[現像のお話し Vol.02, 1999年10月30日UP]
「カラーネガの現像」っていうと何のことを思いつきます?。普通は「写真屋さんにフィルムを現像に出す」ことだと思います。
もちろん自分で現像する人も中にはいると思いますが、モノクロに比べるとお金もかかりすぎるし難しいので、一般的ではないですね。
ということでほとんどの場合、フィルムを出すお店に全て任せてしまうしかないんです。
じゃあ、我々が「何もすることはないの?」となると、やっぱりいくつかポイントがあるんです。
それは「フィルムを出すお店の選び方」なんです。
ところで皆さんは現像に出すお店の「選び方」ってどうしてます?。だいたい、下の三つに分類されるんじゃないでしょうか。
(1)安い (ホントに安い?「現像代0円」とか「プリント代1円」とか見かけますが、「現像0円でプリント1円」という店はありませんけど...)
(2)近い (良く行くコンビニとかクリーニング屋さんのような、いつも通っていて「ついでに」持って行けるところですね...)
(3)大きい (いわゆる「大きな写真屋」とかチェーン店、写真系の大手ディスカウントショップなどですね...)
まあ、こういった選び方もありますし、いい写真を作ってくれるお店もあるでしょう。
でも戻ってきた写真があんまり良くなかった場合、これはカメラやフィルムを変える前に「お店」を変えてみましょう。
写す時に失敗してればしょうがないですが、ちゃんと撮ったはずなのに顔が暗く写ってるとか、
ウェディングドレスが白く飛んじゃってせっかくのデザインが見えないとか、
素晴らしい紅葉のはずなのに色が悪いとか、もしそんなことがあったらまずお店を変えてみるのもひとつの方法です。
(でも、いくらお店を変えてもダメな場合は、カメラか自分の腕を疑いましょうね..笑)
私の知り合いで、アフリカに旅行してたくさん写真を撮ってきたのに、出来上りがあんまり良くなくてがっかりした人がいました。 写真の腕はいい人なので、プリントに出す店を変えるように勧めたところ、焼増しの時に違う店に出しました。 すると、最初よりずっといいプリントになり、店によってこれだけ違うという事実に驚いたそうです。 |
それでは「いいお店」の選び方はどうしたらいいでしょう?。そのためにまず現像所の違いについて説明したいと思います。
大規模現像所 (機関ラボ) |
これは大手の現像所(ラボ)です。感材メーカーの系列会社であることが多いです。非常に処理能力の高い現像処理機を使い、
ちゃんとした薬品管理と一定の品質基準のプリントを出荷するよう管理されているところが多いようです。
工場のような規模で、それぞれの地区にひとつずつ設置されているようです。ここに直接フィルムを出すことは出来ませんが、
現像機の置いてない取次店(クリーニング屋や本屋、コンビニなど)に出すと、ここで処理されます。 特徴として、安定した品質の写真を手に入れられますが、配送の関係で中1日か2日くらい時間がかかります。 また、メーカーの系列がはっきりしていますので、違うメーカーのフィルムを現像に出したときはプリントの出来は期待できません。 (噂では故意に悪くプリントしてるとも...。本当だったら怖いけど...。) |
ミニラボ設置店 (ミニラボ) |
この機械(ミニラボ)は暗室がなくても店頭で現像出来るように開発された現像機です。
ミニラボを置いているお店は、現像本数が大量でなけば店頭でプリントを作れます。
こういったお店は町の写真屋さんなどに多いようですが、「30分仕上げ」とか「60分仕上げ」なんて書いてあれば、まずこのお店です。 このお店の特徴として「現像が早い」ということが挙げられますが、その反面、品質はバラツキとなって出てきます。 例えば、店員がバイトとかで写真のことが良くわからない人だったりすると、出来の悪い写真でもそのままお客さんに渡ってしまいます。 また、1日あたりの現像が少なかったり、数にムラがあったりすると現像液の劣化が起こり、プリントの品質は落ちてしまいます。 そして、ミニラボを作っているのも感材メーカーなので、同じメーカーのフィルムでないといいプリントが出来ない事情は上の機関ラボと同じです。 |
プロラボ | これはプロ(専門)の現像所です。一般の方はあまり馴染みがないと思いますが、プロカメラマンは仕事のフィルムはここで現像します。
専門の現像所ですから、プロフェッショナルな機材、情報、人材で品質も期待できます
(お店のレベルの差はやはりありますが、上の二つよりははるかにレベルが高いです)。
何と言っても、写真に詳しい人がやってますから(当たり前か..)色々な相談にも応じてもらえます。 本当はプロラボに現像に出すのが理想でしょうが、近くにないとか価格が高い(といっても、倍も違いませんけどね)とか使いづらいことも事実ですね。 でも大事な写真や気に入ったものは、機会があればプロラボを使ってみてください。 メーカーとの関係について言うと、もちろん、プロラボにも感材メーカーの系列があります。 でも、そこは「プロ」ですから自社の信用を落としてまで系列以外のメーカーの品質を下げることはないでしょう。 |
ということで、プロラボを除けば「ミニラボ」と「機関ラボ」の選択になります。
もちろんお店や会社の実力によりますが、基本的にはミニラボより機関ラボの方が上じゃないでしょうかね。
(腕のいい写真屋さんが、こだわってやってるお店では「ミニラボ」と言っても機関ラボより上ですが..)
それでは具体的にどうすればいいか、いくつかのポイントにまとめてみます。
1.使う「フィルム」のメーカーと、現像に出す「お店の系列」メーカーを同じにする (KodakはKodak、FujiはFuji、KonicaはKonicaに..)
2.現像に時間がかかるのを我慢して、ミニラボを使わずコンビニなどで機関ラボに出す
3.極端に安い現像価格のお店を避ける
この中で「1.」は特に大事です。
お店の系列メーカーを調べるには、店先の「登り旗」や看板のメーカー名を確認してみましょう。
もしわからなくても、返って来た写真の裏にメーカー名が入っているでしょう。
また、特に急がないのなら「2.」の方法が無難です。ただ、その時も系列メーカーには注意してください。
(コンビニやクリーニング屋さんでも、感材メーカー名の入った看板が出ていると思います)。
そして「3.」は、ミニラボ店なんかが特にそうなんですが、あまり高い品質は期待できません。
ミニラボは使わなくても「保守料金」がかかりますので、現像料0円とかプリント1円などで客を呼ぼうとします。
もし、数をこなすことで「0円」が実現してる店だったとしても、利益確保のためノーブランドの印画紙が使われていることがあります。
(プリントの裏を見て何のメーカー名も入ってなければノーブランドの印画紙です。)
まあ、あんまり安いプリントじゃ出来が悪くてもお店に文句言いにくいですよね?。(^_^) ではまた...