本の感想など −2005−


 2005年の一覧です。


一覧表


 タイトルなどの一覧です。ここからは同ページ下部の「本別感想など」にリンクしています。

処分 メディア 書名 著者 発行 発行日 ISBN 定価
  新書 『噂の真相』25年戦記 岡留 安則 集英社 2005/01 4087202755 \735
× 単行本 英文法のトリセツ―英語負け組のための丁寧な取扱説明書 じっくり基礎編 阿川 イチロヲ アルク 2005/02 4757408447 \1,575
単行本 電波男 本田 透 三才ブックス 2005/03/12 4861990025 \1,500
  文庫 妖精の女王〈1〉 エドマンド スペンサー 他 筑摩書房 2005/04 4480420711 \1,575
単行本 チャレンジ!整数の問題199 水上 勉 他 日本評論社 2005/04 4535784205 \2,310
単行本 数理科学美術館―数学とアートの融合 森川 浩 工学社 2005/04 4777511286 \1,995
  単行本 作りながら学ぶPICマイコン入門―豊富な各機能を動かして確認しながら理解する 神崎 康宏 CQ出版 2005/04 478983736X \2,730
  単行本 夢幻紳士 幻想篇 高橋 葉介 早川書房 2005/04/08 4152086297 \1,365
  単行本 図解・マインドマップノート術 SSIブレインストラジーセンター きこ書房 2005/04/10 4877711317 \1,050
単行本 〈萌えるSE 業界ノベルズ〉お兄ちゃんはプログラマ 藤山 哲人 技術評論社 2005/04/23 4774123595 \1,659
  新書 著作権とは何か―文化と創造のゆくえ 福井 健策 集英社 2005/05 4087202941 \714
  文庫 妖精の女王〈2〉 エドマンド スペンサー 他 筑摩書房 2005/05 448042072X \1,470
  単行本 公式PIC‐BASIC活用ブック―わかるマイコン電子工作 簡単ゲーム制作からロボット制御まで 松原 拓也 電波新聞社 2005/05 488554789X \2,205
  単行本 ハッカーの教科書 完全版 IPUSIRON データハウス 2005/05 4887188161 \6,090
コミック アトリ抄 1 (1) 田代 琢也 メディアファクトリー 2005/05/23 4840113084 \540
× 単行本 英文法のトリセツ ~とことん攻略編 阿川 イチロヲ アルク 2005/05/26 4757408919 \1,575
  単行本 映画で覚えるクラシック名曲―200CD&DVD 山崎まどかが選ぶ! 山崎 まどか 学習研究社 2005/06 4054027954 \2,205
  単行本 アセンブラ読本for Game―ゼロからはじめるゲーム改造 橋本 和明 他 アスペクト 2005/06 4757211511 \2,940
  単行本 ゲームコーディング〈Vol.1〉Direct3D/COM編―「DirectX9」「VisualC++.NET2003」「VisualC++.NET」「VisualC++6.0」対応 鎌田 茂雄 工学社 2005/06 4777511405 \2,625
単行本 機械のコトバ 渡辺 徹 毎日コミュニケーションズ 2005/06 4839917620 \2,993
  単行本 Knoppix Hacks―カスタマイズとシステム管理のテクニック カイル ランキン 他 オライリージャパン 2005/06 4873112281 \2,940
  単行本 Hacking:美しき策謀―脆弱性攻撃の理論と実際 ジョン エリクソン 他 オライリージャパン 2005/06 4873112303 \3,360
単行本 7日間で人生を変えよう(CD付き) ポール マッケンナ 他 宝島社 2005/06/01 4796646140 \1,880
  文庫 妖精の女王 (3) エドマンド・スペンサー 他 筑摩書房 2005/06/08 4480420738 \1,470
  新書 単位171の新知識 読んでわかる単位のしくみ 星田 直彦 講談社 2005/06/21 4062574845 \987
  新書 オペラ作曲家によるゆかいでヘンなオペラ超入門 青島 広志 講談社 2005/06/21 4062723204 \880
  単行本 数学のあゆみ〈上〉 ジョン スティルウェル 他 朝倉書店 2005/07 4254111053 \5,775
  単行本 カッツ 数学の歴史 ヴィクター・J. カッツ 他 共立出版 2005/07 432001765X \19,950
  単行本 VBAによるTCP/IPプログラミング入門―HTTP,SMTP,POP3,FTPの基本がわかる 志村 康人 CQ出版 2005/07 4789818772 \2,520
  単行本 マインドマップ図解術―即効!仕事と人生の可能性を拓く 中野 禎二 秀和システム 2005/07 4798011193 \1,050
  単行本 アセンブリ言語の教科書 愛甲 健二 データハウス 2005/07 4887188293 \3,990
  単行本 チェス思考に学べ!―チェスの十五大原則に学ぶビジネスと人生の戦略 ブルース パンドルフィーニ 他 バベルプレス 2005/07 4894490382 \1,365
  文庫 妖精の女王 (4) エドマンド・スペンサー 他 筑摩書房 2005/07/07 4480420746 \1,470
  単行本 株でいこう! お兄ちゃん、ネット・トレーディングしよっ 株でいこう!製作委員会 他 マイクロマガジン社 2005/07/15 4896371887 \1,890
  単行本 Excel VBAゲーム大作戦〈1〉はじめてのゲームプログラミング C&R研究所 エクスメディア 2005/08 4872834984 \2,415
  単行本 Excel VBAゲーム大作戦〈2〉実戦!ゲームプログラミング C&R研究所 エクスメディア 2005/08 4872835301 \2,415
  単行本 魔法のように片づく!見つかる!超ファイルの技術 刑部 恒男 すばる舎 2005/08 4883994740 \1,470
  単行本 Firefox Hacks―次世代ブラウザ徹底活用テクニック Nigel McFarlane 他 オライリージャパン 2005/08/27 4873112419 \3,045
単行本 マンガでわかる統計学 回帰分析編 高橋 信 他 オーム社 2005/09 4274066142 \2,310
  単行本 Firefoxの改造テクニック!―カスタマイズ&拡張機能開発ガイド 大浦 淳 毎日コミュニケーションズ 2005/09 4839918058 \2,625
  単行本 クラッキングバイブル Kracker’s データハウス 2005/09 4887188390 \7,140
  単行本 記憶力・発想力が驚くほど高まるマインドマップ・ノート術 ウィリアム・リード フォレスト出版 2005/09/02 4894511991 \1,575
単行本 ワクワクしながら夢を叶える宝地図活用術 望月 俊孝 ゴマブックス 2005/09/17 4777102173 \1,575
単行本 電波大戦 本田 透 太田出版 2005/09/18 4872339835 \1,554
  新書 下流社会 新たな階層集団の出現 三浦 展 光文社 2005/09/20 4334033210 \819
コミック アトリ抄 2 (2) 田代 琢也 メディアファクトリー 2005/09/22 4840113270 \540
× コミック 新旭日の艦隊―コミック (21) 荒巻 義雄 他 中央公論新社 2005/09/25 4124106114 \1,050
  単行本 岩波 数学入門辞典 青本 和彦 他 岩波書店 2005/09/29 4000802097 \6,720
  単行本 ゲームコーディング〈Vol.2〉DirectX9/WinSock編―「DirectSound」「DirectMusic」「DirectPlay」「DirectInput」のすべてがわかる 鎌田 茂雄 工学社 2005/10 4777511693 \2,625
  単行本 逆引きゲームプログラミングfor Windows DirectX 万里 ゆうじ 秀和システム 2005/10 479801169X \3,360
  単行本 VBScriptハッカーズ・プログラミング 佐藤 信正 メディアテック出版 2005/10 4896272838 \2,499
  単行本 12歳からはじめるHSP3.0わくわくゲームプログラミング教室―Windows98/2000/Me/XP対応 大槻 有一郎 他 ラトルズ 2005/10 489977124X \2,500
  コミック 君とまひるの図書館で ひろせ みほ 双葉社 2005/10/12 4575831514 \630
  単行本 パソコン数学博物館―WordとExcelで、三角形から動く微積分まで 何森 仁 東京図書 2005/11 4489007094 \1,890
単行本 最新HSP3プログラミング入門―Windows95/98/NT/2000/Me/XP対応 悠黒 喧史 他 秀和システム 2005/11 4798011916 \1,890
  単行本 オイラーの解析幾何 レオンハルト・オイラー 他 海鳴社 2005/11 4875252277 \10,500
  単行本 チェスの花火―ピノーさんのチェス教室 ジャック ピノー 他 インデックス出版 2005/11 4901092448 \2,940
単行本 人類の月面着陸はあったんだ論―と学会レポート 山本 弘 他 楽工社 2005/11 4903063011 \1,680
  単行本 ザ・マインドマップ トニー・ブザン 他 ダイヤモンド社 2005/11/03 4478760993 \2,310
  新書 萌える男 本田 透 筑摩書房 2005/11/07 4480062718 \735
  単行本 高級言語プログラマのためのアセンブラ入門 林 晴比古 ソフトバンク クリエイティブ 2005/11/30 4797332816 \3,675
単行本 萌えの研究 大泉 実成 講談社 2005/12 4062128594 \1,575
  新書 陰陽道とは何か―日本史を呪縛する神秘の原理 戸矢 学 PHP研究所 2005/12 4569647642 \777
  単行本 ゲームシナリオのドラマ作法 川辺 一外 新紀元社 2005/12 4775304348 \2,625
  単行本 Write Great Code〈Vol.1〉ハードウェアを知り、ソフトウェアを書く Randall Hyde 他 毎日コミュニケーションズ 2005/12 4839918201 \5,040
単行本 「おもしろい」のゲームデザイン―楽しいゲームを作る理論 Raph Koster 他 オライリー・ジャパン 2005/12 4873112559 \2,520
  大型本 日本国語大辞典 〔精選版〕 1 小学館 小学館 2005/12/05 4095210214 \14,700
  コミック 彼女のススメ ラブバラシスター編 黒河 澪 辰巳出版 2005/12/15 4777802310 \600
  単行本 もえたん サブリーダー ~文法・表現編~   三才ブックス 2005/12/15 4861990246 \1,500
  単行本 応用代数学入門―暗号・符号・バーコードの仕組みがわかる ダレル W.ハーディ 他 ピアソンエデュケーション 2005/12/15 4894714930 \3,990
  単行本 Mind Hacks―実験で知る脳と心のシステム Tom Stafford 他 オライリージャパン 2005/12/16 4873112710 \2,940

