして交互に向かい合って葉柄部で不等辺形のものもある。
葉は強靭で黄緑からダークグリーンで葉の表面はくすんでいて裏側は黄色あるいは青みを帯びた緑色で5-20cmの長さで幅は2.5-11cmで6〜15対の主葉脈が葉の裏側に浮き出している。 花は小さな花弁のない3種類の花を付け、先ず雄花、そして雄機能を持つ雌雄同体、および雌機能をもつ雌雄同体があり、葉腋や偽の枝先端に細い花房を付ける。 果物は卵形かあるいは楕円で、薄桃色の赤、オレンジの赤、明るい深い赤、えび茶色、暗い紫、黄色の赤、黄色、オレンジの黄色で大きさは3.4-8cmである。 薄く強靭な皮は柔らかくフレッシュで赤か、薄桃色か、黄色をした0.5〜2cm長の柔棘で覆われる。 そして種類によっては柔棘の先が欠落するものもある。 果実を覆うこの柔棘が毛状であることからマレー語で「髪の毛」を現す「rambut」がこの果物の共通の名前の元になって世界中で使われることとなった。 果肉の内部は半透明な白バラ色で、酸味又は多少の酸味のある甘い果汁を含み、肉厚は0.4-0.8cmで殆どの種類は種子に果肉が確りとくっ付いている。 種子は卵形あるいは扁平形で長さ2.5-3.4cm幅が1-1.5cm程度である。 成熟した果物の軸付近に1〜2個の小さ未発達の果物が付いて物がしばしば見られる。
原産地と伝播: ランブータンはマレーシア原産で、マレー諸島および東南アジアの至る所で一般に栽培されている。 最初アラビア人のトレーダーによってザンジバルとペンバへ紹介された。 インドの一部地域とスリナムでも多少栽培されている。 中南米のコロンビア、エクアドル、ホンジュラス、コスタリカ、トリニダードおよびキューバの各海岸低地でも多少栽培されている。 又少量ながらコスタリカでは市場出荷もされている。
フィリピンへはインドネシアから1912年に最初に導入された。 その後1920年再度インドネシアから、又1930年マレー半島からも導入されたが普及は限定的なものだった。 ところが1950年代に入り人気が出て需要が増えその後のランブータンの系統的改良の努力が始まるきっかけとなり、又バタンガス、カヴィテ、ダバオ、イロイロ、ラグナ、ミンドロおよびザンボアンガの農村地帯にたくさんの商業用プランテーションが開かかれる原因となった。 アメリカへの輸入は1906年にジャワから最初導入された、しかしランブータンは米国本土では未だ試験栽培の域を脱していない。 しかし近年ハワイでさとうきび畑の後作として本格的栽培の試みが始まっている。
品種: マライ半島のポピュラーな種類はChooi Ang種 , Peng Thing Bee種 , Ya Tow' , 'Azimat種などである。 又インドネシアのJ.J.Ochse博士は以下6種類について記述している。
Lebakbooloos種 果実の軟刺(spines)の長さは1.5cm程度で柔刺の数は少なく果実はダークレッドで樹の先端が広がりをもつのが特徴。 やや灰色がかった白い厚さ0.5cmのタフでやや酸味がある果肉で、果肉と種子が密着している為果肉に外種皮が付着してしまう。 長距離出荷に適した品種である。(インドでも栽培されている。)
Seematjan種 樹形は開いた王冠形で長く柔軟な枝を付ける。果実の表皮はダークレッドで軟刺の長さは2cm程度である。 ジャワではこの品種は良く虫の被害に遭う。 この品種はインド・フィリピンでも栽培され生産されている。 この種類にはニつのタイプがあり、先ずその一つは小果実を備えた「Seematjan besar」で、薄い皮、軟刺は少なく、非常に甘く、果肉は多少粗いがかなり水分の多い品種で果肉が核に強く付いている品種である。次)は「Seematjan ketjil」又は「Koombang」と呼ばれる品種で、種皮が核からはがれ易いタイプで、果肉は柔らかくタフだが糖度は低い品種である。
Seenjonja種 樹高が低く育ち樹冠が垂れさがる。果実は卵形で長さは約4cm幅が3cmで果実の色はダークワインレッドで細くワインレッドの柔軟な軟刺を付けて果肉厚は1cm程度で種子に堅く付いている。 フィリピンで、41 lbs/エーカー(41kg/ha)を平均して生産している。
