腸の検査その2

 さぁ・・・・まずは内視鏡の予約である。紹介状を書いて貰ったのでさっそく地元の厚生年金病院へ出向く事にした。貸し出しして貰ったポリープのレントゲン写真を片手に診察室に向かうと、腸のスペシャリストと呼ばれる先生がいらした。
「あのぉ・・・・健康診断でポリープが見つかったので診て貰いなさいって言われたんですけど・・・・」
 そう言いながら紹介状とレントゲン写真を渡すと、担当の先生はレントゲン写真を見始めた。実は15枚もレントゲン写真を預かって来たのであるが、5枚目でポリープのある写真が発見されたので、その後はもう見ないのである。それだったら初めからその1枚だけを貸し出してくれたらいいのにと思いつつ、何を言われるか緊張していると・・・・
「小さいポリープやねぇ!1ミリか2ミリくらいやでぇ・・・・どうする?
 いやぁ・・・・患者の私にどうするって言われても困るんですけどぉ・・・・と思いながらも、「どうしたらいいんでしょう?」と聞き直した。
「やっぱりカメラ入れてみる?その方が安心するやろしねぇ」
やっぱりカメラ入れるんだ・・・・断る事も出来そうな雰囲気だったが、やっぱり潜血反応でひっかかったのだから診て貰った方がいいだろう。
 その後、採血を済ませて内視鏡の予約ルームにカメラの予約をしにいった。
「えと・・・・前日午後8時以降は何も食べないでね。寝る前にこの下剤と、朝起きてすぐにこの下剤・・・・そして、9時から11時までに2時間かけてこの薬を飲み干して下さいね」
 事前にHPで予備知識を得ていた私は、別段驚く様子もなく説明に耳を傾けていた。しかし・・・・HPでは1時間かけて1リットルの下剤だったのに対し、私は2時間かけて2リットルなのである(普段あまり水分を摂る習慣のない私に2時間で2リットルは辛そうだ)。しかも前日の夜までは普通に食事OKなのだ。またお粥セットを貰えると思っていた私はちょっぴりガッカリである(そんなに美味しかったの?)
 当日、私には2リットルを飲み干すある秘策を用意していた。汗をかくのである。幸い連日猛暑だし、お風呂にでも入ればいっぱつで飲み干せるんじゃないか?と思っていたのである。
 しかし、その日に限って曇り空、比較的過ごしやすい朝なのだ(なんでやね〜ん)

by hikari

 しかも9時から下剤を飲み始めなきゃなんないのに、9時5分前にお風呂に入る計画のなさ・・・・。結局あまり汗をかかないまま飲み始める事になってしまったのだ。
 ゴキュゴキッュゴキュ・・・・・冷蔵庫でキンキンに冷やしていたので結構飲みやすい・・・・と思ったのも束の間、後味になんとも言えない生臭さが残る。今考えると大きめの容器で飲んでいたら後味の悪さを最小限にくい止められていたのだが、普通のコップで飲んでいたので、2リットルだと10回も生臭さを感じないといけない計算になるのである(その時気付けよ)。
 結局、お尻からは透明の液体しか出なくなったので、自分の判断で500ミリリットルを残して、生臭い下剤の苦行を終わらせてしまった。誰も見ていないからいいのである(いいのか?本当にいいのか?)
 お腹も落ち着きを取り戻し、病院にたどり着くと、そこには下剤の飲み方から検査の工程まで詳しくビデオが流れていた。そのビデオの中では男性がクイックイッと下剤を飲んでいるが、ビデオの中の液体は多分普通の水なのだろう。ついついそんなにクイックイッと飲めね〜よって心の中でつっこんでしまった。
 個室に入り、着ている服を脱ぎ、穴あきパンツを掃いた後、検査室の前でしばし待機。緊張感が一番張りつめるときである。
 トンヌラさ〜ん!!お入り下さい!!
 とうとうこの時がやってきた。部屋に入り、スリッパを脱いで台に上がると、モニターにはもう映像が映っている。
 看護婦さんに裂けているパンツをガバッと広げられると、作業のしやすいようにその状態でテープで固定される。すかさずゼリーを肛門に塗られる。
 ひぇ〜〜〜〜〜・・・なんとも言えない感覚が・・・
 モニターを見ていると、先生が内視鏡を手にしたのか、部屋のあちこちが映し出されている。看護婦さんを下から映してくれないかなぁ?とも思ったけど、そんな事があるわけは無い。
 あっ!!私のお尻だ!!と思った瞬間
 ズブブブッ
 挿入する瞬間は痛かったけど、その後はそうでもない。しかし、腸の曲がり角になると空気を挿入して、広げながらカメラが入っていくので、その時はやはり痛い。
 患部は肛門から30センチほどの所にあるはずなのであるが、この検査って一度盲腸まで到達して、引き抜きながら見ていく事になっているらしい。近くであろうが奥であろうが関係ないのだ。
 カメラが盲腸まで達したとき、「今から引き抜きながら見ていきますからね」って言う先生の声が聞こえた。
 モニターに映る自分の腸は結構綺麗だった。時折モロモロの浮遊物がフワフワと舞っているが、カメラの所から水みたいな物が出て綺麗にしながら見ていくのだ。
 素人目にはわからない患部にさしかかると、アームが出てきて組織をつまみ取った。その後も丹念に調べながら引き抜いていく。そして肛門の入り口あたりでカメラが止まる・・・・

「軽いですね・・・自覚症状はありませんでしたか?」

え?私ってなの??ひょっとして、そのせいで潜血反応が出たの??その軽いのせいで食事制限をしたり、バリウムを注入したり、下剤を2リットルも飲んだり(1.5リットルしか飲まなかったけど)、最後にはカメラまで入れる羽目になったの??

by hikari

 潜血反応の原因が軽いだったとわかったとき、ほっとするやら情けないやら・・・とっても複雑な気分だった。
 一応つまみとった組織の検査はしたが、やはり良性だった。
 健康診断から再検査、カメラの検査と1ヶ月間のドタバタはようやく終わりを告げられた。しかし・・・この軽い・・・治療した方がいいのかなぁ??

 余談ではあるが、最近物忘れが激しくなってきたような気がする。大好きな映画のはずなのに、俳優の名前がすぐに出てこないのだ。先日は「ダスティンホフマン」が出てこなくて気持ち悪い思いをした。「ブルースウィルス」や「ショーンコネリー」なんかも忘れる代表的な人だ。
 最近では、有名な子役・・・「シックスセンス」とか「AI」「ペイフォワード」などに出てた子役・・・ほらほら・・・あの子だよあの子!!しかし、あの子の名前って全然覚えられないんだよなぁ・・・(これを読んで、私のように気持ち悪くなってしまった人・・・ゴメンなさいね)