TDL(ホテル編)


 シャトルバスを降りると、毎年見慣れた長蛇の列が入り口に広がっている。

「向かって右の方の入り口が比較的空いておりま〜す」

 係りのおねいさんが必死に叫んでいる。

 何年もかかって、どこの入り口が空いているか研究したのに、こうもあっさりおねい

さんにばらされては元も子もない。足早に一番右の入り口に到着した時には、さっき

のおねいさんの誘導で、例年より人が多かった(どないしてくれんねん)。

 パーク内に入っても人の数は増える一方である。遠くからTDLに来たからには、

「スプラッシュマウンテン」と「ビッグサンダーマウンテン」は外せないので、後々長蛇

の列になるであろうスプラッシュMから攻める事にした。

 35分並んだかいがあって、一番前に座ることができた(かぶりつきの席である)。

 しかし、この日は風が強かったのか、水しぶきが例年よりも激しく飛んでくるのだ。

乗り物を降りる頃には眼鏡も服もビショビショだった。

 15周年の催し物を見て、散々元を取るべく、乗り物に乗った後、とりあえずホテル

にチェックインをしに帰った。

車から荷物を出して、ホテルに向かうのであるが、私のバッグが妙に重たいのであ

る。

「おい・・・いったい何が入ってんねん!」

 荷造りをしたのは嫁である。

「あっ・・・ひょっとしたらたこ焼きの鉄板とかが入ってるかも!」

 なにがかなしゅうて、ホテルにたこ焼きの鉄板を持ち込まなあかんねん。

 案の定、数キロもするたこ焼きの鉄板が入っていた。

ロビーの前で、

「お客様!お持ちしましょう!」

 と、ボーイさんに荷物を取り上げられた。

 鉄板が入っていたら、「この客・・・・何をいれとんねん」と思われたに違いないので

ある。

 部屋でくつろいだ後、嫁はOFFの為銀座に、私は子供たちを連れて夜のTDLへ

と向かったのである。

 昼よりも夜の方が、比較的早く乗り物に乗れるので、またまた元を取るべくひた

すら乗り物に乗りまくった。私の腰につけているポケットピカチューも、3万歩近く

歩いてもらってとても機嫌がよさそうだ。いつもは寝る時間なのに、まだまだ元気

よく遊んでいるポケピを見ながら、子供たちとホテルに帰る事にした。

 帰りのシャトルバスにも長蛇の列が出来ていた。

 しかし、ここでTDLのベテランか素人かの違いがでてくるのである。

 一見、長蛇の列に見えるのであるが、実は、この長蛇の列は「ヒルトン」「シェラ

トン」「第一ホテル」に向かうシャトルバスなのである。「東急」と「サンルート」に向

かうシャトルバスは、1バス見送れば余裕で乗り込めるのである。ここまで考えて

ホテルを押さえなければ、子供たちに威張れないのである。

「やった〜簡単に乗れたやん」

 案の定、子供たちは私の偉大さに気がついたようである。ふっふっふ!

 部屋に帰ると、シャワーを浴びた。やはり疲れていたのか、泥のように眠ってし

まった。

 明日の朝は、わざわざ美人のF子ちゃんが会いに来てくれるので、とっても楽し

みである。

つづく

 余談ではあるが、我が家のテレビが壊れた。10年も酷使したので寿命だろう。

 日曜日の朝、大型電気店に行ってテレビを買い求めた。当初はワイドテレビ

にする予定であったのだが、TDL旅行にボーナスをつぎ込んでしまったので、泣

く泣く以前のテレビと同じ大きさの物にした。

「すみませ〜ん!このテレビ、いくらになんのん?」

 大阪人は定価で物を買わない。

「それでしたらすでに特価の価格ですので、頑張っても2000円しか引けないん

ですけど・・・・」

「2000円??しゃ〜ないな〜ほならこれにしょうか〜」

「お客様・・・お届けは木曜日以降になりますけど・・・」

「なに?木曜日以降?そんなにかかんのん?」

−−−−−しばしの沈黙−−−−−

「じゃ!また来る〜〜〜」(しがきたろう風に・・・)

 テレビっ子の私には、4日も待てないのだ。

 店を出ようとすると、さっきの店員が追いかけてきた。

「お客様!在庫を確認いたしましたら、ちょうどその機種が置いてありましたので

明日には届けられると思いますが・・・・」

 ほんまに・・・・最初から確認せいっちゅうねん!