Sectangkooweh種 樹の頂部が広がって生育する。果物は長さ約5cm幅4cmの扁平楕円で、柔らかな柔刺は 1cm程度、皮は薄くタフである。 果肉は黄色がかった白で甘く種子に確りと着いている。この種類は遠隔地市場に向いている。
Seelengkeng種 木の先端が垂れて王冠は低く成長する。 果実は卵形で長さ3cm、幅2cm、非常に素晴らしく柔軟な柔刺で、果肉はわずかに光沢がありタフで適度に甘く、また果肉は種から離れ易い。取り木が難しい品種で生産が少ない為に市場価格が高い。レイシと似ている為中国人に好まれる。(インドでも栽培されている。)
Seekonto種 木は広い王冠を持って成長が早い。果実は楕円で長さが約5cm幅が約4cm程度で柔棘は太くて短い。果肉は鈍いねずみ色がかった白で粗く果肉の水分が少なく種子から離れ易い。
Maharlika種 情報なし。
黄色のランブータンは、Bataviaで「Atjeh koonig」と呼ばれ、マレー半島では、「Rambutan gading」がこの黄色のタイプを指す。 マレー半島のランブータンの多くの系統の中で最上の種離れ良いタイプはPenangにある。 部分的に種離れが良い一つの系統は「Rambutan lejang」として知られている。 又ランブータンが非常に酸っぱい為に猿も食べない品種もある。
1950年には、フィリピンの園芸家がミンドロ島ビクトリアに試験場を開き品種改良を始めた。 そこには360本の木が植えられ、それらは1960年までに結実した140本と結実しない196本(殆ど雄木)に別けられた。 そして長年の観察により、果物サイズによる21種4グループに分類されその基準は、先ず1kg31個かそれ以下のXLサイズ、次が1kg32個〜36個のLサイズ、1kg37〜41個のMサイズ、そして1kg42個以上のSサイズとした。 以下が21選別種の果実の特徴を要約したものである。
Queen Zaida種 果実はダークレッド、長方形、中サイズ。果肉は厚い(果肉率38.76%)、甘く、水分の多い果肉は種離れ易い。 二週間の冷蔵保管で60%程度は良好な品質を維持できる。20年生の木では一本当たり125kg程度の収穫。
Baby Eulie種 果実はライトレッド、非常に大きく。果肉は厚く(果肉率39.92%)、柔らかく、果肉は種離れ易い。 15.5℃で一週間の冷蔵保管が可能であった。 8年生で一本の木から160kg収穫。
Princess Caroline種 果実はダークレッドで小さく、表皮が柔軟。 果肉は厚く(果肉率44.14%)種は小さい。 15.5℃でニ週間の冷蔵保管が可能であった。 8年生で一本の木から200kg収穫。
Quezon種 果実はイエロイッシュレッドで中サイズ表皮は;柔軟。果肉は厚く(果肉率38.24%)水分を多く含み甘いが多少酸味を含む。 8年生で一本の木から156kg収穫。
Roxas種 果実はダークレッドの中サイズ。 果肉は厚く(果肉率42.97%)水分の多く、甘い、種離れ難。 8年生で一本の木から195kg収穫。
Zamora種 果実はイェローイッシュで柔棘は青白いピンクの長方形で小さく皮は固い。 果肉は厚く(果肉率38.29%)水分多く、甘い。 7年生で一本の木から330kg収穫。 10月中旬から下旬に収穫される。 15.5℃でニ週間の冷蔵保管で80が良好な状態が保たれた。
Quirino種 果実はイェローイッシュ色で柔棘はピンキッシュレッド小サイズで果肉は厚く(果肉率32.78%)水分も多く、甘い。 果房が大きく最高85個の実が一房に着果した。
Magsaysay種 果実はダークレッドないし黒に近いダークレッドで同じくダークレッドの柔棘があり長方形で皮は柔らかい。 果肉は厚く(果肉率42.68%);水分は多い、甘く、種離れし易い。 6年生木で一本から176kgの収穫が記録されている。
