Produced by the ICOM/CIDOC

文書化規格グループ

Editors: Nick Crofts, Ifigenia Dionissiadou, Martin Doerr, Pat Reed.

September 1998

Copyright © 1998 ICOM/CIDOC Documentation Standards Group

Contents

Introduction

CICC概念的参照モデル[The CIDOC Conceptual Reference Model (CRM)]は, 文化遺産の文書に関する形式的オントロジ(formal ontology)である。それは, ICOM/CIDOC文書化規格グループ[ICOM/CIDOC documentation standards group (DSG)]によって数年間をかけて開発された。完全モデルは, 極めて複雑であって, 図形様式での簡潔な表示はなされない。現文書は, 博物館オブジェクト情報に関するCIDOC国際指針, つまりCIDOC情報分類[CIDOC Information Categories (CIC)]に基づく分かりやすい入門書を提供することを目的とする。CRMは, 一連のサブモデルとして表される。各サブモデルは, CICが定義する情報グループの一つに直接マッピングする。どの場合にも, 簡単な適用範囲の備考が用意されていて, その備考は, 参照モデルの背景にある考えを説明し, 個々の情報項目の位置付けを明示的にする。当然, 現文書をCICと共に読むことを推奨する。

モデルの表示の適用範囲は, 多くの観点において慎重に制限されている。

• モデルは, それが意図する利用者(学者, 博物館の専門家, 博物館来館者など)の概念的枠組みを採用する。それは, すべての可能な視点を表現することは目的としない。
• モデルは, 共通の博物館活動(収集の管理と保管, 研究と分析, 促進と通信)に焦点を当てる。組織固有の管理手続きは, モデルには組み込まれていない。しかし, 参照モデルと互換性を保つ可能な実装方法は, 提案される。
• モデルは, CICに組み込まれている文化的文書化の観点に集中する。
• モデルは, 博物館によって集められたオブジェクトを主として扱う。
• モデルは, 適切なサービス品質の提供に必要な細かさと正しさのレベルを提供することを目的とする。もっと詳細なモデル化は確かに可能であるが, 多分実用的ではない。
• 不必要な技術的複雑さを避けるための要求も, モデルに影響を与た。

この文書の文脈の中で, CRMの完全な提示を与えることはできない。これ以上の詳細については, 参考文献を参照されたい。参考文献の完全セットは, 次のDSGウェブサイトで入手できる。

http://www.ville-ge.ch/musinfo/cidoc/oomodel/

CIDOC参照モデルは進行中の作業であることをを記憶しておくことが重要である。現文書は, 1998年3月にCreteで行われた作業会議で得られているモデルの現状を表している。広い概要は既に充分確立しているが, 詳細に関する幾つかの課題をまだ扱う必要がある。コメントと提案を歓迎する。

Nick Crofts

Pat Reed

CIDOC Documentation Standards Group

September 1998