フライキャスティング嘘・本当?

みなさんはじめまして、当SOCIETY会長の菅 です。簡単に私の自己紹介をさ せていただきます。
 
本名:菅 敏雄(スガ トシオ) 
年齢:不詳
現住所:町田市 
フライ歴:約22年
 
さてこのホームページがupしてはや1年6ケ月が過ぎ15,000人以上の方がアク セスして頂きました
そろそろこの内容にもみなさん飽きてきたのではないかと思います。
私もメンテナンスをしなければと思いながらも忙しさにかまけなかなかメンテ が出来ませんでしたが
練習会やホームページを通して初心者の方が疑問に思ったことや間違って教え られた知識を解説していく
ページを作ることにしました。
このページは定期的にメンテしていこうと思っていますのでみなさんも時々覗 いて下さい。
また今自分が疑問に思っていることも質問していただければこのページで回答 させていただきます。


ウェットフライによいアクションのRODってどんなRODがありますか?

一般にウェットフライはティップで当たりをとりよく食い込ませてからあわせます。

この為、RODに求められるアクションはティップが柔らかく魚の食い込みを助け、フッキングの時は

バットのパワーで確実にフックアップさせなければなりません。

このようなアクションを持ったRODは一般的に、キャスティングは難しくウェットフライ専用のRODに

なってしまいます。

しかし、私の知る限り最高のウェットフライRODのスコットの4番10フィートは上記の条件を満たしたまま

十分にドライフライフィッシングにも耐えうるキャスティング性能を有しています。

このRODに6番ラインをのせてウェットをやると、ラインの重さで少しお辞儀したティップが最高の食い込み

を約束してくれ、パワフルなバットが確実に魚をフッキングしてくれます。

ここで大切なのは、6番ラインの垂れたベリー部分の重さがウェットフライにとって最高のテンションになる

ということです。

けっしてティップでテンションをかけてはいけません。



シュートのタイミングについて教えて?

キャスティングの中で一番難しいのがシュートだといっても大袈裟ではありません。 一般の人が一番おこしやすいミスは、シュートだからといって思い切り力を入れて 振ってしまうことです。
力を入れすぎると、ロッドの描く前後の動きは左右にぶれてしまい、せっかくの パワーを左右にぶらすことによって散らしてしまうのです。
シュートの極意はフォルスキャストの延長線で少しパワーゾーンを長くとってや ればよいのです。
但し、バックキャストは少し上目にラインをキャストして、シュートに移るタイ ミングはバックキャストのラインが完全に伸びきってしまった瞬間です。
こうすることによってオーバーターンのない完璧なラインがキャスト出来ます。
そして、シュートの方向は自分の目より少し上向きをめがけてキャストします。
このとき気おつけなければいけないのは、ダブルフォールをしていた場合、フォ ールする距離を最大限にするということです。
大抵のひとはこのときフォールする距離が足らないことが多いのです。


パワーウェットのキャスティングで芝生の上ではそこそこキャスティングはで きますが、いざ、フィールドで川に立ち込んでキャストすると、フラットビーム が絡んだり、水の抵抗で思ったより距離がでません。どうのように対処したら良 いのでしょう、また普段どんな練習をすればいいか教えてください。


