愛車


私が今乗っている車は3台目の車である。

20年間で3台目だから、そんなに頻繁に乗り換えているわけではないのだ。

1台目は、兄の友達から5万円で譲って貰ったカリーナハードトップだった。

聞こえはいいが、やはり5万円の車には違いない。(正式には、座席の下に

100円落ちていたので49900円)。

窓はパワーウインドウ・・・・雨の日などは特に力を入れないと開かない。

ハンドルはパワーステアリング・・・・どんなマッチョマンでも片手では回すこと

が出来ないと言う重さ。

クラッチもアクセルも堅さが半端じゃない。タコメーターは気が向いたときしか

動かないし、何よりも嫌だったのは車体の色が山吹色だったのである。

決してレモン色ではない。なんとも言えない山吹色なのだ。ある日大阪市内を

走っていたら、翌日友達から「見かけたぞ!!」って言われたくらいだ。

これじゃおちおちホテルにも入れない。

しかも、ボンネットが腐って指が入るのである。(こりゃひどい・・・)

金のない私は3年間それに乗ったのだ。

そう言えば、運転初心者の時に前方に段ボールが落ちていることがあって、避け

ればいいのに何を思ったのか、またいでしまった事がある。

ーーーーー・・・後方にも段ボールの姿は見えないし、ましてやこの

音!!

引きずっているのは明らか。スピードを出し、段差を探して必死になると言うバカ

な事をしたのもこの車である。

結婚してから2台目の車、スターレットの契約をした途端、この車は自分の行く末

を悟ったのか、動かなくなってしまった。

今は、シビックのミッション車に乗っているが、快適このうえない。

オートマチックにしないのは、嫁が立体駐車場から転落するのを警戒して

の事である。

決して、マニアだからとかそんな立派な理由では無いのだ。

 

余談ではあるが、家に帰り着いて駐車場を見ると、車が半分出ている。

「なんでちゃんと入れへんねん!!」

すると嫁は「だって・・・ハンドル、どっちに回していいかわからへんねんもん」

・・・・・・

2台目の車、スターレットの横腹には柱が食い込んでいた。