情報科の先生になります >> 実践例 >> LANを引こう >> 

 LANの設置

前任校は各部屋までLANが引かれていて、部屋の中の配線は職員で行っていました。その経験もあって、ケーブルは自分で加工できるようになっていました。目の届く、手の届く範囲から少しずつ接続範囲を広げていきました。
(1)職員室
まずは常に自分が利用できる場所で、台数と人数が多いところから少しずつ広げていくことにしました。
 職員室内の新しいパソコンをとりあえずサーバとしました。サーバーといってもWindows98のふつうのパソコンです。ハードディスクに共有設定をしたフォルダを用意して、接続したプリンタをネットワークで共有できるようにしました。
 ケーブルはできるだけ机の下を通し、床を這う部分は電話の配線モールの中を通すようにしました。接続台数が増え、モールの中に通らない場合は、ガムテープを上から貼った(通称ガムテープモール)。
 手持ちのハブをつないでネットワーク運用開始!
(2)進路指導室
 進路指導室にISDN回線が引かれたので、ダイアルアップルーターを導入してもらい、職員室LANと接続することにしました。
 職員室と進路指導室は同じ2階にあるのですが、廊下を挟んで20mほど離れているため、ガムテープモールで接続することもできず、天井裏をころがし配線することにしました。
 点検口をできるだけ利用して配線するのですが、何カ所かは天井ボードを外して配線しました。空いている口からケーブルを塩ビパイプや針金などを使って通していきます。
 たまたま別の工事に入っていた業者の方からケーブルキャッチャー(配線用の釣り竿のような道具)というプロの道具を貸していただき、作業がはかどりました。
(3)コンピュータ室
 職員室とコンピュータ室も同じ2階にあるのですが、渡り廊下をはさみ50mほど離れています。試しに廊下の縁にガムテープで配線していくと、実質的には100m近くになることがわかりました。
 天井ボードのつけ外しには用務の方のアドバイスで右のような道具を使いました。ベニヤは天井ボードの面積の半分程度、角材は(床から天井までの高さ)−(ベニヤの厚さ)の長さといった簡単なものです。
 天井ボード中央部分のねじを外したら、この道具をあてがいます。そうすると天井ボードを手で押さえなくても支えられるので、周りのねじを外していきます。すべてのねじを外したら、角材を少し傾けると天井ボードが外せます。この方法なら一人で天井ボードを容易につけ外しできるようになります。
 ケーブルキャッチャーは高価なので、校庭の裏庭の竹を1本切ってもらい、利用しましたた。竹は長いと一気に引けて便利なのですが、あまり長いと狭い口から入りにくくなって、取り回しが難しくなるため、ほどほどの長さにした方がいいでしょう。
(4)その他の部屋
 コンピュータ室のある特別教室棟には各科の準備室があります。同一フロアの場合は天井内で配線できるのですが、フロアが違う場合は既設の配管も使って配線しました。
 既設の配管を利用すればフロアが違っても穴を開けずに接続できます。内線電話の配管や空配管などが利用することができます。この場合は事前に事務で建物の弱電関係の竣工図を見せてもらい、どことどこがつながっているか調べておくと作業がスムーズにできます。
配管内に配線するには通線ワイヤという道具を使うと便利。

通線ワイヤ

既設の配管を使って配線

通線ワイヤを使って引き込み
 また、接続が難しい場所は無線LANの導入も考えてみる価値があると思います。
数カ所無線LANを設置しましたが、見通しの良い場所では配線もなく便利に使えるのですが、見通しが悪かったり、違うフロアで利用するには思いの外安定した接続が難しくもう一つですね。有線での接続がコスト的にも安く、安定しているので、おすすめできます。
 
参照 
ネットデイ
愛三電機株式会社 学校用LAN配線工事ガイドライン