またまた中間テスト


「おい・・・明日は何があるねん・・・・」
 明日から中間テストのはずなのだが、「危険な関係」と言うドラマを呑気に見ている息子に尋ねた。
「うん・・・数学と、英語と、社会」
 3教科もあるのに余裕のヨッチャンメッチャ古い言い回し)なのだ。前回の期末テストがボロボロだったくせに、この余裕がどこから出てくるのかは私には理解できない。

「ドラマ見てる場合とちゃうやん・・・真剣に集中してやりぃや・・・」

「ほなら、ビデオに録画しといて」

  あくまでもドラマは見逃さないつもりなのである。

「その辺にビデオテープがあるから、適当に入れ~や・・・ちゃんと録画したるから」

 そう言いながら私はビデオのリモコンを持つと、息子は渋々ビデオデッキにテープを突っ込む。
 ウィ~ン・・・・ビデオテープが吸い込まれる。しかし、次の瞬間何故かウィ~ンと言う音とともに、またまたテープが出てきてしまうのだ。
 おや?息子はとても怪訝そうな顔をしながらもう一度トライしている。しかし、何度やってもビデオテープはデッキから飛び出してくるのだ。
 ほこりを払い、テープを確認し、何度もトライしている息子がふと後ろにいる私に目をやった。
 そう・・・・私がリモコン操作でイジェクトボタンを押していたのだ。

ガハハハハハハッやっと気がついたか!」
 5回目にして、やっと気がついた息子を笑い飛ばしてやった。しかし・・・この父親・・・自分で言うのもなんだが、結構いたずら好きである。

 話は戻るが、息子の観察力のなさを憂いながら、数学の勉強を見てやることにした。私一人ではなんなので、自称英語担当の嫁も呼んで2人で問題を見る。
 今回は2次関数だったのだが、20数年前にやったことはすっかり忘れている。しかも応用問題・・・・問題の意味を理解するだけでも時間がかかるのだ。

問題1.
 A君が9時X分に自転車に乗って本屋に出かけた。すると途中でパンクしたので、自転車を押して自転車屋さんに行くと、別の自転車を貸してくれたので、その自転車に乗って本屋まで行った。
 下記のグラフを見て、問いに答えよ。

 ここではあえてグラフと問いは書かないが、もうちょっと楽しい、現実味のある応用問題は出来ないものか・・・・大体にして、パンクの自転車を自転車屋さんに持っていったって、代車を貸してくれる自転車屋さんなんて今時あるのか?また、代車を借りてまで急いで本屋に行く用事がA君にはあったのか?
 こんな事を言い出すと、A君の生い立ちやら時代背景やらを問題に取り入れなければならない。それでは数学と言うより国語になってしまうので、やはり味気のない問題で我慢しなければ仕方のないことなのだろう。
 しかし、息子と嫁と私の3人で、しかも答えを見て、逆算しながら問題を解いていっても30分以上もかかってしまったのだ。問題集をやり終えた時にはすでに夜の12時をまわっていた。
 今日は早く寝るぞ・・・・と気合いを入れていたのに、結局遅くなってしまったのだ。

 息子よ~

 たのむから、一夜漬けに親を巻き込むのはやめてくれ~

 次の日の夜・・・

「どやった?数学は・・・」

「うん!昨日やったような問題が出たけど、時間がなかってん

 おひおひ・・・昨日使った私の時間を返せ~ってやつである。応用問題を教えるよりも、計算を早くする方が急務だったのかもしれない。

 余談ではあるが、息子が今回のテスト結果予想を私に言ってきた。

「今回の社会はなぁ・・・前回の倍は取れたような気がする」

「おぉ・・・それはすごいやん・・・ほんで、前回は何点やってん?」

えと・・・さんじゅう・・・」

 ボカッ!

 自慢になるかいっ!!