シューティングのキャスティングは次回の写真で見るキャスティング教室にゆ ずるとしますがパワーウェットでの釣りについてここで少し回答します。
まずパワーウェットでの釣りでは、キャストも大事ですがライン操作はそれ以 上に大切です。
パワーウェット(以下PWといいます)では、手元に20〜30ヤードのライ ンを保持しますので、川の中にはいると当然にラインは水に流され、もしくは湖 では沈んでしまいシュートするときに大きな抵抗となります。
そして、出ていくラインは上手く操作しないと絡まってしまい初めのうちは殆 ど釣りになりません。
大抵の人は、この時点で解決の糸口を見つけられず、PWでの釣りを断念して しまいます。
ではどうすれば、トラブルなく水の抵抗を減らして遠投出来るのでしょうか。
ここでは下の写真を使って説明します。
まず右端の写真のように小指からラインを掛けて内側へ順次ラインを掛けてい きます。
この時注意しなければならないのは、ラインをたぐってきて指へ掛けるとき、 慎重にたぐらないと内側のループが外側のループの間に入り込みシュートしたと きに内側のラインが外側のラインをひっぱってしまい、ラインが絡むということ になってしまいます。
実際は、ライントラブルの80%はこれが原因ですから、ラインをたぐるとき に注意することでトラブルの大半はクリア出来ます。
そして、水の抵抗を減らす為の方法が最後の写真のように、シュートの後に左 手を持ち上げ人差し指から順にラインを出していくのです。
この時、一度に全部のラインを離すとまたライントラブルになりますので注意 しましょう。
4番目の写真は水の中でこのように順にラインがループとなるようにという見 本です。




カーボンロッドでは上手く投げられるのになぜバンブーロッドでは投げるのが 難しいの?

  フライキャスティングにおいてロッドに使われている素材の違いというも のは、想像以上に大きい
  ものです。
  カーボンはその復元力の早さと反発力の強さで、ショートストロークでの キャスティングが一番
  理にかなっています。

  一方バンブーロッドは、素材の反発力及び復元力はカーボンの数分の一で す。
  こういう特性のバンブーをカーボンと同じ投げかたをしても上手く投げら れる訳がありません。
  バンブーは、復元力が弱くまた自分の重量で曲がってくれます。

  ですからキャストはカーボンよりスローにふりストロークは大きめにとり ます。大体ですが
  2時から9時半くらいのゾーンでフォルスキャストすればラインは滑らか に飛んで行くでしょう。
  もちろんバンブーの中にもペゾン系のロッドのようにカーボンに近い振り 方にも対応出来るロッド
  もありますが、日本人の好きなスローなアクションのロッドにはこの振り 方があっています。
  ループもヨーロッパスタイルの先が尖っていてちょっとワイドなループが トラブルもなくあっています。
  現在日本でもバンブーを完璧に振れる人は数える程しかいません。
  またバンブーで完璧にシュートしたときのあのラインが空気の水の上を浮 かびながら滑っていくような
  感触はカーボンでは味わえない快感です。
  是非皆さんもバンブーロッドを振れるよう練習してみて下さい。



ダブルハンドロッドって重そうだしキャストが難しそうだがどんなときどうや って使うのでしょう?

 ダブルハンドはその見た目から難しそうでまた日本の川では使うところがな いのではないかと疑問に
 思う人が多いようです。
 しかし,その見た目とは裏腹にDHは非常に使いやすく、キャストも簡単な ロッドなのです。
 まずきゃすとは、剣道の竹刀を振るコツで真っ直ぐに前後に振ります、キャ ストのコツは右手は添える
 だけで、左手で押したり引いたりすることです。
 但し、右手をてこにしてキャストするのではなくちゃんと上下に移動を行っ て下さい。
 ループはシングルハンドに比べて少し広めにします。
 シュートのときは、親指を押し込む要領で右手を前へ倒し左手を思い切り手 前に引きます。
 実際の釣りではシューティングのときは左手の指にランニングラインを引っ かけて保持し、シュートの
 際左手を高くかかげてランニングラインを水中から持ち上げます。
 この要領で上手く行くと12番ラインで50ヤード近く飛ばすことが出来ま す。
 
 どのようなときにDHを使うかというと、ウェットであれば中河川以上の場 所であれば常にシングルハンド
 より有利に釣りが出来ます。(メンディングがシングルよりはるかに楽)
 また、湖であればバックがないところではドライフライにおいてもロールキ ャストを使いシングルでは
 釣れない場所でも釣ることが出来ます。
 ダブルハンドについてもっと知りたい方は練習会に参加するかメイルで問い 合わせして下さい。
 また、近々にダブルハンドのキャスティング教室をホームページにアップす る予定ですのでお楽しみに。




フライって山の高いところの方がよく飛ぶって本当?