本別詳しい感想など


 本別に詳しい感想などを書いています。本のタイトル及び表紙画像はAMAZONにリンクしています。


新書;「『噂の真相』25年戦記」;岡留 安則;集英社;(2005/01);ISBN:4087202755;\735

 かの有名な「噂の真相」について編集長自ら語った、「真相」本。創刊時にいろいろあったことは多少聞いていたが、詳しく書いてあったのが良かった。また、いろいろ裏話も載っていて、それなりに楽しめる。多少自画自賛的なところもあるが、鼻につくほどではない。
 マスコミのあり方に対する警鐘も書かれているが、この本自体は「噂の真相」ではないので、良い意味での毒がない。それだけが残念。やはり、休刊して欲しくはなかった。



単行本;「英文法のトリセツ―英語負け組のための丁寧な取扱説明書 じっくり基礎編」;阿川 イチロヲ;アルク;(2005/02);ISBN:4757408447;\1,575



単行本;「電波男」;本田 透;三才ブックス;(2005/03/12);ISBN:4861990025;\1,500

 現実の世界に純愛がないなら、理想の純愛を求めて二次元の美少女キャラに萌えれば良い。何も、純愛を捨ててまでも現実の「偽物の恋愛」をしなければならない理由はないはずである。それでは、何故そのことが「キモイ」などと異常なほどの批判を浴びるのか?それが、なんでも金儲けにしようという「恋愛資本主義」のせいであり、多くの人がそれに洗脳されている(あるいは利用して金を稼いでいる)ということを喝破した書。
 恋愛の出来ない恋愛難民になってしまった場合、女性はそれほど責められないのに対して、男性ばかりが責められる傾向にある。これは、恋愛においても、男が女の方へ行くべきで女はただ待っていれば良い、という男女差別の名残であり、女性はこの差別に怒らなければいけないと思うのだが、何故かあまりそういう話は聞かない。この差別を都合よく利用して、男性を責めるばかりの女性難民に対しては著者の批判は厳しい。これは当然だろう。しかし、そうでない女性に対して(そうである女性に対しても)、著者はちゃんと恋愛資本主義に洗脳された被害者だということを理解し、難民であることを苦しまなくてよくなる解決策を示している。そう、最初から言っているように、理想の純愛を求めて二次元の美少女キャラに萌えれば良いのである(いわゆる「腐女子」になれば良い)。
 予想通り、一部の人たちから批判が出ているようだが、その内容は全くすでに本書に述べられている「恋愛資本主義に洗脳された被害者」の言葉から一歩も出ていない。ちゃんと本書を読んだのなら、そんなみっともない批判でなく、まともな反論が出来そうなものなのだが…。それが出来ないほど洗脳されているということか。私はそれらの批判を読むにつれ、最初はちょっと言いすぎかと思っていたこの本の内容が、まさに真実だという確信を得てしまった。この本には価値がある。
 誤解している人も多いようだが、著者は現実の恋愛を否定しているのではない。純愛とは程遠い恋愛主義に毒された「偽物の恋愛」を否定しているのだ。要するに現実に純愛があれば(可能性はきわめて低いが)、それでもかまわない。しかし、現実に恋愛があるかも知れないという希望を持っていると、現実の「偽者の恋愛」にだまされる恐れがある。そうならないためにはどうしたら良いか?これは次の「電波大戦」で語られることである。

