12V動作1球スーパー
2000年3月完成
右は比較用のオーディオカセット
大きさ: 137mmx90mmx50mm(つまみ部除く)
特徴:
正面 裏側
2個の銀色の円筒はIFT
使用球 :
12FR8 1球 回路構成: 周波数変換
:3極部で自励式コンバータ。
中間周波増幅:5極部
検波
:2極部で2極管検波
電力増幅 :5極部(レフレックスでIF段と共用)
※AFの電圧増幅は省略。
回路図
※回路図はあくまで参考です。利用は自由としますが利用により生じるいかなる結果にも責任を負いません。
回路について:
3極管による自励式コンバータは、カソードが2極部と共通になっていて
カソードを直接アースする必要があるのでちょっと特殊な形式になっています。
動作は比較的安定していてトラッキングもとれていますが、ポリバリコンとの
組合せでは、現状では放送波の上の方が1550kHz位までしかカバーでき
てません。このラジオは2000年3月の完成で、その後「ST管式2球スーパー」
のような回路がカソードを直接アースする場合3極管でも良好に動作することが
わかりましたのでいずれ作りなおしたいと思っています。
また、12FR8の3極部と2極部は6AV6のような構造で2極部の引出し部は
3極部のPに接近しているので、このように3極部をコンバータ、2極部を検波に
使用するとIFの出力が入力側にフィードバックされることになりそのままだと発振
するので、この対策のため中和をかけています。
12FR8の5極部は実際にIpカーブを測定してみると、意外に内部抵抗
が小さく、このためか、レフレックスで使用すると、AFでIFが変調される度合い
が大きく、この対策のため、IFの負荷を低めに取ったり、検波出力のDC成分を
若干G1に戻してAGCもどきの動作をさせたりしています。
電池 :
A、B電池共通:単3 10個 15V ACアダプター使用可能使用部品 :
・主要部品はトランジスタ用を使用。コイル類の巻線は変更。 つまみ類 :バリコンには延長シャフトを取り付け既製品を使用。
外装、構造 :
球(のソケット)、IFT、OSC、OPT等は基板に取り付けられ、バリコン、VR、バー
アンテナ、SPはケースに取り付けられています。電池ボックスは市販のものを使用
しています。ケースは箱型で裏側に平板状の蓋が付く構造になっています。この
ように箱型のケースに直接取り付けられた部品が多いので配線がちょっとごちゃ
ごちゃしてメンテナンスがやっかいになってしまっています。
IFTは7mm角のトランジスタラジオ用の巻線変更品ですがこれを金属製の円筒
に入れて、真空管用のIFTのような感じの外観にしています。この金属製の円筒は
単4電池の金属外装を改造して作っています。
バリコンはポリバリコンですが延長シャフトを取り付け、普通のつまみを取り付けて
います。
性能、他:
「真空管1本でSPを動作させるスーパー作りたい」と考え、このラジオの試作を始め
ました。当初は試作のみのつもりだったのですがそこそこの性能が得られたので、
外装を作り、ポータブルラジオとして完成させました。
内蔵のバーアンテナのみで鉄筋の室内で当地(大阪府寝屋川市)の地元局は全て
受信できますが夜間も同条件では遠距離局の受信はできません。電気的な最大出力
は十分とはいえないのですが比較的大きな80mm程度のスピーカを使用しているので
夜間、室内で一人深夜放送を聞くといった使い方には十分です。