本の感想など −2007−


 2007年の一覧です。


一覧表


 タイトルなどの一覧です。ここからは同ページ下部の「本別感想など」にリンクしています。

処分 メディア 書名 著者 発行 発行日 ISBN 定価
  単行本 なぜこの方程式は解けないか?―天才数学者が見出した「シンメトリー」の秘密 マリオ・リヴィオ 早川書房 2007/01 978-4152087904 \2,310
  新書 水はなんにも知らないよ 左巻 健男 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2007/02/25 978-4887595286 \1,050
  単行本 On Lisp―Advanced Techniques for Common Lisp Paul Graham オーム社 2007/03 978-4274066375 \3,990
  単行本 π―πの計算アルキメデスから現代まで 竹之内 脩/伊藤 隆 共立出版 2007/03 978-4320018341 \2,730
  コミック アトリ抄 5 (5) 田代 琢也 メディアファクトリー 2007/03/23 978-4840116886 \540
  コミック 夜姫さま 高橋 葉介 ぶんか社 2007/03/30 978-4821184064 \1,260
  単行本 おとぎ話の生物学―森のキノコはなぜ水玉模様なのか? 蓮実 香佑 PHPエディターズ・グループ 2007/04 978-4569691855 \1,470
  単行本 はじめての数論―発見と証明の大航海 ジョセフ・H.シルヴァーマン/鈴木 治郎 ピアソン・エデュケーション 2007/04 978-4894714922 \3,570
  単行本 3分LifeHacking 山口 真弘/ITmedia Biz.ID編集部 ソフトバンク クリエイティブ 2007/04/07 978-4797340266 \1,500
  コミック うれしはずかし 黒河 澪 双葉社 2007/04/12 978-4575833485 \630
  単行本 夢幻紳士 迷宮篇 高橋 葉介 早川書房 2007/05 978-4152088208 \1,365
  単行本 神は妄想である―宗教との決別 リチャード・ドーキンス 早川書房 2007/05 978-4152088260 \2,625
  新書 スーパーコンピューターを20万円で創る 伊藤 智義 集英社 2007/06 978-4087203950 \714
  新書 「世界征服」は可能か? 岡田 斗司夫 筑摩書房 2007/06 978-4480687623 \798
  単行本(ソフトカバー) 猫はカガクに恋をする? 竹内 薫/藤井 かおり インデックス・コミュニケーションズ 2007/06/07 978-4757304550 \1,470
  大型本 The Art of UNIX Programming Eric S.Raymond アスキー 2007/06/19 978-4756149480 \6,090
  単行本(ソフトカバー) 数学ガール 結城 浩 ソフトバンククリエイティブ 2007/06/27 978-4797341379 \1,890
  単行本 イギリスの詩を読んでみよう―ナーサリー・ライム、シェイクスピアからワーズワース、そしてエミリー・ブロンテまで (NHK CDブック) 小林 章夫 日本放送出版協会 2007/07 978-4140394571 \1,785
  単行本 知っておきたい法則の事典 遠藤 謙一 東京堂出版 2007-07 978-4490107173 \2,310
  単行本 シェイクスピア,シェイクスピア詩集 (平凡社ライブラリー よ 12-1) 吉田 健一 平凡社 2007/07 978-4582766158 \1,470
  単行本 科学ファンのための理工系数学―二項係数から相対論まで 松延 宏一朗 現代数学社 2007/07 978-4768703724 \2,730
  単行本 デバッガによるx86プログラム解析入門―コンピュータとプログラムの仕組みを覗く うさぴょん 秀和システム 2007/07 978-4798017051 \2,520
  大型本 Poser使いこなし術 Daryl Wise / Jesse DeRooy ボーンデジタル 2007/08/25 978-4862460431 \5,250
  単行本(ソフトカバー) Mind パフォーマンス Hacks ―脳と心のユーザーマニュアル― Ron Hale-Evans オライリージャパン 2007/08/25 978-4873113371 \2,940

