【 アルフォンスくんの 突撃ドキドキインタビュー 】
「はい、アルフォンスです。今日は兄さんこと鋼の錬金術師へ、噂の真相について突撃インタビューを行いたいと思います」「何1人でぶつくさ言ってんだ? アル」 「あー何でもない何でもない。雰囲気作りっていうかー」 「ヘンなヤツ」 「…兄さんにだけは 『 ヘン 』 なんて言われたくないよなあ」 「あー?」 「こっちの話。唐突なんだけどさ。兄さんはマスタング大佐のコトをどう思ってるの?」 「ムカつく」 「うわ、即答。しかも一言で終了? 他には?」 「他に? ─ いけ好かない」 「うう…。他にはないの?」 「嫌い」 「ほ、他には?」 「まだ言わなきゃないのか? 大嫌い!」 「…兄さん。もう少し穏やかな評価は出来ないもん? 大佐の長所とか気に入っている所とかー」 「あのオヤジの気に入っている所なんざあるわけねー」 「そう決めつけないでさ」 「だって大佐っつったら、何時だってオレのコト小ばかにするし、すぐ見下すし自分はだらだらしているくせに人使いは荒いし、性格悪いし腹黒いし、エロオヤジでセクハラオヤジだし、節操ないし常識ないし─ 」 「も、もういいよ、兄さん」 「もう? 大佐の気に食わない所だったら後2時間は言い続けられるけどなー」 「はあ ─ 」 「大体何でそんなコト訊くんだよ?」 「んー、鋼の錬金術師とマスタング大佐は会えばケンカばかりしているワリには、よく一緒に食事に行ったり2人で歩いているのを目撃するのですが、真相はどうなんでしょうか? ─ って訊かれたんだよね」 「何だよそれ?」 「ケンカするほど仲がいいってコトですか? ─ って」 「…アル…。冗談でも『仲がいい』ってのは撤回してくれ。マジ気分ワリィ」 「兄さん、本当に顔青いね。その態度ってかなり大佐に失礼じゃない?」 「平気だ。あっちもそう思ってるから。いやー、想像しただけで吐き気がした」 「でもさー。ぶっちゃけ兄さんって、大佐の事をいけ好かないって言っているワリには、東方司令部に来ると何やかやで一緒にいる事多いよね。どうして?」 「………」 「何で目を逸らしてしかめ面で考え込むのさ」 「…………」 「目が泳いでますけどー」 「……………」 「もしもし兄さーん?」 「………………何でだ?」 「…縋るような目をしてボクに訊かないでくれる?」 「うーん…。飯おごらせてやれるし、賢者の石情報をゲット出来るかもしれないし。あわよくば大佐の弱みを握れるかもしれないし─ 。それに」 「それに?」 「 ─ 犬猫も3日飼えば情が移るっていうかー」 「…それは大佐にあまりに失礼だと思う…けど。あーあ、頭抱えて悩み始めちゃった。真相は本人が一番分かっていないようです。肝心の兄さんがこんな状態なので、途中ですが突撃インタビューを終了します。それでは皆さんまたいつか」 了 (2004.6.7)
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