ISDN配線:バス配線の落とし穴

1999/4/17

最近、ISDNの配線に関してよく質問をうける。ISDN系はバス配線というのが基本だがこれがよく理解されていないように思う。日本の「知らしむべからず」、業界保護の体質が悪く働いているように思う。情報が少ないし啓蒙活動も行われていないようだ。住宅情報化協議会には本気で頑張ってもらいたい。実際、webmasterが住宅建築の時に「ISDN導入しますので対応配管して下さい」と依頼していたのに、チェックしてみたらスター型で配管していた。結局、バス配管を追加して頂くことになった。(追加工事費を請求されなかったのである意味ではよかったかもしれない)。最近のLANそれも10BaseTの普及で、情報系配線はスター型という常識ができつつあるのかもしれない。IEEEには他にも色々規定されているので興味ある方は調べてみるといい。10/100BatsT/Txはスター型だが10Base2はバス配線だ。
そこで今回は、ISDN導入にあたって間違えやすい配線形態(バス型、スター型)についてまとめてみる。

8部屋に1つずつのデジタル機器(ISDN機器:S/T点接続する)をおこうとする場合、各部屋へバス配線でS/T点を設けていく必要があります。バス配線とは同一線上に接続点が存在する一筆書きのような配線方法です。LANの世界では10Base2がこのバス配線方式です。ちなみに対象的に一点から放射状に配線するスター型配線は、最近のLANのほとんどがこの形式の10BaseTや100BaseTXですね。
ISDNはバス型で配線する必要があるので、配管もバス型に設けておく必要があります。つまり、部屋と部屋を結んでいき一本の道を作ることになります。配管ルートを検討すれば最短距離で全部屋を結ぶことができます。もし配管がスター型ならば、基点から部屋1へ配線したら戻ってきて、それから部屋2に行きまた戻り・・・を繰り返して部屋8まで到達させることになります。つまり折り返しを広げたらやはり一筆書きになっていないといけないわけです。スター型配線の場合の行って戻ってを短くするために図中のの +--ISDN機器1の部分を+--------------------ISDN機器1と一本になった部分を長く伸ばせばいいのではないかと考える人もでてくるでしょう。が、この部分は通常数10〜1mの間で工事しているようです。ISDNの規格もこのような使用を規定していませんので、性能の保証はできないでしょう。webmasterも以前、この方法が可能かをとあるフォーラムで質問したが誰も経験がないためか何のレスもつかなかった。お金と時間に余裕のある方は試してみて下さい。問題なく使えてますという方がいたら連絡していただきたい。
下図が先の説明を示したものである。ここでは、ISDN規格で規定されている接続可能な最大数のISDN機器を8部屋に設置することができるように配線を行う場合を示す。DSUの出力がS/T点となる。DSU内蔵TAの場合も機械内部でこのようなS/T点の経路がつくられているのでマニュアルをよく読んで欲しい。図の上図は普通にバス配線を行ったもので、下図はスター型の配管を行ったために行って戻ると繰り返したものである。当然、前者の方が使用するケーブルの全長は短くてすむ。
業者に電話配管頼みますというと、まず大概スター型配管をひいてくれる。しかしこれだと使うケーブルが長くなるし、2本通すため他のケーブルを通すのが苦しくなってしまう。変更可能ならばバス型配管を追加してもらうべきだろう。スター型配管は10/100BaseTの配線を行う時に必要なのでこちらもあったほうがいい。今時10base2というのはないだろう・・。ちなみにwebmasterの職場(部署)で採用したLANは10base2を部署の基幹系としてHUBを介して10baseTで各PCと接続するというものだった。今はスイッチングハブを介するように変わってるようです。いろんな方式があった時代だった。

 <-------部屋1----><-----部屋2-----><--部屋3---> .....<--部屋8->

  U点(NTT屋内引込点)
   |
  DSU--------+-------------+----------------+-------......--+-■(終端抵抗)
             |             |                |               |
         ISDN機器1       ISDN機器2      ISDN機器3 ・・・ISDN機器8

       Figure 1-1  バス型配管でのISDN接続

<-------部屋1----><-----部屋2-----><--部屋3---> .....<--部屋8-> U点(NTT屋内引込点) | DSU----+ +--ISDN +---+ 機器1 | +---------------------+ +--ISDN +---------------------+ 機器2 | +-------------------------------------+ +--ISDN +-------------------------------------+ 機器3 | : +----------------------------------------------------+ +--ISDN + 機器8 ■(終端抵抗) Figure 1-2 スター型配管でのISDN接続

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