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【 あるひのできごと 】


「実際さ。オレたちから見たら、マスタング大佐もハボック少尉も同じようにしか見えないよな」
「うーん、確かにそうだよねえ」
「ひでー。大佐と同列かよ」
「マジに変わらないって。同じくらいの年にしか思えねー。ま、大佐の方が言動はオヤジだけどな」
「オヤジ呼ばわりはマズいんじゃない? 兄さん」
「オヤジがダメなら化けモンだ、化けモン」
「化けモン…」
「だったらホークアイ中尉は?」
「んー。女の人の年って分からないなあ。兄さんは分かる?」
「全然分からない。つーか、余計なコト言うと後が怖そうだし…」
「あー…。確かに。しかし、オレと大佐が同列はひどすぎないか? このピチピチのお兄さんに向かって」
「ピチピチって少尉…。こういうの、何て言うんだっけ? ほら ─ 」
「 ─ ずうずうしい?」
「そうそう、それがピッタリだな。─ って、少尉。何処行くのさ?」
「…ずうずう…しい…」
「おーい、ハボック少尉〜?」
「行っちゃった…」
「 ─ 何かあったの? ハボック少尉が半泣きで、あっちこっちぶつかりながら歩いて来たんだけど」
「アルが泣かしたんだ。中尉」
「ひどいよ兄さん! ボクだけのせいにする気?」
「オレが口が悪いのはいつもの事だけど、アルの『ずうずうしい』はショックだったんじゃないかあ? 可哀想に」
「えーえ、兄さんはいつだって乱暴者だから、多少の悪行は皆に諦めてもらえるものね。まったく羨ましいよ」
「そういう言い方はないだろ? アル!」
「兄さんなんて、兄さんなんて…。牛乳も飲めないくせにっ!」
「うわ、汚ねえ! なんでいきなり関係のないコト持ち出してくるんだよ!」
「誰かさんがいつもやる、飛躍した論理展開を真似しただけだもーん」
「妙な屁理屈こねやがって。可愛くない弟め」
「兄さんの下で可愛い弟なんてやっていたら、1日だって身がもたないね」
「あー! ホントに可愛くないっ!」
「…ケンカはしなくていいから…」


了 (2004.3.5)

Web拍手お礼用SSとしてずっと放置プレイしていたヤツ。会話オンリーのハボック少尉ちょっと可哀想編。
出演者はエルリック兄弟+ハボック少尉にホークアイ中尉。誰がどれだか大体分かるようにはしたつもりですが、迷う所は好きな人物に置き換えてください。

14と15のお子様たちから見れば、20歳過ぎればどれも同じくらいに見えるだろうという話。
ハボックさんは御自分をお若いと思っているっぽいので(私服とか若作りしていそうと大変失礼なコトを妄想したり)、はっきり年だと子供に言われたら大ショックなんじゃないかなーとか、ちょっと思って書いてみました。

これがこちらに来たというコトはー。新しいのを仕込んだので興味があればご覧ください。