高画質デジカメはいかが? 

[デジタル機器のお話し Vol.01, 1999年09月20日UP]

 何年か前、おやじが新しいデジカメを探してると、「高画質デジカメはいかがですか?」 と店の人に言われ、「えっ、どれが?」と聞き返してしまいました。お店の人は「こちらの130万画素150万画素のものがそうです」と言うんですけど、それは 「高画素デジカメ」であって「高画質」じゃないと思いました。 (※注 … この話はまだ100万画素が珍しかったころの話です。)


 上の話を聞いて「おかしい」と思った方は要注意です。皆さんの中には「高画素高画質」 の図式が成り立っているようですが、 実際には「画質」と「画素」は別物です。「画質 」はメーカーの設計やノウハウの賜物ですが、「画素」は画質を 良くする要素の一つです。 他にもさまざまな要素(レンズの性能,CCDの種類,CCDの性能,画像の処理技術,画像の圧縮技術,露出制御...etc) がありますので、画素数が大きいからといって必ずしも高画質が得られるとは限らないと思います。

 この話は、一時期のパソコンのCPUクロックの話と良く似ています。あの頃はCPUのクロックを「133MHzだ」「150MHzだ」 「次は166だ」なんてあおってましたが、実際そんなに性能が向上してたんでしょうか?。それよりもトータルバランスとしての ビデオカードやメモリーの容量なんかの方も重要だったような気がします。もちろん処理能力は上がってたんでしょうけど 「使う」目的に効果がなければ、単なる数字の変化でしかないと思います。デジカメのCCDも同じです。もちろん目的に合えば、 画素数も多い方がいいと思うんですが、カタログやCMの「数字」にばかり目をとられると、意外な落とし穴にはまってしまいます。

CCDって言葉はビデオやデジカメのカタログなんかによく載ってますが、よく知らずに 使ってる人もいるんじゃないでしょうか。 おやじも詳しくはないですが「Charge Coupled Device」の略で、日本語では「電荷結合素子」というそうです。普通のカメラでいうと フィルムに当たるんですね。でも、デジカメのCCDはフィルムみたいに交換できませんので、 良く選ばないといけないでしょうね。

(ここでCCDの技術的なことをおやじに聞かないですださいね。専門的なことはわかりませんので(^_^;)。また「画質」への要求も 皆さんそれぞれですので、ご希望にかなうデジカメかどうかは、メーカーのHPにあるサンプル画像などでご判断した方がいいかと 思います)

 ということで、「画素数」だけでCCDを選んでいいでしょうか?。おやじは使う 目的で選ぶことも必要じゃないかと思っています。 皆さんが写真のフィルムを選ぶ時どうされます?。おやじはまず「感度」で選びます。 これから撮るものがスポーツやスナップ・夜景なんかだったら、暗いところに強くて速いシャッターが切れる 高感度を選びます。 また、せっかくの旅行で美しい風景や自然を撮るのなら、隅々までシャープで鮮やかに写る低感度 フィルムを選ぶと思います。 この辺の事情は、デジカメのCCDでも同じことだと思います。むしろ交換できない分 デジカメの方が慎重に選ばなければいけないかもしれません。

※書き出しの話に出てきた「高画素タイプ」のデジカメは、みな一様に感度がISO100前後ですね。 使い捨てカメラなどで今では一般的になった「感度400」と比べると1/4 です。もし、この感度でしか使えないのなら、ビギナーの方は手ぶれに注意が必要でしょう。

この件で気になって調べてみると、感度を表示(公開)していないメーカーが多い(家電メーカーやカメラメーカーに関らず) のにも驚きます。雑誌でも「未公開」なんて書いてあるとちょっと買う気が失せてしまいます。「 なんか隠しているのか」と勘繰りたくなりますね。ちなみに、あるパソコン通信の会議室で「手ぶれしやすい」 と良く書かれてる”某大手カメラメーカー”のものは、ISO64〜80のものばかりでした。211万画素あってもこの感度じゃねぇ...。

 ということで、デジカメ選ぶ時は、カタログで感度も調べてみましょう。中には、感度が 100のデジカメでも「高感度モード」で 400相当になるものもあります。こういった機種であれば用途で使い分けができそうです。ただ、 高感度モードで気をつけたいことは「画質が落ちる」ということです。 これはCCDの素子を数個を一つにみたてることで感度を上げてるためです。そのため、感度が4倍のモードで使うと画素数は 1/4相当(200万画素→50万画素)になることもあるわけです。(厳密にはメーカーによって違います。 気になる方は高感度モードの画像もチェックしたほうがいいでしょう。)もちろん、これらのことは撮影に高感度が必要ない人には 気にすることではないと思います。でも、デジカメをストロボのみや三脚で使ったり、晴天の屋外だけで使おうと思っている人は 少ないんじゃないでしょうか...。 (しかし、せっかく高画素のデジカメ買ったのに、画素数落とさないと使いにくいって一体何なんだろう...)

※他にもCCDの性能に関する項目として「CCDのサイズ」とか「補色系と原色系」、「正方素子と長方素子」とかいろいろあります。 これらは技術的に有利不利はあっても、メーカーや機種によって「良い・悪い」は変わりますのでここでは省かせていただきます。

個人的にはできるだけCCDサイズの大きくて高感度のものを選びますが、他の項目は あまり気にしていません。CCDのサイズにこだわる理由は、感度とは別の理由なんですが、書くと長くなるので 割愛させていただきます。もし聞きたい方がいらっしゃったらリクエストでもしてみてください。追加を考えてみます。


 ということで最後にまとめなんですが、そもそも皆さんはデジカメを何に使うつもりですか?。 私はHP用の写真を撮ったり、飲み会のスナップ程度だったりします。プリントしないならSVGAクラスで50万画素もあれば 十分だし、その分高感度コンパクト バッテリー長持ちで、安くて使いやすいものを買いたいと思います。 そんなおやじには、巷にあふれてる「高画素」なだけのデジカメは何に使うのか不思議でなりません。 「きれいなプリントを作るためだ」とおっしゃる方は意外と少ないのでは?。というのも私がお見かけしたところ、一般の方で デジカメに三脚をつけたりして撮ってる人はあまりいないようですし、デジカメの記念写真をもらったこともないからです (年賀状除く)。

この後の話で触れたいと思いますが、デジカメでカラープリントって実用的じゃないんですよねぇ...。 いやほんと。ということで、少し長くなってしまいましたが、今回だけでは言葉が足りない部分もありますので、 この辺の話をもう少し続けたいと思います。


※このコンテンツは全て2004年以前に書かれたもので、情報によっては現在と合わないこともあります。
※もし内容について確認したいことがあれば、「写真相談室」へご質問ください。

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