Santo Tomas種 果実はイェローイッシュピンクでレディシュピンクの柔らかい柔棘があり丸型で表皮が硬い。 果肉は厚く果肉率43.25%で種は小さい。 8年生木で一本から160kgの収穫がある。
Victoria種 果実はイエローイッシュで赤い柔棘があり皮が厚く果肉も厚い水分も多く甘く種が離れ易い。 6年生木で1本の木から60kgの収穫がある。生産時期は7月初旬から中旬。
Baby Christie種 果実はイェローイッシュレッドで柔らかくシルバーピンク柔棘があり果肉は厚い(果肉率36.41%)。
Governor Infantada種 果実は長方形で非常に大きく皮は柔軟。 果肉は;厚く(果肉率39.28%)水分も多く、甘く、わずかに酸性がある種子と果肉は密着して離れ難い。 6年生木で1本の木150kgが収穫。 15.5℃の一週間程度しか保管できない。
Laurel, Sr種 果実はピンキッシュレッドで小粒、果肉は厚く(果肉率39.76%)。木は横に広がって非常に低く生育する。
Fortich種 果実はイエローイッシュレッドで中サイズ、果肉は厚く(果肉率40.95%);水分も多い、甘く果肉は種から離れ易い早生種である。
Osmena、sr 種 果実はパープルレッドの中型で果肉厚く(果肉率38.90%);水分も多く、甘く種からは離れ易い。晩生種である。
Ponderosa Ferreras種 果実はクリムソンレッドで著しい柔棘があり、果肉は厚く(果肉率35.73%);水分も多く、甘く、種は離れ易い。早生種で、6年生で1本の木から138kgの収穫。
Rodrigas種 果実は中サイズで果肉厚い(果肉率の38.46%)。
Manahan種 果実中サイズで果肉は厚い(果肉率37.37%)。
Santan種 果肉厚く(果肉率34.26%)。
Arago種 非常に果肉が厚く(果肉率41.42%)
Cruz又はCuzas種 果肉の厚さは中程度で(果肉率の26.15%)。
1960年頃インドネシア人によって100本の実生苗木の評価で10種類の優れたランブータンが以下の通り選択された記録あり。「Seematjan」,「Seenjonja' , 'Maharlika' , 'Divata' , 'Marikit' , 'Dalisay' , 'Marilag' , 'Bituin' , 'Alindog' , 'Paraluman'」。
気候条件:ランブータンは通年降雨がある熱帯の湿度の高い、海岸から海抜500-600mまでの低地に良く生育する。 フィリピンでは理想的な環境として、年平均気温27.3℃、相対湿度は82%で、降雨180cm、年間降雨日165日と言われ、さらに乾期が3か月以上続かないところとされている
土壌:有機物や泥炭が豊富で、粘土質ローム又は砂の豊富なロームを好み、かつ排水が重要である。
育苗: ランブータンは実生成長の為正常な強い根を張らせる為に果物から取り出した種子は良く洗浄し平たい面を下方に向けて水平に置いて根が自然に伸びるようにする必要がある。 種子の発芽は9〜25日で元気ものから順に発芽する。 通常果実から種子を取り出して2日経過した種子の発芽率は87%から95%である。 ところが播種が果実収穫後種子採取が1週間を過ぎて行こなわれたものは、50%〜65%の発芽率に落ちる。 8時間の日干し又は30℃のオーブン・ドライの種子は一週間以内で発芽能力を失う。 洗われた種子は湿ったおがくず、水苔、炭で包んでおくと3-4週間程度保管できる。 しかし幾つかの種は保管中に発芽してしまうことがある。 果肉のジュースは発芽を抑える為ジュースが付着した種子は発芽しない。 従って無洗または果汁で処理した種は湿ったおがくずの中で一ケ月程度の保管が可能なる。 ランブータンの実生の苗は結実までに5-6年かかりさらに雌の雄に対する発現率が4〜7であるる。 フィリピンのある実生の苗果樹園では、雄木が67%で出現した。 いずれにしても収穫出来る木が5%では栽培は困難である。 従ってランブータンには栄養繁殖が不可欠です。 成長促進ホルモンを使用した挿し木を高湿度下で試験的したが実用段階には至っていない。 取り木は成功確率が高といわれているがこの方法も母木から分離した後に、5-ガロン容器に移植した後や定植後に枯れることがある。