本別詳しい感想など


 本別に詳しい感想などを書いています。本のタイトル及び表紙画像はAMAZONにリンクしています。


単行本;「なぜこの方程式は解けないか?―天才数学者が見出した「シンメトリー」の秘密」;マリオ・リヴィオ;早川書房;(2007/01);ISBN:978-4152087904;\2,310



新書;「水はなんにも知らないよ」;左巻 健男;ディスカヴァー・トゥエンティワン;(2007/02/25);ISBN:978-4887595286;\1,050



単行本;「On Lisp―Advanced Techniques for Common Lisp」;Paul Graham;オーム社;(2007/03);ISBN:978-4274066375;\3,990



単行本;「π―πの計算アルキメデスから現代まで」;竹之内 脩/伊藤 隆;共立出版;(2007/03);ISBN:978-4320018341;\2,730

 副題どおり、円周率πの計算方法・公式を、良く知られたアルキメデスの方法から最近のBBP公式まで取り上げ、解説している。ちまたにはπの本が多数存在するが、その多くはπの計算に関する逸話であり、公式自体を解説しているものは少ない。また、公式だけなら纏めた本やwebページがあるものの、解説や証明まで纏められていることはまれであるため、貴重な本と言える。πのファン(?)なら持っていたい本。
 公式の証明を追いかけたり、種々の公式で実際に計算してみるのも楽しそうだ。



コミック;「アトリ抄 5 (5)」;田代 琢也;メディアファクトリー;(2007/03/23);ISBN:978-4840116886;\540



コミック;「夜姫さま」;高橋 葉介;ぶんか社;(2007/03/30);ISBN:978-4821184064;\1,260



単行本;「おとぎ話の生物学―森のキノコはなぜ水玉模様なのか?」;蓮実 香佑;PHPエディターズ・グループ;(2007/04);ISBN:978-4569691855;\1,470

 有名なおとぎ話を、子供にやさしく話すところから始まって、やがて話はその中の変わった生物や現実の生物の話に繋がっていく。このあたりの話の繋げ方は見事で、いつのまにか生物の色々な薀蓄を楽しみながら読んでいる。
 また、「このおとぎ話のこの生物は、もともと実際のこんな生物だったのではないか」という著者の分析も面白い。生物の面白い話を分かりやすく紹介してくれるエッセイとして秀逸。科学エッセイを求めている人には文句なしに薦められる。



単行本;「はじめての数論―発見と証明の大航海」;ジョセフ・H.シルヴァーマン/鈴木 治郎;ピアソン・エデュケーション;(2007/04);ISBN:978-4894714922;\3,570

 分厚くて、それなりに値段も張るが、十分に元の取れる本。数論の主なテーマは一通り揃っていると言って良いほど内容は豊富で、フィボナッチ数や素数などおなじみのものから、フェルマー予想(ワイルズの定理)まで揃っている。しかも、楕円曲線の話をしっかりするため、フェルマー予想については証明の概要が理解できるところまで読者を導く。
 それだけの豊富な内容であるが、最初に読者に要求される知識は中・高校生レベルであり、誰でも楽しく読み進められる。演習問題も豊富で良問も多い。また、コンピュータで確かめてみる的な問題も多く、読者を飽きさせない。
 「数論に興味があるのだけど、何かいい本はないだろうか」と考えている人がいたら、この本が一番のオススメだ。



単行本;「3分LifeHacking」;山口 真弘/ITmedia Biz.ID編集部;ソフトバンク クリエイティブ;(2007/04/07);ISBN:978-4797340266;\1500



コミック;「うれしはずかし」;黒河 澪;双葉社;(2007/04/12);ISBN:978-4575833485;\630



単行本;「夢幻紳士 迷宮篇」;高橋 葉介;早川書房;(2007/05);ISBN:978-4152088208;\1,365



単行本;「神は妄想である―宗教との決別」;リチャード・ドーキンス;早川書房;(2007/05);ISBN:978-4152088260;\2,625

 良く書いてくれた、という感じ。



新書;「スーパーコンピューターを20万円で創る」;伊藤 智義;集英社;(2007/06);ISBN:978-4087203950;\714

 書名に惹かれて買った。このGRAPEプロジェクトは、天文学者たちが手作りで専用のスーパーコンピュータを作成し、種々の結果を得たものであり、当時話題になったものである。
 しかし、開発の経緯等が書かれていてある程度は興味深かったが、プロジェクトの応用の話は少なく、さらにカバーに書かれているような「熱い人間ドラマ」は感じらず、どちらも物足りなかった。
 これは登場人物の一人である著者の筆の所為であるといってよく、形式的に第三者的な視点から見たように書いてあるが、内容は全くそうなっていないのが原因だろう。つまり、一人の視点からのみの内容で、臨場感がないのだ。第三者の専門のサイエンスライターが取材して書けば良かったのではないかと思う。



