「フィルムは手荷物として機内に持ち込んでください」
フィルムメーカーが飛行機ご利用の方に呼びか


2001年7月19日

コダック株式会社
コニカ株式会社
日本アグフア・ゲバルト株式会社
日本ポラロイド株式会社
富士写真フイルム株式会社

 最近、外国の空港で最新型の強力な荷物検査用X線装置の導入が進んできたことから、空港X線によるフィルムのカブリ事故が増加傾向にあります。このような状況から、フィルムメーカー5社では、「飛行機をご利用の際、フィルムは『手荷物』として機内に持ち込んでいただく」ように飛行機をご利用される方に注意を促すことにいたしました。

この最新型検査装置はX線とCTスキャン(コンピューター断層撮影)を組み合わせて、預け入れ荷物の中の不審物を検査するもので、精密な検査を要する不審物を検知すると、高出力スキャンに切り替わります。この高出力X線を受けると、縞模様やカブリなどがフィルムに生じ、写真が台無しになってしまうことがあります。この検査装置は今後さらに普及していくものとみられております。

このような検査装置による影響は、撮影前か撮影済みかにかかわらず未現像の写真感光材料〔例 カラー・黒白フィルム、スライド用(リバーサル)フィルム、レンズ付フィルム、インスタントフィルム等〕に起きる可能性があり、その影響は現像してみないと分かりません。

荷物検査は、国・機関等によりさまざまな設備・方法で行なわれており、一概には申せませんが、お客様の大切なフィルムが検査装置によってカブリ等の影響を受ける可能性を低減するために、以下のフィルム取り扱いをお勧めいたします。

「撮影前か撮影済みかにかかわらず未現像のフィルムは、搭乗手続き時に預け入れ荷物として航空会社に預けず、手荷物として機内に持ち込んでください。」

 機内持ち込み手荷物検査用X線検査装置の大多数は、ほとんどのフィルムには安全という実績があります。但し、X線検査を何度も受けることが予想される時や、超高感度フィルム等で影響が懸念される時は、機内持ち込み手荷物から出して、X線を当てない検査を受けることをお勧めします。

以上  

参考資料


―報道関係からのお問い合わせ先―
コダック株式会社 広報室 03−5683−4860
コニカ株式会社 広報室 03−3349−5251
日本アグフア・ゲバルト株式会社 業務部 03−5704−3075
富士写真フイルム株式会社 広報部 03−3438−8822
日本ポラロイド株式会社 広報部 03−3406−2490

ONE POINT ADVICE (筆者の私見で上記のメーカーとは無関係です)

 私は20年くらい前から搭乗するときはフィルムを透明の袋に入れて、視認による検査を要求するようにしています。一回のX線検査では大丈夫でも、何度も検査を受けると、積算されていくからです。ましてや高感度フィルムや増感する場合は、なおさらです。
 X線を遮断する袋も通常の場合有効ですが、判別ができないとより強いX線を照射するので、逆効果という報告もあります。

 海外では手荷物検査のX線検査を有無をいわさず行う空港もありますが、国内の場合ダメといわれたことはありません。ともかくカブリが出てからでは後の祭りで、どこで感光したのかを特定することはまず不可能で、空港や飛行機会社はなんの補償もしてくれません。これは自衛する以外ないのが現実です。

 結論 フィルムは手荷物で持ち込み、大事なフィルムは視認検査を受けよう!!