検波コイル


   「TV球6AB8使用1球レフレックス高一」は一応「高一」なので、これにはいわゆる「高一コイル」が必要です。かつて、この「高一コイル」はトリオ(現ケンウッド?)の製品が有名で、私も’72年頃、普通の高一ラジオを作ったときに使用したことがあります。当時は1組250円位だったと記憶しているのですが今ではトリオの箱入り未使用のものはプレミアムがついて1万円以上するようです。
   普通「高一コイル」は「アンテナコイル」と「検波コイル」の2個のコイルで構成されています。「TV球6AB8使用1球レフレックス高一」では「アンテナコイル」は他のラジオ同様バーアンテナを使用しています。「検波コイル」は 以下のような方法で作っています。
   材料は写真のような直径8mmくらいのコア入りのボビンと5.6mH位の高周波チョークコイルです。いずれも普通のパーツ店で売られている安価なものです。高周波チョークコイルは壷型コアを使用し磁束が外に漏れないようになったものもありますがそのようなタイプは使用できませんので注意してください。 まずコア入りボビンに写真のように巻き線します。巻き線仕様を下記に記します。

                           巻き数  巻始め  巻終り
         同調コイル   130T      GND         G1
         再生コイル     20T    P    GND

    線材  :いずれもΦ0.06のウレタン線を4本束ねたもの
    巻方向  :各コイル同一方向に巻く

           RFT1.JPG - 4,081BYTES           RFT2.JPG - 5,515BYTES
                       ボビンとRFC                                        巻線、組立状態

  同調コイルはハニカム巻き風に巻いていますが、特にその必要はなく、適当に乱れた手巻きでよいと思います。同調コイルの巻き数は後述の335pFのポリバリコンと組み合わせる場合のものです。真空管用として(入手難ですが)一般的な430pFのエアバリコンと組み合わせて使用する場合は巻き数を若干減らす必要があります。
  巻線の後、写真のように高周波チョークコイルをボビンに接着します。高周波チョークコイルが高周波増幅管のプレートコイルとなります。
   この検波コイルは前述のように「TV球6AB8使用1球レフレックス高一」に使用したもので、6BD6等を250V位のB電圧で使用する普通の高一に使用できるかどうかは不明です。高周波チョークコイルのインダクタンスを変えたり、コイルの巻き数を加減すれば使用できる可能性はありますが絶縁耐圧に注意する必要があり、特に同調コイルと再生コイルの間は絶縁テープを挟んだりする等の方法で絶縁耐圧を確保する必要があります。

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