 *同著者の関連書 →電波男 →萌える男



文庫;「妖精の女王〈1〉」;エドマンド スペンサー 他;筑摩書房;(2005/04);ISBN:4480420711;\1,575



単行本;「チャレンジ!整数の問題199」;水上 勉 他;日本評論社;(2005/04);ISBN:4535784205;\2,310



単行本;「数理科学美術館―数学とアートの融合」;森川 浩;工学社;(2005/04);ISBN:4777511286;\1,995



単行本;「作りながら学ぶPICマイコン入門―豊富な各機能を動かして確認しながら理解する」;神崎 康宏;CQ出版;(2005/04);ISBN:478983736X;\2,730



単行本;「夢幻紳士 幻想篇」;高橋 葉介;早川書房;(2005/04/08);ISBN:4152086297;\1,365



単行本;「図解・マインドマップノート術」;SSIブレインストラジーセンター;きこ書房;(2005/04/10);ISBN:4877711317;\1,050

 マインドマップの入門書。描き方の簡単な説明と具体例や使用者へのインタビューで構成されている。薄い本だが、実際に活用してみようという人にはこの本で必要十分だと思われる。特に、教科書的な描き方や活用方法と違う使い方をしている人の例は、下手な説明よりもずっと役に立つ。
 差し当たりの入門にはこの本で良い。

 *「マインドマップ」基本書 →ザ・マインドマップ(トニー・ブザン 他)



単行本;「〈萌えるSE 業界ノベルズ〉お兄ちゃんはプログラマ」;藤山 哲人;技術評論社;(2005/04/23);ISBN:4774123595;\1,659



新書;「著作権とは何か―文化と創造のゆくえ」;福井 健策;集英社;(2005/05);ISBN:4087202941;\714

 著作権に関して書かれた本の多くは、大きく2つの種類に分類される。一つは、難しい条文を解説するもの。もう一つは著作権にまつわる争いを面白おかしく書いているものである。本書は、そのどちらでもなく、署名どおりそもそも「著作権とは何か」を文化や人間の営みの点まで掘り下げて論じている。しかし、内容は平易で分かりやすい。
 最近、著作の権利者(著作者ではない)の権利をどんどん拡大するような傾向がある。権利を拡大したほうがみんなが安心して著作が出来るから文化の発展に寄与するするのか?それとも、権利が拡大すると、新しいものが作りにくくなって文化の発展を阻害するのか? という古くからの問題が未だに解決されていないことが分かる。また、著者の分析も見事である。
 著作権「法」ではなく、著作権そのものについて深く理解できる一冊。この値段の新書で、これだけの本が読めるのはすばらしい。



文庫;「妖精の女王〈2〉」;エドマンド スペンサー 他;筑摩書房;(2005/05);ISBN:448042072X;\1,470



単行本;「公式PIC‐BASIC活用ブック―わかるマイコン電子工作 簡単ゲーム制作からロボット制御まで」;松原 拓也;電波新聞社;(2005/05);ISBN:488554789X;\2,205



単行本;「ハッカーの教科書 完全版」;IPUSIRON;データハウス;(2005/05);ISBN:4887188161;\6,090



コミック;「アトリ抄 1 (1)」;田代 琢也;メディアファクトリー;(2005/05/23);ISBN:4840113084;\540

 「巨乳の美少女女子高生が、妖怪退治をするマンガ」と一言で言ってしまうとそれだけだが(笑)、これが結構面白い。主人公の紫馬アトリは、「巨乳の美少女女子高生」というだけでなく、人と妖のハーフで、悪い妖怪とはいえ、退治するのに躊躇することもある。また、自分の出生もはっきりしないことから、色々悩むこともあり、そのような設定が今後どういうストーリー展開をしてくれるのかが楽しみ。
 絵柄は、美少女漫画系ではあるが、現在流行のアニメ調とは少し違い、背景までしっかり描かれている。たまに出てくるデフォルメ化されたキャラが可愛く、暗くなりそうな話も明るくしてくれるのが良。

 * →(第2巻)



単行本;「英文法のトリセツ ~とことん攻略編」;阿川 イチロヲ;アルク;(2005/05/26);ISBN:4757408919;\1,575



単行本;「映画で覚えるクラシック名曲―200CD&DVD 山崎まどかが選ぶ!」;山崎 まどか;学習研究社;(2005/06);ISBN:4054027954;\2,205



単行本;「アセンブラ読本for Game―ゼロからはじめるゲーム改造」;橋本 和明 他;アスペクト;(2005/06);ISBN:4757211511;\2,940



単行本;「ゲームコーディング〈Vol.1〉Direct3D/COM編―「DirectX9」「VisualC++.NET2003」「VisualC++.NET」「VisualC++6.0」対応」;鎌田 茂雄;工学社;(2005/06);ISBN:4777511405;\2,625



単行本;「機械のコトバ」;渡辺 徹;毎日コミュニケーションズ;(2005/06);ISBN:4839917620;\2,993



単行本;「Knoppix Hacks―カスタマイズとシステム管理のテクニック」;カイル ランキン 他;オライリージャパン;(2005/06);ISBN:4873112281;\2,940



単行本;「Hacking:美しき策謀―脆弱性攻撃の理論と実際」;ジョン エリクソン 他;オライリージャパン;(2005/06);ISBN:4873112303;\3,360



