ゲーム
我が家族の中で、音楽をしていないのは私だけである。自慢じゃないけど音符が読めない。
中学生の頃、吉田拓郎や井上陽水、かぐや姫などに憧れて、フォークギターを片手に遊んだことはあったが、ちゃんと先生に付いて教わったことがないので、音符が読めないのだ。笛のテストなども、はっきり言って記憶力が勝負だった。ある意味、楽譜を目の前に置いて吹いているヤツが羨ましかったりする。
ある時、カラオケに行くと、ゲーム機が置いてあった。ゲームセンターに置いてある、ダンスをするゲームのプレステ版があったのだ。
最初こそちゃんとカラオケをしていたが、カラオケに飽きると、もっぱらそれで踊りまくった。音楽をやっているから上手いのか、それとも単なるゲームが上手いのかはしれないが、息子は実に器用に踊りまくっている。
もちろん私もやったが、矢印が団体さんでやってくると、頭の中が真っ白になってしまって、端から見ると、突然熱い砂浜に置き去りにされた兎のようである。ただ単にビョンピョン飛び回っているだけなのだ。
結局、ゲーム機自体にブーイングされて、音楽も半ばに閉じられてしまうのだ。悔しいと言うよりも情けないのである。親の威厳など紙くずのように吹っ飛んでしまう瞬間がここにあったのだ。
つい先日行われた、バドミントンの団体戦で優勝した勇姿などは見に来てもいないので、見せられる訳も無く、結局こんな情けない姿ばかり見せるのは教育上良くないと思うのだが、出来ない物は出来ないのである。
私が大汗をかいているのを見て、嫁も参加し始めた。はっきり言って、嫁の運動能力は低いはずなのだが、このゲームに限っては私よりもうまい。ダンスのゲームだけあって、音楽性が重視されるのだ。特にリズム感が大切なのだろう。
「うひゃ〜・・・こりゃ効くわ〜」
こう言って、汗を流して喜んでいたのは嫁である。
ダイエットに一番有効なのは運動する事なのであるが、ダイエット用の運動器具などは長続きしないので、結局途中で挫折してしまう。
「こりゃ、いい有酸素運動になるなぁ・・・」
ものぐさな嫁はキラリと目を光らせてそう言った。カラオケから帰ると、早速ソフト、ハード共に購入してきて踊り狂っている。私も一緒になって頑張るのであるが、他の家族3人には到底太刀打ちできないでバカにされ続けている。
しかし、息子や娘が踊る分には問題が無いが、嫁が踊っていて、床が抜けないか・・・1戸建てなので下の階に落ちる・・と、言う心配は無いが、修理しなければならないような被害は出して欲しくないと心配する日々が当分続くのは避けられないだろう。
余談ではあるが、携帯電話にオリジナルの曲を入れた。オリジナルと言っても、楽譜を見ながら入れたのだが・・・・
そして、先にも書いたように、私は楽譜が読めない。従って、携帯には入力するのは私であるが、楽譜を見て音符を読んでくれるのは、娘とか嫁なのだ(息子は面倒くさがって、読んでもくれない)。またまた私の威厳が無くなっていくのだ。
この携帯・・・売りは4和音なのだが、オリジナル曲は単音でしか入らない。今回は魔女の宅急便の「海の見える街」と、踊る大捜査線の「Love
Somebody」を入れたのであるが、4和音で入れたかったなぁ・・・なんて、音符も読めないくせに言っている自分が情けなかった。
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