新書;「「世界征服」は可能か?」;岡田 斗司夫;筑摩書房;(2007/06);ISBN:978-4480687623;\798

 世の中が複雑になったのか、それとも夢がなくなったのか、「世界征服」なんてものは子供向けのアニメの中でさえ、昔ほどの輝きがなくなってしまった。そんな中で、昔夢見た大人たちのために、まじめに「世界征服」について考えてみた本。これは面白い。
 そもそも「世界征服」とは何か、目的は何か、そのためにどうしたら良いか、等、詳しく論じられており、あのマンガのあの悪人は何がいけなかったのか、という豊富な実例は読んでいて楽しい。さらに、「世界征服」というビジネスをどううまく動かして行ったら良いか、その中でどう自己実現をすべきか、という捉え方もされており、くだらない自己実現を謳うビジネス書よりもずっとためになる。
 特に仕事に疲れたとき等に読むと、いろいろと薬になりそうだ。



単行本(ソフトカバー);「猫はカガクに恋をする?」;竹内 薫/藤井 かおり;インデックス・コミュニケーションズ;(2007/06/07);ISBN:978-4757304550;\1,470

 恋愛と科学解説を合体した小説。不思議な猫に誘われて、過去の科学者に会いに行く。
 テーマとしてはおもしろいが、どっちつかずになってしまった感が残念。恋愛の話はよくある使い古された内容であるし、科学者との会話はあまりにもあっさりしている。歴史上の有名な科学者に会うのだから、その逸話に合わせてもっと内容のある話とそれに伴うストーリーがあってしかるべきだろう。殆ど顔を見て戻ってくるだけのようなストーリーでは、肩透かしというかがっかりである。
 そういう意味では、大変惜しい本。



大型本;「The Art of UNIX Programming」;Eric S.Raymond;アスキー;(2007/06/19);ISBN:978-4756149480;\6,090

 題名だけを見ると、UNIXのコマンドや使い方を解説している本なのか、と思ってしまうが、そうではなく、UNIXの思想・哲学を著したもの。
 具体的な内容は、UNIXというOSの構造はどうなっているか、ファイルフォーマットはどうなっているか、等を、他のOSのそれと比較して数多くの実例を挙げ、UNIXの目指しているものを解き明かすものとなっている。これを読めば、何故UNIXがこれだけ長い間利用されているのか、UNIXのどこがすばらしいのか、が、理解できるだろう。UNIXが好きな人は、うんうんと楽しみながら読めるだろうし、UNIXなんて知らないという人も、OSの思想を知る、という意味で(またUNIXのすばらしさを知るという意味で)読んで損はない。というより読まなければ損な本である。
 コマンドの使い方が列挙されているだけの安っぽいハウツー本に飽き飽きしているような人には、特にぜひ読んで欲しい。



単行本(ソフトカバー);「数学ガール」;結城 浩;ソフトバンククリエイティブ;(2007/06/27);ISBN:978-4797341379;\1,890

 著者のwebページでも話題の、(女の子にだけでなく)萌えられる数学(^_^;)。
 不思議な才媛ミルカさんと、元気っ娘テトラちゃんの間で心を揺らしながら、「僕」が数学の問題を考えていく。この手の本でありがちな、子供だましの数学ではなく、おもにオイラーがやったような無限級数や母関数の話が中心なので、良い意味で読み応えがある。ミルカさんは数学に関しては天才的だが、テトラちゃんはそうではないので、テトラちゃんに理解できるように書かれているところを良く読めば、彼女と同じ高校1年生レベルの読者でも理解しながら読めるはずだ。
 また、オイラーなどに興味があり、こういう数学もある程度知っている数学愛好家にも新しい発見があるだけの内容であると思える。そのような人は、出て来る数式を楽しみつつ、「僕」と二人の女の子の数学以外の話も楽しめるはずだ。
 さらに、根っからの理系で、数学自体に萌えているような人にもオススメである。何故なら、ミルカさんの魅力がわかるのは、まさにそういう人だと思えるからだ。