マルチは面倒な手間がかかるがランブータン、pulasan(N. mutabile L.)又はN. intermedium Radlkの5〜9ヶ月生実生の苗に非常に有効である。 穂木は二週間置きに三回穂木に刻み目を付けた若枝で生育後2〜3月生の枝を親木から切り離して取ります。 接ぎ木はあまり良い結果がえられません、しかし芽継ぎの成功率は大変良い為広く普及しています。 台木は発芽後45日の実生の苗を苗床から5台のギャル・コンテナーに移植し、さらに土に50%の腐食肥料を混ぜた1クォートの缶へ移植します。 フィリピンのミンドロでは芽継ぎが5月に行われた場合83.6%の成功で、6月〜7月に行われれば82%との報告があります。 芽継ぎして畑に植えられた木は二年半から三年で開花します。
栽培: フィリピンでは、良く肥えた土地に10〜12m間隔で定植が奨励されている。 木が近すぎる場合数年後に混んで生産に悪影響がでる。 フィリピンの農家では収穫直後に1本の木当たり1kgの完全配合肥料(12-24-12)と一緒に1kg硫安を施し、又雨季が終わるころ各木に同じ量の硫安を施します。マレー半島の研究ではランブータン果実を6,720 kg/ha収穫する為におよそ15 kg/haの窒素、2kg/ha燐、11.5 kg/haカリウム、5.9 kg/haカルシウムおよび2.67 kg/haマグネシウムが土から吸収されるとの報告があります。又乾期には必要に応じて潅漑が必要になります。 軽い剪定が整形や枝の強化の為に行われます。 ランブータンの木は、開花中から結実までの間に強風の被害を受け易い為に防風が必要です。
収穫: 、マレー半島のランブータンの収穫は一般に主力の6月と副産季の12月の年二回行われます。 フィリピンでは開花が3月後半から5月頃で、収穫は7月から10月頃であるが時々11月前半でも収穫出来ることがある。 収穫はクラスタ全体を枝から切り取って行われる。 果実を一つづつもぎ取る場合は果実の皮が剥がれて傷が付かないように軸を数センチ残して折り取る。 果物の取り扱いは果実傷や割れ等が起こらないようにする。 又果実の質の低下を止める為に乾燥・冷却・換気が必要になる。
生産: 通常ランブータンは毎年新芽が出てその枝に翌年開花結実する為に隔年結果ない。 然しながら生産量は年により相当不安定である。 例えばある8年生木で年産200kgあったものが翌年60kgしか生産しないことがある。 フィリピンでは全体の一本当りの平均生産量が48kgであるのに対して21選別種の平均では4年間続けて一本当り120kgの生産を記録しあてる。 1965年から1967年までフィリピン国立農業大学でインドネシアで栽培されているSeematjan種、Seenjonja種、Maharlika種の生育、開花、生産に関する研究を行い。 Seematjan種の花はすべて雌(h.f.f)として機能する雌雄同体でこの品種の栽培には雄木を植え付けが必要であることを発見した。 Seenjonja種とMaharlika種の花のほとんどはh.f.fであったが少数ながら同じ円錐花序の中で雄木(h.f.m)として機能する雌雄同体がみられこれらは自家受粉が可能であることが確認された。しかし商業栽培には雄木の植付けが増産の為に生産量を増やすと結論を下した。
品質管理: レンブータンは通常果物が腐ったりしなびたりして品質の低下が起こる前の収穫後3日以内に市場に出回ります。 殺菌処理されて通気孔のあるポリエチレン・バッグに保管すると長期の鮮度維持が可能になる。 果実の水分蒸散を防ぐ為に濡れたおがくずでパックしたり、あるいは乳剤でのワックス処理も効果がある。 密封したポリエチレン・バッグに入れて室温10℃・湿度95%の冷蔵保管で12日間新鮮な状態を保つことができる。 またいくつかの栽培品種ではそれ以上に長期保管が可能との報告もある。