単行本;「7日間で人生を変えよう(CD付き)」;ポール マッケンナ 他;宝島社;(2005/06/01);ISBN:4796646140;\1,880



文庫;「妖精の女王 (3)」;エドマンド・スペンサー 他;筑摩書房;(2005/06/08);ISBN:4480420738;\1,470



新書;「単位171の新知識 読んでわかる単位のしくみ」;星田 直彦;講談社;(2005/06/21);ISBN:4062574845;\987



新書;「オペラ作曲家によるゆかいでヘンなオペラ超入門」;青島 広志;講談社;(2005/06/21);ISBN:4062723204;\880



単行本;「数学のあゆみ〈上〉」;ジョン スティルウェル 他;朝倉書店;(2005/07);ISBN:4254111053;\5,775



単行本;「カッツ 数学の歴史」;ヴィクター・J. カッツ 他;共立出版;(2005/07);ISBN:432001765X;\19,950



単行本;「VBAによるTCP/IPプログラミング入門―HTTP,SMTP,POP3,FTPの基本がわかる」;志村 康人;CQ出版;(2005/07);ISBN:4789818772;\2,520



単行本;「マインドマップ図解術―即効!仕事と人生の可能性を拓く」;中野 禎二;秀和システム;(2005/07);ISBN:4798011193;\1,050

 特に、仕事で使うことに特化されたマインドマップの入門書。描き方が順を追って記載されており、分かりやすい。しかし、他の用途については触れられていないので、マインドマップを色々な用途に使用したい人は他の本が良いだろう。また、マインドマップは「楽しみながら描く」というのが大事な基本なのだが、そのような感じがなく、極端なことを言うと仕事でいやいや描くにはどうしたらよいかという感じである。
 ただこれは、私の仕事がつまらない(と私が思っている)のが原因で、この本のせいではないかもしれない。「マインドマップで仕事も楽しく」という内容だったらもっと良かったのだが(笑)。

 *「マインドマップ」基本書 →ザ・マインドマップ(トニー・ブザン 他)



単行本;「アセンブリ言語の教科書」;愛甲 健二;データハウス;(2005/07);ISBN:4887188293;\3,990



単行本;「チェス思考に学べ!―チェスの十五大原則に学ぶビジネスと人生の戦略」;ブルース パンドルフィーニ 他;バベルプレス;(2005/07);ISBN:4894490382;\1,365



文庫;「妖精の女王 (4)」;エドマンド・スペンサー 他;筑摩書房;(2005/07/07);ISBN:4480420746;\1,470



単行本;「株でいこう! お兄ちゃん、ネット・トレーディングしよっ」;株でいこう!製作委員会 他;マイクロマガジン社;(2005/07/15);ISBN:4896371887;\1,890



単行本;「Excel VBAゲーム大作戦〈1〉はじめてのゲームプログラミング」;C&R研究所;エクスメディア;(2005/08);ISBN:4872834984;\2,415

 昔から、ワープロやスプレッドシートの所謂マクロを使ってゲームを作るということはよくやられていた。プログラマは皆誰でも、どんな環境の上にでもゲームを作りたがる。マクロでのゲーム作りは乏しい環境の上であったが、いや、だからこそ挙ってゲームを作ったものだ。しかし時代は変わった。マクロがVBAとなり、パソコンの性能が上がることによって、もはや乏しい環境ではなくなった。現在のパソコンでなら、ExcelのVBAで一昔前のゲーム専用機のようなゲームが作れるのである。
 本書は同時2巻発売だが、特にこの第1巻では、一つのセルを一つのピクセルに見立てた、いかにも懐かしい感じのゲームの作り方が紹介されている。VBAのプログラミングが出来なくても、付属のCD内のゲームをするだけでも楽しめるはずだ。
 年季の入ったプログラマで、普段VBAを馬鹿にしているような人にも、VBAの楽しみを発見できるのではないか。高級言語ではスピードが遅くなるために「マシン語」で画面に一つずつ点を打ったり、グラフィックライブラリがない言語で線を引く自作ライブラリを作ったり、画像を裏画面からコピーしたり、といった古き良き時代のプログラミングがまた楽しめるのだ。まさにExcel上での古いマシンのエミュレーションである。
 もちろんVBA勉強中の人にも、ちょっと変わったネタ本として使える。山ほど出ているExcelVBA本の中から、この本を選ぶのは良い選択である。

 *「第2巻」はすぐ下↓



単行本;「Excel VBAゲーム大作戦〈2〉実戦!ゲームプログラミング」;C&R研究所;エクスメディア;(2005/08);ISBN:4872835301;\2,415

 本書は同時2巻発売のうちの、第2巻。この第2巻では、オートシェイプなどを使った、より複雑なゲームの作り方が紹介されている。第1巻が、なつかゲー(懐かしい昔のゲーム)とプログラミングを楽しむものであったとすれば、この第2巻は、ExcelVBAでどこまでできるかに挑戦したものであると言って良いだろう。第1巻と同時に購入し、ゆっくり楽しむのがマル。

 *「第1巻」はすぐ上↑



単行本;「魔法のように片づく!見つかる!超ファイルの技術」;刑部 恒男;すばる舎;(2005/08);ISBN:4883994740;\1,470

 前著以来、このファイルにはお世話になっている。著者が、書類の整理に関して学生時代よりしている試行錯誤の流れはまさに私の場合と同じで、それを解決する方法として紹介されているこの方法は、極めて有効であった。整理法としてこれ以上のものは、私には今のところない。なお、角2封筒への印刷であるが、私はB4の紙に印刷できるプリンターを使用している。時間のあるときにたくさん作っておくと便利である。
 本著では、システム手帳の使用法についても述べられている。これも大変役に立つもので、リフィルの自作派には、是非試して欲しい。



単行本;「Firefox Hacks―次世代ブラウザ徹底活用テクニック」;Nigel McFarlane 他;オライリージャパン;(2005/08/27);ISBN:4873112419;\3,045

 単にインターネットでどこかのページを見て楽しむだけなら、何もFirefoxを選ぶ必要はない。他にブラウザは多数存在する。ましてWindowsなら、IEを使えば良いだろう。他ならぬFirefoxを選択するからには、ただのネットサーフィンでなく、それなりに使いたいものだ。
 この本は、そう考える人のために、Firefoxの魅力を満載している。さすがオライリーのHacksシリーズだけのことはあり、プラグインや改造などの高度な内容に詳しい(もちろん、単に使ってみたいような人には難しい)。Firefoxを真に使いたい人が、手元に置いておくのにふさわしい本。



単行本;「マンガでわかる統計学 回帰分析編」;高橋 信 他;オーム社;(2005/09);ISBN:4274066142;\2,310



単行本;「Firefoxの改造テクニック!―カスタマイズ&拡張機能開発ガイド」;大浦 淳;毎日コミュニケーションズ;(2005/09);ISBN:4839918058;\2,625