単行本;「イギリスの詩を読んでみよう―ナーサリー・ライム、シェイクスピアからワーズワース、そしてエミリー・ブロンテまで (NHK CDブック)」;小林 章夫;日本放送出版協会;(2007/07);ISBN:978-4140394571;\1,785

 題名どおり、有名な英詩を楽しみながら読んでみようという、英詩の入門書。NHKの講座が元になっており、なじみの薄い英詩を、細かく訳したり文法的に突っ込んだりせずに、その響きや内容を楽しもうというスタンスになっている。
 CDが2枚付属しているが、この内容はまさにラジオ講座さながらに、日本語での解説と英詩の朗読からなっており、量的には日本語の解説がずっと多い。このため、本を読まなくても、電車の中などでCDを聞くだけで英詩の講座を聞いているのと同じで勉強になりかつ楽しめる。しかし、その分紹介されている英詩の量は少ない。
 多くの英詩の朗読を求めている人には向いていない。個人的にも、英詩の朗読の少なさにはちょっとがっかりした。本に解説が書いてあるのだから、重複する解説はもっと減らしても良かったのではないかと思う。日本語の解説の中で朗読されている英詩には、解説の都合上、一部分だけ取り出したものが多いのも問題だ。CDの2枚目の後半は英詩の朗読だけが収録されているのだが、こちらには省略していないものを収録するなどの工夫が欲しかった。



単行本;「知っておきたい法則の事典」;遠藤 謙一;東京堂出版;(2007/07);ISBN:978-4490107173;\2,310

 社会科学から自然科学から、有名な法則や原理を五十音順に紹介した本。「事典」といっても、113個しかないので、知らない法則を調べる、という使い方は出来ないだろう。実際、私にとっては聞いたことのない法則は見当たらなかった。一つ一つの法則に、簡単な説明の他に発見者の逸話なども載っているので、法則を調べるのではなく、適当にページをめくって目に付いたところを読む、というような読み方が良さそうだ。
 難点としては、法則の数が少ないことはもちろんだが、説明に間違いとまでは言えないまでも不十分なところや、誤解を招くようなところがあること。また法則は、分野や人によって同じものに異なる名前がつけられていることが多いので、目次でそこまで補完して欲しかった。



単行本;「シェイクスピア,シェイクスピア詩集 (平凡社ライブラリー よ 12-1)」;吉田 健一;平凡社;(2007/07);ISBN:978-4582766158;\1,470

 著者の没後30年を記念して、「吉田健一集成(新潮社)」からシェイクスピアに関する2編をまとめたもの。
 シェイクスピアを読む、というと、多くの場合「研究」になりがちであるが、著者の場合そうではなく「文学として読んでいる」ところに特徴がある。そのため、作品の解釈には著者独自のものも多く含まれ、異論も出ると思われるが、その分、他では得られない読み応えのあるものになっている。旧仮名遣いも多く読みにくい人もいるかと思うが、シェイクスピア好きにはぜひ読んで貰いたい一冊だ。
 「集成」が入手しにくい現状で、この本が出版された意義は大きい。



単行本;「科学ファンのための理工系数学―二項係数から相対論まで」;松延 宏一朗;現代数学社;(2007/07);ISBN:978-4768703724;\2,730

