デジカメでカラープリント? 

[デジタル機器のお話し Vol.03, 2000年03月01日UP]

 ついにデジカメは300万画素オーバーですか..。そして400万画素オーバーも近日登場とのことですが、これは何なんでしょうね? おやじは前にも書いてますが、「シャッターが押したいときに切れる」ことや 「バッテリーが一日もつ」などの「使い勝手」の問題の解決はどうなってるんでしょう? ホームページの写真くらいなら50万画素もあれば十分なんですが、ここまで画素数を上げてくるのは「カラープリント」のためなんでしょうか?。 でもって、メーカーの考える「デジカメでカラープリント」って「デジカメの画素数を上げる」ことなんでしょうかねぇ..。


 メーカーはデジカメの用途の一つである「デジタルプリント」をどう思っているんでしょうね?。
デジカメの画質が悪いと喜ばれない」→これはそうかもしれません。でも、これは「画素数だけ」が上がればいいと言うものじゃないです。 これはおやじの個人的意見ですが、もっとカメラとしての使い勝手が良くなったり、 撮った後に気楽にプリント出来ることの方が大事なんじゃないんでしょうか?。

おやじが欲しいデジカメに、「Nikon D1」というカメラがあります。 これは同社のプロ用一眼レフ「F5」をデジタル化したものなんですが、 全ての面において「おやじの希望(早い反応、高い感度、いいレンズなど)」を満たしています。 値段が20万円くらいなら借金してでも買うところですが、残念がら3倍以上します。レンズも揃えるとなると100万円越えるなぁ..(^_^;)

このカメラの良さは多くのプロカメラマンも認めるところですが、この「D1」は実は「276万画素(有効266万画素)」なんですね。 このデジカメは画素数をあえて「この程度」に抑え、その分CCDのサイズを大きくし、「使い勝手」の部分を優先させているようです。
以前にデジカメのところで「大きなCCDの方がいい」と書いたんですが、次のテーマにしてみる予定です。 (今回の補足に入れるつもりが、あまりにも話が長くなったので..)

 ということで「画素数だけ」ならデジタルプリントに十分対応できる最近の「デジカメ」ですが、 「使い勝手」の問題が解決されるのはまだ先になりそうです。 だとしたら、画素数が十分になったからって無理に使いにくいカメラで写真撮らなくたっていいんじゃないでしょうか?。 普通のカメラを使えば好きなレンズ選べるし、バッテリーの保ちを気にしながらシャッター押すこともないですしね。 そこでおやじは「同じ何万円もの出費をするならフィルムスキャナを買おう」と考えました。 最後には「両方」買ったんですが、それぞれの用途が違うんですね。

・ホームページの写真用 → 割と感度の高い80万画素クラスの「デジカメ」(当時は130万画素が主流)
・デジタルプリント用 → 35mm専用 2700dpiの「フィルムスキャナ」(APS対応をあえてはずしました)

どんなにデジカメの画素数上げても、「一眼レフ」で撮って「フィルムスキャナー」で読み込む「リバーサル」の画質にはかなわないでしょう。 なんてったってレンズの性能からして違いますから..。(今度の300万画素オーバーのデジカメは、いいレンズついてるのかな?) 皆さんも「デジタルプリントやりたいからデジカメを買いたい」方がいたら、フィルムスキャナにしてみるのはどうですか?。

昔ハイビジョンが開発された始めた頃、走査線の数が倍になって「いい画像が見られる」と期待したある関係者が言ってましたが、 実際の映像を初めて見た時「なんだこりゃ」と思ったそうです。それは、今までのTV画像と全く変わらないからでした。 どうして画質が上がらなかったかというと、レンズの性能がハイビジョンの画質についていけなかったからだそうです。 結局ハイビジョン用の高解像度レンズやカメラを開発するまで「高画質」は実現しなかったのでした..。


・デジタルプリント

 最近発売されたデジカメのことで前置きが長くなってしまいましたが、 デジカメで気軽に撮れても「プリントするのも面倒くさい」という人が多いんじゃないでしょうか。 おやじもやってみたんですが、「PC立ち上げて」「デジカメ繋いで」「プリンター電源入れて」「画像読み出して」 「レタッチソフトで修正して」「印刷する」のは大変です。 最近はPC使わなくてもデジカメのデータを印刷できるプリンターが出ていますが、 そのためにプリンタ買い替えてデジカメの「それなりの画質」のプリントを大量に作る気はしませんしねぇ。