 Firefoxの真骨頂は、自分でカスタマイズして好きな機能をどんどん加えられる点にある。そこで、多数出回っているプラグインの出番になるわけだが、優れたものは多いものの、自分にぴったりというわけにはなかなかいかない。もちろん、そういう場合は自分で拡張機能を作れば良いわけだが、どこから手をつけたら良いのか、そもそもどうやったら拡張できるのか、なかなか簡単に説明してあるような本は見つからない。
 そんなときに、この本が役に立つ。多数の例が詳しく載っており、いろいろ試すことも出来る。Firefoxを真に使いこなすための第一歩として、この本を手元に置いておくと極めて役に立つ。



単行本;「クラッキングバイブル」;Kracker’s;データハウス;(2005/09);ISBN:4887188390;\7,140



単行本;「記憶力・発想力が驚くほど高まるマインドマップ・ノート術」;ウィリアム・リード;フォレスト出版;(2005/09/02);ISBN:4894511991;\1,575

 とにかく、マインドマップを楽しんで描く気にさせてくれる本。本自体が多色で綺麗なだけでなく、見本になる美しいマインドマップが多数掲載されているため、自分にも描けそうな気がしてわくわくして来る。また、基本的な描き方についても適宜触れられており、この本だけで、マインドマップのすばらしさを理解することができるだろう。難点としては、あまりにも掲載されているマインドマップが美しすぎて、自分の汚いマインドマップが嫌になってくることぐらいだろうか(笑)。
 ただ、手書きで綺麗な絵のごとく描かなければならないような話になっていたのは、ちょっと異論がある。パソコンのツールで描く方が発想が広がっていく人もいるだろうし、色分けをすることで却って色に囚われて思考が止まってしまう人もいる。絵なんか描けない人も多い。(そもそも箇条書きの方が向いている人だっているはず!)
 本書を読んでわくわくしたら、その気持ちのまま、いろいろなことに囚われず自由に描いてみるのがいいと思う。

 *「マインドマップ」基本書 →ザ・マインドマップ(トニー・ブザン 他)



単行本;「ワクワクしながら夢を叶える宝地図活用術」;望月 俊孝;ゴマブックス;(2005/09/17);ISBN:4777102173;\1,575



単行本;「電波大戦」;本田 透;太田出版;(2005/09/18);ISBN:4872339835;\1,554

 前著「電波男」で、著者は「現実の世界に純愛がないなら、理想の純愛を求めて二次元の美少女キャラに萌えれば良い」という悟りを得て「電波男」となった。その著書に救われたオタクな人たちも多いはずである。しかし、現実世界からの攻撃は厳しい。最近ではオタクを批判するだけでなく、オタク好みに擬態して近づいてくる「恋愛資本主義」の手先のような女性もいるようだし、間違ってモテてしまうという可能性もある。そもそも経験値の低いオタクに、悟りを守れるのだろうか?
 このような疑問や恐れは、以前から指摘されていたことである。その恐れは、特に有名になってしまった著者に迫ってくる可能性が高い。そこで、その「モテの魔の手」を経験した他のオタク達との対談で、「モテの魔の手」に対する「護身」を完成させようというのが本書の狙いである。
 対談が主なので、本田節のようなものを期待していた前著のファンはちょっとがっかりするかもしれない。しかし、竹熊健太郎博士、岡田斗司夫閣下、滝本竜彦きゅん、倉田英之先生、といったそうそうたるメンバーとの対談は、文句なく面白い。竹熊健太郎博士の経験談や滝本竜彦きゅんの現在の話などは(冗談ですまない状態なのだが)、思わず笑ってしまった。また、いわば敵ともいえる岡田斗司夫閣下の考え方にも理解できる部分もあり、考えさせられた。倉田英之先生は、完全に悟りを得て、「護身」も完成させている感があるが、彼の生活は、オタクが目指すべきものだろう。「『僕の人生には女の人は必要なかったんだ』って気付いたら、すごく人生が楽になった」という言葉にすべてが集約されている。それで良いはずなのに、批判する人は何を批判しているのだろうか。
 残念なのは、対談でない後半の「実践編」がネタとしてもつまらないこと。この部分は不要だろう。

 *同著者の関連書 →電波大戦 →萌える男



新書;「下流社会 新たな階層集団の出現」;三浦 展;光文社;(2005/09/20);ISBN:4334033210;\819

 「下流」等と言うとみんな嫌がる。しかし、現実にそういう階層が増えて来ていて、それが問題なら、目をそむけるべきではない。きちんとしたデータを基にどのように対応するか論ずるべきなのだ…
 というような内容であることを期待して読んでみたが、見事に裏切られた。少ないデータを都合のいいように解釈して、あらかじめ用意されていた結論に結びつける、今流行の手法。年寄り(といっても私といくらも変わらない)が、世の中に色々と文句を付けたい、自分の思い通りにならない若者に説教したい、という気持ちは分かる。しかし、そのために適当なデータの解釈をして、本にするのはどうかと思わざるを得ない。
 題名で目を引いて、自分の考えを押し付けるというだけの内容にはがっかりした。



コミック;「アトリ抄 2 (2)」;田代 琢也;メディアファクトリー;(2005/09/22);ISBN:4840113270;\540

 「巨乳の美少女女子高生が、妖怪退治をするマンガ」第2巻(笑)。この巻では、ついに主人公アトリの出生が少しずつ明らかになるとともに、友達との関係も少しずつ変わってくるような感じ。ナルミとの関係はどうなるのだろうか、とか(それにしてもナルミはうらやましい奴だ)。
 1巻に比べて、だんだんみんなに心を許して、人間らしくなってくるアトリだが、妖の方も色々複雑な関係が見えてくるこの巻。今後新展開ということになるのだろうが、どう色々な設定を生かしてくれるのか、さらに期待できる。

 * →(第1巻)



コミック;「新旭日の艦隊―コミック (21)」;荒巻 義雄 他;中央公論新社;(2005/09/25);ISBN:4124106114;\1,050



単行本;「岩波 数学入門辞典」;青本 和彦 他;岩波書店;(2005/09/29);ISBN:4000802097;\6,720

 「数学辞典」に比べると、「入門」と謳われているだけあって、内容も適度に易しい。数学愛好家や学生向きの辞典。単に意味が載っているだけではなく、解説も詳しい。読める辞典としては、例えば大阪書籍の「新数学事典」は「読む事典」であり、読んで楽しむ分にはそちらの方が良い。しかし、事典ではなくて辞典なので、語句それぞれについて調べるのはこっち。勉強にもオススメ。
 ちょっと数学の知識が必要な人には、この辞典が最良の選択だと思う。



単行本;「ゲームコーディング〈Vol.2〉DirectX9/WinSock編―「DirectSound」「DirectMusic」「DirectPlay」「DirectInput」のすべてがわかる」;鎌田 茂雄;工学社;(2005/10);ISBN:4777511693;\2,625



