本文書はNECの特定製品を否定するものではありません。ニーズにあった方にはもちろんベストな商品だと思います。ここに書いているのはあくまでも私個人の考えですので、こういう考えもあるんだという見方でお読みいただけることを期待しています。
基本的に1台に1PCという制限があるため、TA1台ではインターネットへダイヤルアップ接続するのもPC1台だけという制限がある。但し、ISDN規格では1つのDSUには最大6台までのISDN機器(TAなど)を接続することが可能なので別にもう一台TAを買えば2つのPCでインターネット接続が可能である。しかしTA1つで電話回線1つを占有するので「1契約で2回線利用できるISDN」でも最大2つのPCしか使えませんし、電話料金も2倍かかることに注意してください。
ISDN機器はS/T系のライン上にしか接続できないため、PCを使いたい部屋にS/T点がない(S/T系の配線がきたモジュラジャック:壁の差込口がない)ため、TAを置いてもつなげないというのが賃貸住宅や既存住宅での問題です。そこで必ず一家にひとつはある電話口をISDN回線にしたらそこを基点にして、無線でつなげばいいという発想になります。そこででてきたのが、AtermIW50/D+RS10のIW50ワイヤレスセットです。
理想は、家中どこでも簡単に接続できることです。来年の流行先端はもうじき最終仕様がきまるIEEE802.11bの無線LAN+(ISDNルータまたは<ルータ+CATVモデム>)と個人的には思っています。LAN経由でインターネット接続することの利点は、収容できるPCの数に物理的制限がほとんどないことです。LAN接続でインターネット接続すれば、ルータが家庭内のPCのすべての要求を代表してインターネットに出して、応答を代表して受け取って要求した人に返してくれます(IPマスカレードやNATと呼ばれています)。従って、LAN上につながったPCはすべて同時にインターネットが利用できることになります。実際はISDN64Kbosの通信速度を同時使用するPCで分割するので、それぞれが我慢できる通信速度であるためには一定台数まででしょう。しかし、全PCが巨大ファイルのダウンロードしてるわけでなければ暇な時間がそれぞれあるので結構な台数まで使えると思います。
このLANを実現するのに、有線と無線の2方式があります。有線の場合は既に100Mbpsが安価に入手可能です(LANカードは数千円、ハブも2万円切ってます(*1))。10Mなら両方あわせても1万円いきませんし、ルータにはハブ機能が最初からあるのでカードだけでOKです。無線LANは今春からメルコとアイコムが安価な2Mbpsのものを出してきています(*2)。それでも親機と子機のセットで10万円ちょっとです。10Mbpsの規格がこの年末に決まりますので来年からはもっとブレークして安くなるでしょうが現状ではまだ「高い」ものです。
で、お勧めを書きあげると
・家庭内LANなのでPC間のデータ共有も可能というわけで、現状では家庭内LAN+ルータの組み合わせが一番ベストな回答だと思います。ちなみにAtermにもルータ製品(IR450/D)がありますが、使い勝手はいまいちでしたので他のをお勧めします(MN128SOHOシリーズ(NTT-ME)かRT80(ヤマハ)あたりかな)
・家庭内チャットも可能(^^。タイピングの練習になるよぉ
・複数のPCを1台のルータでインターネットできる。通信料金節約。設定の一元管理が可能なのでTAの設定を全部のPCに入れる必要がありません。通信接続設定はルータ側が記憶します。
・家庭内LANがあれば、PC間のデータ転送も高速で可能。IW50では64Kbpsの転送速度ですが家庭内LANなら、採用したLAN速度(10Mまたは100Mbps)です。2M超えの巨大文書も珍しくなくなってきた昨今、この転送時間の待ち時間はけっこうききますよ。
PCのRS232CドライバIC自体の最大通信速度は115Kbpsですので、物理的にこれを超えた通信速度は実現できません。(データ圧縮してみかけ上の速度を稼いでいるものもありますが圧縮済みのものでは効果が小さくなります)
・子機RS10の場所にしか電話機、PCをおけない。移動が面倒ではないでしょうか。
・同時に接続できるのは2台のPCまで、しかも電話代は2倍
先行配線をご希望なら、将来の汎用性、子機の増設の不要な点があげられるでしょう。