  本当です。フライキャスティングはみなさんご存じのとおり重さのない( あっても自重で飛ばない)フライ
  をラインの重さとそのラインが作るループで遠くへ飛ばす技術です。
  ラインにしてももともと重さと言えるほどの重量はありません。
  これをロッドの反発力を使いそれをループに変えているのですから,わず かな空気抵抗も飛んでいくライン
  とフライにとっては厚い壁のようなものなのです。
  ですから,人にとっては感じないほどの空気の密度の変化がフライの飛距 離に大きく影響し,空気の薄い
  高い山ほど遠くへ飛ぶことになります。
  大体の目安ですが,海で30ヤード飛ぶならば1500メートルの山上湖 では40ヤード近く飛ばすことが
  出来るでしょう。



渓流釣りがメインで何時も10ヤード前後のキャストしかしないからダブルホ ールは必要ないのでは?

  絶対必要とは言えませんが,ダブルホールが出来ると出来ないでは釣りの 快適さに雲泥の差があります。
  確かに10ヤードほどの距離はフォールをしなくとも簡単にキャスト出来 る距離ではあります。
  しかし、フォールをしないキャストではループを細くしたりバックを高く 保つには微妙なタイミングが
  必要となり釣りをしながら一日中キャストしていることが非常に難しくな ります。
  フォールが出来るといとも簡単に細いループで対岸のブッシュの隙間のポ イントを釣ったり,縦のキャステ  ィングからのサイドキャストでバックのブ ッシュをクリアしながら対岸の張り出した草の下の隙間を狙うことが可能になり ます


  

友達が練習で3番のロッドでフルラインを出したというのですがそんなに飛ぶ ものでしょうか

  はっきりいってカーボンロッドでよいアクションのものであれば追い風で あればフルラインが出ることも
  あります。
  しかしここで誤解してほしくないのは,3番のロッドはフルラインをキャ ストして釣るためにはデザイン
  されていないということです。
  よく初心者の人が3〜4番のロッドを振り回してなんとかフルラインが出 たと喜んでいることがありますが
  はたで見ていると,まさにロングストロークのオーバーパワーキャストで 前後の地面をバチバチたたき
  リールからはフルラインが出てはいるがフライが飛んだ距離は15ヤード 位というひとが殆どです。
  あくまでもフルラインが出るということは,30ヤード先でもリーダーが ターンオーバーして,ドライ
  フライで魚が釣れる状態でなければいけません。
  これを可能にするには,6番以上のロッドとよくメンテナンスされたライ ンが必要です。




山奥の渓流でイワナを釣っていたときある淵で何十匹ものイワナがフライにラ イズするが全然フッキング
  しないことがあったがなぜだろう?

 昔からイワナは深山幽谷に住み幻の魚といわれその生態もはっきりとしてい ないといわれていました
 いまでこそ養殖に成功して放流も盛んになり下流部でも釣れるようになり, 幻ともいわれなくなりましたが
 やはりネイティブのイワナはいまだになぞの多い魚です。
 大雨の降る直前に釣ったイワナは,胃袋に多量の砂や小石を飲み込んでいる ものを時々見かけます
 これはイワナの感覚が気圧の低下等を敏感に察知し大雨が降ったとき流され ないように重しの代わりに
 石を飲み込むのだといわれています。
 また深山のイワナには飛んでいる虫を尾鰭でたたき落とし後でゆっくりと食 べるという習性を持ったものが
 いるようです。
 私も昔,秋田の川でそのようなイワナに出会い,いくらあわせてもフッキン グしないのでそのままほって
 おいたら沈んだフライを再度食べに来たイワナをみごとつり上げた覚えがあ ります。
 質問のイワナもこれと同じだったのではないでしょうか。






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