単行本;「逆引きゲームプログラミングfor Windows DirectX」;万里 ゆうじ;秀和システム;(2005/10);ISBN:479801169X;\3,360



単行本;「VBScriptハッカーズ・プログラミング」;佐藤 信正;メディアテック出版;(2005/10);ISBN:4896272838;\2,499



単行本;「12歳からはじめるHSP3.0わくわくゲームプログラミング教室―Windows98/2000/Me/XP対応」;大槻 有一郎 他;ラトルズ;(2005/10);ISBN:489977124X;\2,500



コミック;「君とまひるの図書館で」;ひろせ みほ;双葉社;(2005/10/12);ISBN:4575831514;\630

 ひろせみほの描く女の子は、やわらかそうで良い。それはともかく、長編よりも短編が良い作家だと思う。この本は、漫画ピザッツでの短編を集めたものだが、ページ数が少ないことからストーリーもなく単にHシーンがあるだけの他の漫画と違い、短い中にもちゃんとした設定やストーリーがあり、話を楽しめる。特に単行本化したときに、その違いは明らかである。
 表紙の絵が気に入れば、絶対に買って後悔しないと断言できる。



単行本;「パソコン数学博物館―WordとExcelで、三角形から動く微積分まで」;何森 仁;東京図書;(2005/11);ISBN:4489007094;\1,890

 数学全体ではなく、数学に関係する面白い図やグラフを、MicrosoftのWordとExcelの基本機能だけを使って描いてみようという本。数学的なレベルは、数学好きの中高校生ぐらいか。ただ、そういう中高校生は、もっとパソコンを使いこなしているように思う。数学的にもソフト的にももう少し踏み込んで欲しかった。数学的には理論や式の説明もないのが物足りないし、ソフト的にもVBAを使わないのは不自然で物足りない。
 コンピュータに弱い学校の教師が、プリントの図を描くときに参考にする程度にはいいかもしれない。



単行本;「最新HSP3プログラミング入門―Windows95/98/NT/2000/Me/XP対応」;悠黒 喧史 他;秀和システム;(2005/11);ISBN:4798011916;\1,890

 HSP(Hot Soup Processor)の新バージョン(Ver.3)の「公認入門書」。HSPは、おもにWindows上で簡易にプログラミングが出来るように開発されたインタプリタ型言語である(他プラットフォーム上のものもある)。
 昔のMS-DOS上でのそれと異なり、Windowsのプログラミングは難しい。しかし、この難しさの殆どは、「高度」とかではなく、OSのつまらない約束を守らなければならないことによるものだ。HSPは、そのようなわずらわしさを感じずに、簡易にアプリケーションを作成させるべく開発されたものである。
 HSPはよくゲーム製作に使用されているが、もちろんそれだけのものではない。実用的なアプリケーション開発にも多く使われているし、それだけの力を持った言語である。とにかく手軽に実行ファイルを得たいような用途では、これに勝るものはちょっと見当たらない。変に大きなdllなども不要であり、しかもフリーソフトで、作成したアプリケーションの配布も自由である。ぜひ多くの人に使ってみて欲しいシステムだ。
 Ver.3から、関数と実数演算が正式サポートされ、ますます広い用途に使用できるようになった。これを機会に新たにHSPを始めてみようという人にも、今まで使ってきたが、バージョンアップでどう変わったのかを知りたいという人にも薦められる本。



単行本;「オイラーの解析幾何」;レオンハルト・オイラー 他;海鳴社;(2005/11);ISBN:4875252277;\10,500

 「無限解析序説」全2巻の2巻に当たる。第1巻は同出版社から「オイラーの無限解析」という題名で2001年に出版されている。4年待たされたわけであるが、待たされただけの甲斐はあった。原著はラテン語であり、ろくな英訳本がなく、フランス語訳版が良いと言われても、浅学の身にはとても手が届かない。原典から訳されたこの書は、まさに快挙と言って良い。
 読んでみての感想は、当たり前なのだがオイラーが目指した無限解析は、関数の研究のためにあったのだな、ということ。そして、その目的がこの書によって果たされ、さらに後の研究へ繋げられているのだということ。これを大いに感じた。
 現代では厳密性が重視されるあまり、解析学が関数から離れてしまっている。また厳密性は大変重要なことだが、そのために、オイラーが後に問題となるあいまいな部分に気づかずに、いわば「天才の勘」で議論を進めたかのように言われることが多い。しかし、オイラー自身の著作を読めば、そうではなくオイラーはあいまいさに気が付きながら、必要最小限の厳密性で進んでいったことがわかる。細かい厳密な議論は、後世で解決されることを信じて、である。それが、今オイラーが現在の数学教育を見直すきっかけに使われているゆえんであろう。
 値段は前巻の倍になってしまったが、それだけの価値は充分ある。数学ファンにははずせない一品である。



単行本;「チェスの花火―ピノーさんのチェス教室」;ジャック ピノー 他;インデックス出版;(2005/11);ISBN:4901092448;\2,940

 チェス教室というが、チェスの話とその他の話が混ざった、どちらかというとエッセイ集。日本語のチェスの本は少ないので貴重な本であるが、いくつかの点で残念であった。
 まず、チェスと関係のない話には目新しいものがない。多少本を読んでいる人には、知っている話ばかりだろう。チェスの本として期待すると、そのあたりはただの冗長にしか感じない。また、チェスの棋譜などは説明不足で不親切である。チェスの棋譜は図なしですいすい読めるが、チェス以外の事はあまり知らない、というような人が軽いエッセイとして楽しめるのかもしれないが…。一番残念なのは日本語。意味不明や、おかしな言い回しが多い。
 チェスの話は(日本語は別として)面白いものが多かったので、残念。