害虫と疾病: いくつかの害虫や疾病がランブータン栽培者によって報告されている。 葉を食べる昆虫、コナカイガラムシ、Pseudococcus lilacinus および大きなバグTessaratoma
longicorneは防除が必要である。 マンゴー穿孔虫Niphonoclea
albataはランブータン樹に巣くう。 オリエンタルミバエは良く熟した果物に産卵する。 鳥およびフライングフォックス(果物こうおもり)は、果物を食い荒らし恐らく生産量を減らす原因となる。 高温高湿下で果物を腐らせる病原体もある。 それはどん粉病菌Oidium sp.,によって引き起こされ葉あるいは木の部分に感染する。 ひどい病気でフィリピンのFomes lignosus、マレー半島のOphioceras sp菌によって引き起こされる軸潰瘍は防除を怠ると致命的な被害を受ける。
用途: 一般にランブータンは手で単に皮を剥くか、皮の中間に切り込みを入れて皮を取り除いてそのまま食べる。 皮は果肉から簡単にはぎ取れる。 デザートとして皮をむいた果物をとろ火で煮て食べる方法もある。 小規模ながらシロップづけの缶詰もある。 マレー半島で保存用加工の場合先ず種子から肉を簡単に剥がす為皮をむいた果物を最初ゆでて種取をする。 次に冷えた後に外皮は廃棄し種子だけとりだして柔わらかくなるまで煮込む。 次に果肉と種子を混ぜて多量の砂糖で約20分間煮込む。 最後にジャー入れグローブを3程加えて蓋を密閉して作る。 フィリピンで種子をローストして食べる、また生の種は有毒であるとの言い伝えもある。
毒性: 種子には微量のアルカロイドが含まれ、外皮にはサポニンとタンニン酸を含む。 種子は苦く麻酔性があると言われている。 又果皮に有毒サポニンおよびタンニン酸が含まれるとも言われている。
その他の利用: 種子脂肪: 種子核は、ココアバターに似た37-43%の固形の白い脂肪を含む。 これは加熱すると良い香がして黄色い油になる。 その脂肪酸は次のとおり。 :palmitic、2.0%; stearic、13.8%; arachidic、34.7%; オレイン酸、45.3%; またericosenoic、4.2%。 飽和グリセリド1.4%。 もしこの脂肪が大量に供給可能であれば石鹸・ろうそく等の材料として利用が可能になる。
材木利用:
: ランブータンを材木用に伐採することは殆どない。 しかしながら切り取った木はひび割れしないように慎重に乾かすと wood-red、reddish-white, brownishの建築材料として利用出来る。
医薬の用途: 未熟な果実は収れん剤、健胃消化剤として使われる; 虫下しの役割をし又下痢と赤痢に効果があるといわる。 葉は頭痛を緩和するためにこめかみに湿布して使われる。 マレー半島では、乾いた果実の皮が漢方医薬として使われ田舎のドラッグストアで売られている。収れん剤樹皮煎じ薬はがっこうそう病の治療薬になる。 根の煎じ薬は清涼飲料として利用される。
ランブータンの成分/100g:-
水分 82.3 g
蛋白質 0.46 g
炭水化物 16.02 g
還元糖 2.9 g
蔗糖 5.8 g
ファイバー 0.24g
カルシウム 10.6 mg
燐 12.9 mg
アスコルビン酸 30 mg
ランブータンと日本人: ランブータンは東南アジアの産地ではメジャーな果実であるにも関わらず実バエのホストの為に輸入が禁止されていた。ところがこの実バエが生存していないオーストラリア・クイーンズランド州で近年栽培が拡がり2000の春から日本市場に入り始めた、季節は年末の輸入は北部オーストラリアからその後1月末頃から主産地のクイーンズランド州に産地が移り4月末頃まで輸入が続く、このオーストラリア産ランブータンは果実も大きく一つの果実の重量が30〜50g程度で糖度も18°〜20°以上で大変甘い、しかし果実の棚もちが悪い、果肉から種子が離れずらく食べにくい等の問題もあり今後の拡販には幾つか解決する必要な問題がある。
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