6 | かささぎの 渡せる橋に おく霜の | 中納言家持 |
白きをみれば 夜ぞふけにける | ||
かささぎの わたせるはしに おくしもの | ちゅうなごんやかもち | |
しろきをみれば よぞふけにける | ||
7 | 天の原 ふりさけ見れば 春日なる | 安倍仲麿 |
三笠の山に 出でしつきかも | ||
あまのはら ふりさけみれば かすがなる | あべのなかまろ | |
みかさのやまに いでしつきかも | ||
8 | わが庵は 都のたつみ しかぞすむ | 喜撰法師 |
世をうじ山と 人はいふなり | ||
わがいほは みやこのたつみ しかぞすむ | きせんほうし | |
よをうじやまと ひとはいうなり | ||
9 | 花の色は うつりにけりな いたずらに | 小野小町 |
わが身世にふる ながめせしまに | ||
はなのいろは うつりにけりな いたずらに | おののこまち | |
わがみよにふる ながめせしまに | ||
10 | これやこの 行くも帰るも 別れては | 蝉丸 |
知るも知らぬも 逢坂の関 | ||
これやこの いくもかえるも わかれては | せみまる | |
しるもしらぬも おうさかのせき | ||