 数理科学に興味がある、「科学のファン」レベルの人が知っておかなければならない程度の数学をまとめたもの。色々な分野のものを取り上げているので、まとまりがないような気もするが、本の性質上それは利点と言えるだろう。レベル的には、「科学のファン」で科学の分野で何かを話したいなら最低ラインだと思えるが、「自称科学のファン」レベルの一般読者には少々難しいかもしれない。大学入試問題なども織り込み、わかりやすく解説している。
 しかし、著者も自認しているが、物理に偏っているのは少々残念だ。物理化学や生物にも面白い題材はあるのだが、全く取り上げられていない。また、情報科学分野は取り上げられている内容が物理分野に比べて低い。まあ、一般の「科学ファン」も興味分野は物理に偏っているので、ちょうど良いかもしれない。ただ、良く出来ている本だけに、そこまで望みたくなってしまう。
 最後の章に多くの参考書が挙げられているが、読んでおくべき良書ばかりなので、読者の参考になると思われる。ただし、多少古い本や手に入りにくい本も混じっている。本のリストを参考に、書店に出向いて自分に合った本を探すのが良いだろう。



単行本;「デバッガによるx86プログラム解析入門―コンピュータとプログラムの仕組みを覗く」;うさぴょん;秀和システム;(2007/07);ISBN:978-4798017051;\2,520

 デバッガでプログラムを解析することで、プログラムとコンピュータのしくみを知ろうという本。この手の本は数多く出ているようだが、殆どのものはツールの使い方だけだったり、ゲームをクラックするためだけのものであったり、内容がないものが多い。
 これに対して、この本はデバッガの使い方だけでなく、デバッガで何が分かるのか、それがプログラムの動作の何を示しているか、等詳しく解説されている。さらにはデバッガ自身の中身や、自分で簡単なデバッガを作ってみようという解説、さらにはデバッガで解析され難いプログラムを作るための解説にまで内容が及んでいて、大変ためになる。内容のない類書とは一線を画す優れた本だ。
 ただ、一応「何故CPU内部では2進数を使うのか」から話が始められているとはいえ、本当の初心者はこの本だけで話に付いていくのは辛いだろう(副読書の紹介もあるが、全て優れた本だがレベルの高いものばかりだ)。コンピュータの基礎知識を学んでから、さらに中身に興味のある人にオススメの本だ。



大型本;「Poser使いこなし術」;Daryl Wise / Jesse DeRooy;ボーンデジタル;(2007/08/25);ISBN:978-4862460431;\5,250

 Poserの中上級者のための、実際にPoserで活躍する著名なアーティストの作品やその作製手順を紹介した本。第一線で活躍するアーティストによる、ヒントやTipsなどがたくさん紹介されている。紹介されているアーティストの作品は、人間をリアルに描くものから、リアルな幻想生物、アニメ調のキャラクタまで色々なものがあるため、Poserで作品を作ろうとする人すべてに役立つと思われる。
 また、実際の作品も多数掲載され、付属のDVD-ROMにもデータがあるため、初心者がPoserでどんなことが出来るのか、ということを知るために、あるいは見て楽しむためのアート集としても使用可能。
 少々値が張るが、Poserを使いこなしたいと思う人にとっては、決して高い買い物ではない。



単行本(ソフトカバー);「Mind パフォーマンス Hacks ―脳と心のユーザーマニュアル―」;Ron Hale-Evans;オライリージャパン;(2007/08/25);ISBN:978-4873113371;\2,940

 「Mind Hacks」の続編。「Mind Hacks」は、中身の見えない脳をハックすることで、脳や心の働きを調べてみようという良書だった。続編に当たるこの本は、脳や心の「上手な使い方」が中心になっている。
 内容は、記憶術、仕事を効率的にやる方法、アイデア創生法、精神状態の改善法、等々。良く知られている手法も多いが、著者独自の手法や、それを効果的にコンピュータで行なう方法など目新しいものもそれ以上に多く、絶対に読んで損のない本。最近「Life Hacks」流行で、流行に乗った駄本が多く出ているが、それらとは一線を画す良本。「Life Hacksはもう食傷気味だ」というような人にもぜひ読んで欲しい。そういう人には特に「Life HacksのMind版」として楽しめるはずだ。
 コンピュータやそれに類する電子機器などで、これらのMind Hacksを行なうヒントもたくさん載っている。そういうものが好きな人は、この本に載っている方法をすぐにでも手元のパソコンで実行してみたくなるはずだ。オススメ。