言葉


 最近、言葉が乱れていることに自分でも気づかない。特に「全然」の使い

方が最近気になる。

 本来なら「全然」の後には否定語が来るはずなのであるが、最近ではめちゃ

くちゃな使い方が横行しているのである。

全然大丈夫」だとか、「全然元気だよっ」等々・・・・

 サン○リーのコマーシャルで「」と言うウイスキーがあるが、その中で真田

広之が一言で済ますセリフがある。

女 「あの頃は楽しかったわねぇ・・・・」

真田「ぜんぜん

 これも、ぜんぜんの後には必ず否定語が来ると言う約束の上で成り立ってい

る会話なのだ。気にはしていても、テレビ等でガンガンと間違った使い

方をされるとついつい日常でも使ってしまう。

「おい・・・・このゲーム・・・ぜんぜんおもしろいやん・・・」

などと息子に言ったら、

「とーちゃん・・・ぜんぜんの使い方まちごーてるで!それやったらチョーおもし

ろいやんの方がぜんぜんええで!」

間違いを諭す本人が使い方を間違えている。

 話は変わるが、うちの嫁が上着を着て何かぶつぶつ言っている。

「なんや・・・この上着・・・縮んだんとちゃうか?

 見ると、二の腕のところで半袖の上着が苦しそうにしている。

「あんたの腕、私の腕より太いやん」と嫁に言うと

なに言うてんねん・・・そんなわけ無い

やろ・・・・見た目じゃわからん。ちゃんと

メジャーで計ろやないか

 そう言うなり、ガサゴソと押入を探し出した。

どれ!腕だしてみ!

 よほど自信があるのか、えらく積極的である。

 メジャーで正確に計った結果、結局嫁の二の腕は私よりも3センチも太か

った。メジャーまで取り出して積極的な行動に出た嫁は、その後腕の話は一切し

ない。

 

 余談ではあるが、娘も年頃になりニキビが増えてきたので、薬局で「ニキビの元

アクネ菌」を退治する洗顔剤を買ってきてあげた。

「これから毎日洗顔をして、アクネ菌を退治すんねんで」

私が娘にそう言っていると息子が2階から降りてきた。

「今、アミノ酸がどーとかこーとか言うてたやろ」

聞き間違えにもほどがある。

アミノ酸?何言うてんねん。ニキビの元、アクネ菌の話をしとったんや」

私と息子の話を黙って聞いていた娘が突然割って入った。

網野さんって誰?

 おおぼけもいいところである。そういえば・・・以前娘は「トムヤム君」って誰?

とも言っていた事を思い出した。将来が大変心配である。