いろいろな問題
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見えない加害者 ('97.11.25)
インターネットやパソコン通信における嫌がらせの類は後を絶ちません。その最大の理由は加害者が姿を隠したままでいられる……
保護されていることにあります。
加害者は様々な方法を用いて被害者に対し執拗な嫌がらせをしま
す。一般の社会なら被害者が加害者を特定して訴えることなどがで
きます。ところが,インターネットなどの世界ではその相手を特定
することが難しいのです。
例えば,とある掲示板にあなたの名前を使って『セックスフレン
ド募集』なんて書き込まれた時,あるいはあなたに関する罵詈雑言
を書き込まれたとき,ないしは不快際極まりないメールを何度も送
りつけられたとき,どうしますか?
メールアドレスから相手を調べて訴える,と考えたくなりますが
そもそもメールアドレスが正しいものであるかどうかわかりません。
他人のメールアドレスを使っていることも十分考えられます。
メールのやりとり,ホームページや掲示板へのアクセスはプロバ
イダー(ホスト)がアクセス記録を持っているはずです。この記録
から相手の使っているプロバイダー(ホスト)を知ることが可能で
すし,そのプロバイダーの記録から発信者を特定することも可能な
はずです。しかし,現状の通信に関する法律では通信記録を公開す
ること自体が不法行為になるため,公開に応じてはくれません。こ
れが加害者が保護されているという意味です。
現状では加害者は自分の姿をほぼ隠したまま,自由に行動ができ
るのです。被害者は相当な苦戦を強いられます。
だからこそ,私たちは十分に自衛をしなければならないのです。
うかつな行動は慎まねばなりません。中でも個人情報はきっちり管
理しなければなりません。