腸の検査その1

 健康診断・・・・また年に1度の嫌な季節がやってきた。ここ3年ほど苦手な胃のバリウム検査はパスしていたのだが、今年は本厄って事もあり久しぶりにバリウムを飲む事にしたのだった。
 まずは恒例の検便である。本当は前日と当日の便を持っていくのであるが、当日出なかったら困るので、安全策として前々日と前日のを持っていくことにした(歳を取ってくるとしきりに安全策を考えるようになる)
 身長、体重、検尿、心電図、と順調に進んだが、血圧が上82しか行かなかったので計り直してもらったら92になった。いい加減なものである。
 血液も抜いて貰い、嫌なバリウム検査もなんとか終わり、後は結果を待つだけである。

 10日後、私が外出しているときに診療所から電話がかかってきたとの伝言。良い知らせで電話がかかってくるはずもなく、案の定検便潜血反応が出たので、腸のバリウム検査をするとの事だった。青天の霹靂・・・・予想だにしなかった結果である。
 そうそう・・・・この検診にはレベル1〜5まであり、当然のようにレベル5は絶対に再診に来いと言うものである。そのかわり、絶対に来いと言うだけあって無料なのだ。検査の二日前に検査セット(前日に食べるお粥や下剤等)を貰って帰るときはちょっと得をした気分だった(本当か?本当にそんな物で嬉しいのか?)
 検査の前日の朝はレトルトパックの白粥と鮭のふりかけ、インスタントみそ汁である。いつもパンとコーヒーで済ます私にとっては、こちらの方が豪華だったように思えたのには自分でも苦笑した。

by hikari

 昼は味付き粥とおかかのふりかけ(これが結構美味い)、インスタントすまし汁である。この頃になってお腹が空き始める感覚が芽生えてきたので、診療所でおやつにどうぞと貰ったビスケットを食べようと思ったら、それを家に忘れてきたことに気付き谷底に落とされた気分になってしまった(昨晩嬉しがって、鞄から取り出して眺めていたのが仇になってしまった)
 家に帰り着いてから、夕食のポタージュスープを食べる前に、食べ損ねたビスケットを食べたのであるが、本当にそれでよかったのだろうか?
 当日は午後2時からの検査だったので会社で座薬の下剤を2本もぶち込み、絶食で午前中仕事をこなし昼から診療所に向かった。
 胃のバリウムで散々痛い目に遭っている私は、HPの大先輩で、腸のバリウムでも大先輩もんちゃんから、「たいした事ないよ」ってメールで励まして貰っていたのであるが、お尻からバリウムをぶちまけちゃったらどうしよう?とか、違う性に目覚めたらどうしよう?とか、不安はいろいろあった。しかし、そんな私の不安をよそに作業はとても事務的に進められて行ったのであった。
 まず、お尻の部分に裂け目の入った紙のトランクスを履かされ、検査室の前で待つこと5分・・・・検査の直前に腸の動きを止めると言う注射を打たれた。これが・・・・めちゃめちゃ痛い注射なのだ。痛いよ〜って思っている間に、胃の検査と同じ台に乗せられ、横を向き膝を曲げた所で看護婦さんにプスッと10センチほど管をつっこまれた。
 あぅ!!・・・・そして、X線で撮影する為、その部屋には私一人となってしまったのである。
 お尻に管を挿されたままの状態で「今からバリウムを流し込みます」とのアナウンス。胃と違って自分で飲むのではないので、ある意味楽といえば楽である。またバリウムを流し込む感覚はあまりなかった。
 しばらくしたら「今から空気を入れます」とのアナウンス・・・・これはバリウムと違ってしっかりした存在感があった。お腹が確実に膨れて行き痛いのである。途中で何回も空気を入れたり抜いたりされたのであるが、入れるときの苦痛と違って、抜くときはとても気持ちが良かったので癖になるかと心配しほどだ。
 お尻にチューブを入れられたまま、右向けだの上向けだの、いろいろ言われながらの15分・・・・私には30分ほどにも長く感じたのは言うまでもない。
 検査が終わり、必死で肛門を閉めながらトイレで自然に流れるままにバリウムを垂れ流す。何故かは知らないが「きばらないで下さい」との指示があったからだ。
 更衣室で紙のパンツを脱ぎ捨て、ズボンを履こうとしたらボタンが止まらない。空気がお腹に入った状態で、確実にウエストが5センチほど膨らんでいるのだ。ボタンは諦め、ベルトも普段より二つほど余裕を持たせて診療所を出た。
 バスが来たので、すぐに乗り込みしばらくすると案の定差し込みが来てしまった。目的地まで我慢できるわけもなく、途中で下りビルのトイレに駆け込んだ。ベルトを外し、トイレにしゃがむと大音量と共に残っていたバリウムが出た。ブボボボボボボ・・・・その大音量はとどまる事を知らないのだ。外で用を足している人は絶対に「なんやコイツ!」と思っているに違いない。長い長い空気が出終わってお尻を拭くと、第2弾が襲ってきた。ブボボボボボボ・・・・。トイレにいる人が総入れ替えにならないと出られない状況である。看護婦さんに肛門を見られるよりも、チューブを肛門に入れられるよりも恥ずかしい状況なのだ。パンツを上げ、ズボンのボタンも閉められるように回復したが、そのトイレを出るまでには随分の時間を要してしまった。

by hikari

 すぐに診療所を出ないで、この儀式が終わるまではいればよかったなぁって後悔したが、そんな事は後の祭りである。

 1週間後、腸の検査の結果が出た。ポリープが見つかったのである。私のHPでも、もんちゃん同様腸の検査その2に続いてしまったのだ。ただし・・・・もんちゃんと違うのは、私は潜血反応での検査となったわけであるから、ポリープと思った物が実はうんちの残骸!なんてオチがつかない覚悟だけはしなくては行けないだろう。
 さぁ・・・・もんちゃんのHPを見て予習しなくちゃと思う私であった。

 余談ではあるが、腸の検査と言うのは、思いの外体力を消耗するらしい。腸の検査の二日後にバドの試合があったのだが、たったの数分でバテてしまった。恐るべし腸である。