こぼれ話
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インターネット時代の常識?
情報の発信者・利用者心得
('00.9.13)
インターネットって簡単にいろいろな情報が引き出せて便利です。公のデータの発表から個人のひとりごとまで、様々な情報がうまっ
ていて、検索によって簡単に取り出すことができます。
そんな中で、情報の引用・利用をめぐるトラブルもあります。
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ケース:
ある掲示板やメーリングリストで、自分の立場や情報を得たい目
的も明確にして意見を求めたところ、メールにてある有名な方より
お名前と肩書き付きで意見が寄せられました。
特にオフレコであるとのこともなく、その意見はその方のお名前
と肩書きに基づいて責任を持ってなされたものと思って、このよう
な意見が寄せられたと概略を公開したところ、勝手に意見を公開し
たり人の名前を出すな、とおしかりを受けてしまいました。
-------------------------------------------------------------- このようなケースは、承諾なく他に伝えたという点で問題があり
ますが、転用や名前を出されることが困るなら、何のために肩書き
まで明確にして意見を寄せたのか、発信者の意図に疑問が残ります。
業界によって考え方も違うし、人によってもそれぞれです。そん
な雑多な意識が入り乱れているのが現在のインターネットの状況と
いえます。あなたの常識は他人の常識であるとは限りません。
情報を発信する側、利用する側それぞれ情報の扱い方の意識を高
める必要があると思います。
情報を発信する側:
音声による会話と違い、メールなどの形で情報を出せば、それは
文字として残ります。情報はどこでどのように引用・転用されるか
分かりません。HPならもちろんのことです。
情報に責任を持つ場合は、かならず実名(あるいは実名に代わる、
その人であることが明確に分かるハンドル等)と肩書きを記載しま
しょう。責任を持つつもりがない場合は、最初から情報を出さない
か、匿名で情報を出しましょう(そもそも、責任を持てない情報は、
出すべきではありませんが)。
一般に問い合わせに対して、個人名ではなく肩書きの元に発言す
れば、たとえ個人宛のメールであってもそれはその名の下に責任を
持って行われたものと見なされます。オフレコ・引用・転用不可で
ある場合、くりかえしそのことを明確にしましょう。そもそも公開
されては困ることを見知らぬ人に宛てて発信すべきではありません。
引用・転用不可であったり発信者をあきらかにしてほしくなくて
も、何かの情報を発信すれば、それは引用・転用され、発信者の名
前があれば公開される可能性があることを肝に命じておきましょう。
インターネット時代、情報の危機管理はとても大切なことです。
情報を利用する側:
情報を出している人が、その情報に責任を持っているとは限りま
せんので、混乱を避けるためにあやふやな情報は転用しない方がよ
いでしょう。
署名入りで公開されている情報でも、確かな情報であるとは限ら
ず、情報の正確さを確かめる必要があります。
もちろん、文章は著作物ですから、無断で本人の意図しないとこ
ろにコピーすることはできません。
部分引用や概略を紹介する場合、承諾を得た方がいいでしょう。
引用は引用元を、参照時は参照先をリンクするなどして正確に記
すのが筋です。が、インターネットの雑多な情報を引用する場合、
公開しているにも関わらず公開を好んでいない場合もあります。公
開の情報であってもリンクする場合、なるべく承諾を得た方がいい
でしょう。
個人間による私信で、肩書きがなく完全な個人名であるなら、も
ちろん勝手に私信の公開はできません。
単なる私信でなく、最初から情報を利用することを知らせて質問
や問い合わせをしても、インターネットでは気軽に意見がかけてし
まうという性質上、回答者は他に引用・転用されるとは考えていな
いことが多い様です。そのため、肩書きの元に発言がなされていて
も、責任を持つつもりがないこともあるようです。まずは承諾を得
ましょう。 追補
クローズメンバーの掲示板やメーリングリストでは、情報の漏れ
がないよう、メンバーを精選し、メンバー外の人間が情報を見るこ
とができないように管理することがとても重要です。
メンバーがうっかり情報を漏らしたなどの場合、その事実をよく
確かめた上厳重に抗議をするべきでしょう。その上で退会処置など
を検討する方がいいでしょう。事実をよく確かめず、いたずらに退
会処分を繰り返すと、不信を生むので注意が必要です。
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