単行本;「人類の月面着陸はあったんだ論―と学会レポート」;山本 弘 他;楽工社;(2005/11);ISBN:4903063011;\1,680

 ちょっと前に流行り、未だにくすぶっている「ムーンホークス説(人類が月に行ったのはでっちあげだったという説)」のトンデモさを科学的に検証するとともに、自分で調べ、自分で考えることの大切さを説いた、「と学会」のレポート。ムーンホークス説のトンデモさを分かりやすく解説するだけでなく、まともな宇宙開発史や基礎知識もまとめられており、大変ためになる。
 1章を「人類の月面着陸は無かったろう論(副島隆彦 著)」の検証に当てている。この「たろ論」はいわゆる一般的に愛嬌のある愛すべきトンデモと違って、ただの誹謗中傷のたぐいであり、「トンデモ大賞」を与えるのは良いが、本来「と学会」がそれほど熱心に取り上げる価値のある本ではない。いわば「悪いトンデモ」と言って良いだろう。「と学会」が取り上げてこのように本にしたのは、「と学会」が副島氏に名指しで中傷(挑戦?)されたことと、ムーンホークス説がマスコミなどで肯定的に取り上げられ、あまりにもたくさんの人が信じてしまったことによるのだろう。もちろん、「たろ論」のみならず、ムーンホークス説のトンデモさが徹底的に示されている。
 「まえがき」や「あとがき」にも書かれているが、いつもの「と学会」の本よりも、自分で調べること、考えることの大切さを読者に訴えるものになっている。トンデモを簡単に信じる人が増えてしまっていることに対する、「と学会」からの警鐘であろう。
 自分のやりたいことや夢(たとえばロケットを月に送りたいとか!)をかなえたいのなら、正しい知識と考えが必要であり、それを努力して手に入れれば夢をかなえることが出来る。それが出来ない人間は悪いトンデモになって他人の夢を否定することしか出来ない。それを教えてくれる本。



単行本;「ザ・マインドマップ」;トニー・ブザン 他;ダイヤモンド社;(2005/11/03);ISBN:4478760993;\2,310

 最近何故かマインドマップ本が多数出版されている中で、これが本家のトニー・ブザンの本。以前に出版されたものの再訳だが、ページ数・内容ともにかなり増加している。やはり本家は違うな、と感心させられる本。マインドマップの描き方よりも、マインドマップとは何なのか、というところを深く掘り下げて書かれており、ただの描き方だけでは物足りない人にはオススメ。
 しかし、なんでもかんでもこれで解決、みたいな出版社や周りの宣伝にはちょっと退く。何なのかを理解した上で、活用の仕方で生きていくものであって、それはアーミーナイフで何でも出来る訳ではないのと同様だ。変な宣伝は本物の価値を汚すものだ。

 *「マインドマップ」最近の関連書 →記憶力・発想力が驚くほど高まるマインドマップ・ノート術 →図解・マインドマップノート術 →マインドマップ図解術―即効!仕事と人生の可能性を拓く



新書;「萌える男」;本田 透;筑摩書房;(2005/11/07);ISBN:4480062718;\735

 あの「電波男」がついに新書版で登場!というわけだ。「恋愛資本主義」がまじめに語られる。新書でこのような内容の著書が読めるのはありがたいが、不満な点や問題な点がある。
 ちょっと不満な点は、文体がまじめになってしまって迫力がイマイチなこと。まあ、これはしょうがない。新書は前著の「電波男」「電波大戦」とは書店で並ぶ場所も違う。読者層も違っているはずだ。読者に合わせた書き方というのは必要だ。
 しかし問題点というのは、まさにこの部分が考えられていないというところにある。色々な例として、ゲーム、アニメ、漫画が例に出される。しかし、新書の読者層が、これらのものをどれだけ知っているだろうか(もちろん読者の多くは重なっているはずだ。ここでは、新書で初めてこの著者の著書に触れる読者のことを言っている。そのような読者を視野に入れないのなら、同じ趣旨の著書を新書で新たに出す意味がない)。
 まじめな読者は、引用された文献など(今回の場合はゲーム、アニメ、漫画)をチェックして、それらを理解した上で本の内容を理解・批評するものであるが、それを皆に要求することは出来ない。「わけわからん」と言って放り出す自由もあるのだ。それどころか、引用文献等をちゃんとチェックすべき評論家でも、それをしないで適当なことを言う輩も多いのが現実だ。そういう意味で読者を選ぶ著書になってしまっている。
 著者の思想に賛成する筆者としては、新書が出たのはうれしいのだが、新たな読者層を得るチャンスを逃してしまった感が残念だ。今後に期待したい。

 *同著者の関連書 →電波男 →電波大戦



単行本;「高級言語プログラマのためのアセンブラ入門」;林 晴比古;ソフトバンク クリエイティブ;(2005/11/30);ISBN:4797332816;\3,675



単行本;「萌えの研究」;大泉 実成;講談社;(2005/12);ISBN:4062128594;\1,575

 「萌える」ということはどういうことなのか、どうしたら「萌えられるのか」を、実際に体験することで解き明かそうとする著。しかし、残念ながら「研究」にまでは全く至っていない。
 その原因は、調査不足によるものといえるだろう。時間が足りなかったのだろうが、特に中心として捉えたライトノベルや美少女ゲームを読んだりプレイした数が明らかに少なく、かつ偏っている。萌えるには一冊の本や一つのゲームをプレイしても足りるが、研究するには100や200では足りないのである(研究しない僕でさえ、その10倍は読んだりプレイしたりしている(^_^;))。
 研究とは、共感することでなく理解することだが、著者のような内に入り込んで共感することで迫力ある書を著すことを持ち味としている場合には、とことん入り込むことが必要だった。今までの著者の評価された著は皆そうして出来たはずである。もっと、入り込んで、切り込んで欲しかった。
 残念ながら、この本に書いてあることは、「萌えを理解しようと、飛び込んで一所懸命やってみましたが、私には理解できませんでした」というのに過ぎない。著者の本は期待しているので、本当に残念。



新書;「陰陽道とは何か―日本史を呪縛する神秘の原理」;戸矢 学;PHP研究所;(2005/12);ISBN:4569647642;\777

 最近の安倍晴明ブームや、風水・占いブームで、陰陽道が流行っているが、それはなんだか分からない昔のオカルト、という捉え方の上でである。そうではなく、陰陽道が実際どういうもので、中国の道教と日本の古神道からどのように発展し、日本の歴史の中でどのような影響を与えて来たかを平易に解説した書。入門書としては良い。
 しかし、難点もある。著者は神道家であるので、陰陽道の「鑑定」なども信じている感があるが、「鑑定実践」の地震予知などはどうかと思う。昔は観測しようもなかった天王星・海王星・冥王星を挙げるのはともかく、惑星の並びによる「引力バランス」の崩れにより地震が起きるというのは、近年占星術が科学的に見せようとでっち上げた話で、そもそも引力とは関係ない「方位バランス」を鑑定に使うものであったはずだ。また、阪神淡路大地震を例に挙げて、陰陽道の鑑定と半月のずれだった、というのには、大抵の読者は退いてしまうのではないだろうか。
 陰陽道を手っ取り早く知りたい、という人にはいいかもしれない。