 じゃ、デジタルプリントってぜんぜんだめなのか?っていうと、そうでもありません。 写真やってる人間からすると自分の家でカラープリントを作れるというのは魅力です。 どんなにカラーの引伸ばしを自宅でやりたくても、暗室作ったりペーパープロセッサー買ったりするのは大変です。 (趣味のためだけにプロセッサーを自宅に置く「お金」と「場所」のある人は、ほとんどいないですよね) だからカラー写真の「引伸ばし」の感覚でやれば、上に書いた手間もそれほど気にならないかもしれません。

(でも写真の感覚でデジタルプリントをやろうとすると、やっぱり今のデジカメの性能では満足できないですね。 現時点では「ひたすらデジカメの進歩を待つ」か、「フィルムスキャナを使う」しかないです。 フィルムスキャナでも大伸ばし用のデータは作れませんけど、まあ、A4サイズくらいまでなら何とかなります)

 単純に「プリンター」って書いてますが、今の状況では「インクジェット」になるんでしょうか..。 昔は「写真画質」は「昇華」と相場が決まってましたが、高画質のものはA4サイズで200万円を越えていましたね。 おやじがフルカラーインクジェットの出力物を見たのは、あるメーカーが開発中のものでした。 学生だったおやじはその「モザイク」のような画像に「だめだこりゃ」と思ったものですが、 わずか15年くらいでここまで変わるとは思ってもみませんでした。 値段も安くなったし、パソコンも普及したし、後は使いやすいデジカメとプリントするのが苦にならない「手間いらず」 を期待するだけですね。

 ということで、カラープリントの感覚でやればそれなりに愉しめる「デジタルプリント」ですが、用紙代はけちらないようにしましょう。 高いインクジェット専用紙やフォト紙でも、カラーの印画紙に比べれば安いもんです。 第一いい用紙使わないと写真の画質は出ませんし、普通紙なんかに印刷するなら「手間と時間がもったい」ないだけです。
 さらにもう一つアドバイスをするとしたら、できるだけ印画紙に近い「厚い紙」を使いましょう。 どうもペラペラの紙では「写真らしくない」ようで、写っている人にあげても喜ばれないし、ひどい時は見ただけで捨てられちゃったりします。(T_T)

最後に..

 おやじも写真画質のインクジェットプリンターと呼んでいますが、厳密に言うとまだ不満な点もいくつかあります。 ハイライト部のドットなんかは目立たずOKなんですが、シャドウ側はあまり奇麗にでないですね。 それと、これは重要なんですがインクジェットでプリントした写真は、銀塩のカラーペーパーに比べると保存性はよくありません。 まあ、紙やインクにもよるとは思いますが、基本的には写真より早く色褪せます。 いくら「10年なんとか」とか「100年なになに」と袋に書いてあっても「保証」してるわけではないですからね。 (ちなみに某メーカーの印画紙の「100年」というのは「商品名」で実際に保存できる期間を表示しているわけではないそうです)

ですからデジタルプリントの場合は、苦労してプリントしても「何年も保つ」ものではないことを承知の上でお愉しみください。

インクジェット用のフォト紙を出しているメーカーの人にお会いすることがありました。 結構デジカメのプリント用に売れてるそうですが、いちばん驚いたのが「データを消す」お客の話でした。 なんと、プリントしたらもうデータはいらないと消してしまい、プリントが変色したのでクレームをつけてきたそうです。 もしプリントが長持ちするものだったとしても、やっぱり画像データは取っておかないといけないでしょう。

あきれたおやじは、写真関係の人にこの話をしたら、なんと「一般の人にはネガ捨てる人いますよ」だって!。 その人曰く「邪魔だから」ということですが、おやじは大事なネガ捨てるなんて信じられないです。(@_@)

皆さん、「思い出」と「写真」はもっと大切にしましょうよ..。

※このコンテンツは全て2004年以前に書かれたもので、情報によっては現在と合わないこともあります。
※もし内容について確認したいことがあれば、「写真相談室」へご質問ください。

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