幻 平成11年 5月21日号通算77号    

日本酒を飲む会 ニュース 

高くて飲めないいい地酒
地酒屋さんに提案 こうすればみんな喜ぶ

 いい酒を飲ませてくれる店が多くなった。都内にいてうまい酒が飲みたいとき,盛り場ごとに「あの店,この店」とだいたい見当がつくほどの数だ。そんな店は「地酒居酒屋」と呼ばれる。具体的には幻の・・・会でお世話いただいている店などである。

 一方,「地酒」のカンムリが付かぬ「居酒屋」もある。目印は,「赤提灯・縄のれん」,銘酒が入った「**酒場・酒蔵」の店名,「焼き鳥・煮込み・奴どうふ」の3兄弟メニュー。日本酒を安直に飲む目印であった。だが,この場で「いい酒」が「安直」に飲める保証はない。「安い酒を安直に」飲めるのは事実だが,「うまくない」のも事実だ。

 そんな店にも「おや」と思わせる酒がある。店の安直な雰囲気に乗って「おや」の酒を飲んで「おや」でなく「ドキッ」とさせられることがある。べら棒に高い。眼を回すほど高い。こんな経験をさせられる。

 私は心臓が弱い方だから,「ナマスを吹く」ことになる。まずい酒は飲みたくないし,元航空燃料の出来損ないの水割りを飲んでサイボーグになりたくないし。そこでビールを飲むことになる。

 ビールを飲むのはそんな店だけではない。高級クラブでもこの手を愛用している。ビールは原価がバレているのが安心のよすがなのだ。

 飲み歩きの世界に「いい酒」が出現したのはいいが,同一銘柄でも規格によって価格はさまざまだ。「それは大吟醸ですか(製造方法を全部羅列するか)?」と念を押すこともこの心臓ではできっこない。勘定を済ますまで尻がムズムズしっぱなしである。

 これらは,同一銘柄の別規格をパッと表現するルールができていないこと,店の方は仕入れ原価に一律に*倍(2〜3.5倍といわれている)を掛けているからだ。これもなんとかならないものだろうか。

 酒の値段はいまはピンからキリまである。1,500円台の旧1級といわれるもの。このテレビ銘柄は廉売店で1,400円を切っている。もっと安いものは有名銘柄で千円を切るものもある。それが飲む段になると1本180mlでなく,150ml(12本取り),144ml(12.5本取り)となるから厄介だ。少し算数をやってみよう。

1.8リットル 1本(ml) 原価(円) 差益(円) 倍率
1,800円 180 180 220 2.22
150 150 250 2.67
144 144 256 2.78
1,400円 180 140 260 2.86
150 114 286 3.50
144 112 288 3.57
1,000円 180 100 300 4.00
150 83 317 4.82
144 80 320 5.00

 あなたは日本酒1本をいくらで飲んでいますか?かりに400円とすると,利益と倍率は・・・。ではビールは大瓶500円で飲めるとして上代価格325円,差益175円,倍率1.5倍,DS価格250円,差益250円,倍率2.0倍。

 ビールに比べれば日本酒は設けすぎではありませんか。これらの数値を見ると,日本酒もビールも1本当たり250〜300円の差益が妥当といえませんか。それ以上は暴利といえましょう。

 もし1合180mlの差益を300円に固定してやってもらえるなら・・・,

1.8リットル瓶(円) 720ml瓶(円) 180ml原価(円) 売値(円)
5,000 2,000 500 800
6,250 2,500 625 925
7,500 3,000 750 1,050
10,000 4,000 1,000 1,300

 これなら品評会出品酒クラスも飲めるということ。そして地酒居酒屋として繁盛している店は,こんな価格建てになっているようです。客が喜び店が繁盛するヒケツは「掛け算でなく,足し算」にある。これに気付く居酒屋が増えればいいんだがなぁ・・・。

霞ヶ関で特別例会

 幻の・・・会員から,経済企画庁の政務次官と事務次官が生まれました。草加塾頭の今井さんと新橋時代からの糠谷(ぬかや)さんです。こんなことはもう二度とない。

 そこで,幻の・・・各会の世話役と功労者を中心に十数名,政務次官室で永田町の小彼岸桜を窓下に見ながら,特別例会を開きました。こんどは大臣室でやりたいもの・・・。

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