単行本;「ゲームシナリオのドラマ作法」;川辺 一外;新紀元社;(2005/12);ISBN:4775304348;\2,625

 特にRPGやアドベンチャーゲームなどに代表される、コンピュータゲームのシナリオがどうあるべきか、どう書くべきか、という「作法」に関して、映画やドキュメンタリーのシナリオを長く手がけてきた著者が、そのノウハウをゲームシナリオに関して論じた書。
 映画のシナリオや小説の書き方に関して書いた本は多いが、このようなゲームに特化した本は、(著者の前著を含めても)極めて数が少ないので貴重である。簡単に書けるためのパターンが示されており、それも役に立つが、それだけでは良いシナリオは書けないわけで、より突っ込んだ研究として、実際の有名ゲームのシナリオが細かく解説されている。有名ゲームのシナリオに対する意見には異論もあると思われるが、著者の深い考察は一読の価値がある。
 ゲームのシナリオを書きたい人や、考察したい人には読んでおく価値のある本。



単行本;「Write Great Code〈Vol.1〉ハードウェアを知り、ソフトウェアを書く」;Randall Hyde 他;毎日コミュニケーションズ;(2005/12);ISBN:4839918201;\5,040



単行本;「「おもしろい」のゲームデザイン―楽しいゲームを作る理論」;Raph Koster 他;オライリー・ジャパン;(2005/12);ISBN:4873112559;\2,520

 ゲームはおもしろければ良い。いや、おもしろくなくてはゲームじゃない。では、「おもしろい」ゲームとは?何がゲームをおもしろくするのか?いや、そもそもゲームとは何か?何であるべきか?
 というような難しい問題に正面から取り組み、しかもそれを難しくなく「おもしろく」解き明かしてくれるゲームの「理論」書。
 科学・心理学・文芸など、さまざまな面から「楽しいゲームを作る理論」が語られる。読みやすく、それこそゲームを楽しむように読める本。ゲームにかかわるすべての人に、文句なしにオススメ。



大型本;「日本国語大辞典 〔精選版〕 1」;小学館;小学館;(2005/12/05);ISBN:4095210214;\14,700

 元の「日本国語大辞典」は、追随するもののない文字通りの「大」辞典であり、文章を書く人間や日本語好きの人間は、手元に置いておかなければならない辞典であった。しかし、難点もあった。「大」辞典過ぎて、携帯どころか机上に置いておくのにも辛かったのだ。
 しかし、この度この「精選版」によって、(何とか)机上に置いておくことが可能となった(もちろん携帯は無理)。単に収録語を減らしたのではなく、新たに追加改訂もされており、また語釈や語源の解説もしっかりされているので、今までの完全版?を持っている人がさらに手に入れても使いやすいと思われる。
 もちろん、今まで大辞典を持っていなかった人にも文句なしに薦められる。語釈のおもしろさではなく、内容の豊富さでおもしろく読める辞典としても、1セット(三巻)揃えておく価値がある。広辞苑のような携帯用の辞典ではないこのような辞典が存在することを、感謝したい。



コミック;「彼女のススメ ラブバラシスター編」;黒河 澪;辰巳出版;(2005/12/15);ISBN:4777802310;\600



単行本;「もえたん サブリーダー ~文法・表現編~」;;三才ブックス;(2005/12/15);ISBN:4861990246;\1,500

 まじめに英語の勉強に使えるのに、ネタとしてしか評価されなかった「もえたん」を救うための解説本。ネタとしての評価は高かったが、英語に関しては、不当に悪い評価をする人が多かったようだ。ちゃんと読めば勉強になるのにもかかわらず。
 その「もえたん」から、例文を厳選し、文法や同意語などの解説を行ったこの本は、まさに待ち望んでいたものだ。
 残念なのは、多色カラーでなかったのと、英単語に発音記号が付いていないこと。辞書を引かなくても意味が分かるようにするのはいいが、その場合は発音記号は必須である。さらに英文の朗読CDが付いていれば完璧だった。



単行本;「応用代数学入門―暗号・符号・バーコードの仕組みがわかる」;ダレル W.ハーディ 他;ピアソンエデュケーション;(2005/12/15);ISBN:4894714930;\3,990

 公開鍵暗号などの暗号、誤り訂正符号などの符号、バーコードなどの各種コードの仕組みと、それを理解するための代数学入門の本。
 このような本はいくつか出ているが、数学の理論ばかりで実際にどう応用されているかさっぱり分からないものや、分かったような応用技術を書きながら数学的な解説の全くなされていないようなものが、殆どであった。それらのものは、この分野の勉強にはまったく役に立たない。
 それらと違ってこの本は、高校程度の簡単な数学から始めて、応用に必要な数学を(ユークリッドの互除法からフーリエ変換まで)詳しく教授し、さらに応用例も極めて詳しく解説してある。そのため読者は、コードの変換や公開鍵暗号の複号などを一つ一つ確かめながら進むことが出来る。また、各種数式処理システムでの活用なども詳しく、すぐにいろいろ実験できるようにもなっている。数式だけでなくアルゴリズムも書かれており、普通のプログラミング言語への移植も用意であろう。
 この分野に興味を持つ人にとって、数少ないまとまった成書として、真っ先に薦められる優れた良書だと思う。



単行本;「Mind Hacks―実験で知る脳と心のシステム」;Tom Stafford 他;オライリージャパン;(2005/12/16);ISBN:4873112710;\2,940

 脳と心をハッキングするというと、「ハッキング」という言葉に(誤った)悪いイメージを持っている人は、ちょっと躊躇するかもしれない。しかし、オライリーのこのシリーズの他の本を読んでいるような人は、「ハッキング」に関してそんな間違ったイメージは持っていないだろう。その正しいイメージの通り、脳と心の不思議さを色々確かめてみようという、面白くかつためになる本。
 「ハッキング」とはコンピュータだけのものではない。例えば、中身のシステムやアルゴリズムの分からないものを「ハッキング」するときに、まず色々入力して出力(反応)を調べてみるというのは、よくある手法の一つだ。それによって中身を理解することが出来る。実は我々の脳や心も同じで、直接中身を調べるという方法は多くの場合取れず、やはり色々入力して反応を見るしかないのだ。
 この本では、実際に自分の脳と心で確かめられる多数の楽しい実験と解説が書かれており、どこのHackからでも読むことが出来る。話の種だけでなく、自分自身で自分の脳と心の不思議さに触れることが出来るだろう。また、脳と心の性質を利用した勉強方法や、落ち込んだ気分を癒す方法など、実用的なヒントも得られる。そればかりかとにかくどのページも楽しめる本。
 脳と心のハッキングを楽しめる良本。