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讃美歌について教えて下さい。〜Iさんより〜


>讃美歌520と537について説明してほしいと言われたのですが
>どのように伝えたらいいでしょうか??

Luke@LICです。
音楽は専門ではありませんが、分かる範囲でお答えします。

	讃美歌520

		しずけき河のきしべをすぎゆくときにも、
		うきなやみの荒海をわたりゆくおりにも
		こころやすし、神によりて安し
	
	静かな河の岸辺にいても、荒れた海の上にいても、つまりどこに居ても、どんな状況に
	あっても、神によって心に平安がある、という意味です。

	同じように2番は、どんなに敵が攻めてきて希望が砕かれても神によって心に平安がある

	3番は、十字架の上に私の罪が死に、救われた者は「ますらお」のようであり、神によっ
	て心に平安がある
	(ますらお=雄々しく強い男。)

	4番 天地が崩れさり、罪の子が騒いでも、神の民は平安である

	この歌は、神を信じる者の全く平安を歌っています。楽譜の右下の聖書箇所が載っている
	と思いますが、520番は以下の聖書箇所になっています。

	      ピリピ4:7 そうすれば、人のすべての考えにまさる神の平安があなたがたの心と思い
	                  をキリスト・イエスにあって守ってくれます。

	讃美歌537

		わが主のみまえによろこびつどいて
		うえなきめぐみうたいたてまつり
		わが主にならいてひとをばへだてず
		かたみになぐさめたがいにたすけよ
	
	主の前に喜びながら集まり、限りない恵みを歌い、主にならって人を分け隔てなく互いに
	慰め合い助け合おう。(かたみに=たがいに)

	2番 力のかぎり人に仕えなさい。主は弟子の足を洗って模範を示した。
	3番 主をかしらとしてひとつになった友よ、こころをあわせてわが主のご支配を祝おう。
	(ことほぎ【言寿ぎ・言祝ぎ】言葉によって祝福すること。)

	この楽譜の下の聖句(ヨハネ10:16)を見てもわかるように、この歌は、教会に集まり
	お互いに助けあい、仕え合い、ひとつになろうという歌です。

	    ヨハネ 10:16
	    わたしにはまた、この囲いに属さないほかの羊があります。わたしはそれをも導かなければ
	    なりません。彼らはわたしの声に聞き従い、一つの群れ、ひとりの牧者となるのです。


>あと、讃美歌についてる
>『信頼』とか『向上』とかの意味も教えてください。

	これはその歌のテーマを表しています。讃美歌はこのテーマ毎に分類されています。
	『信頼』であれば、その歌は神様への信頼を歌った歌だということです。


>また、讃美歌が歌われるようになった由来も教えてください。

	聖書で最初に歌が出てくるのは、イスラエル人がモーセに連れられて紅海を渡ったとき
	です。あの海が2つに分かれたという奇跡の後です。

	出エ15:1、2
	    そこで、モーセとイスラエル人は、主に向かって、この歌を歌った。彼らは言った。
	   「主に向かって私は歌おう。主は輝かしくも勝利を収められ、馬と乗り手とを海の中に投げ
	    込まれたゆえに。
	    主は、私の力であり、ほめ歌である。主は、私の救いとなられた。この方こそ、わが神。
	    私はこの方をほめたたえる。私の父の神。この方を私はあがめる。

	神に感謝し、神をほめたたえるため、また喜びを表すために歌いました。

	申31:19	
	    今、次の歌を書きしるし、それをイスラエル人に教え、彼らの口にそれを置け。この歌を
	    イスラエル人に対するわたしのあかしとするためである。
	申31:21
	   多くのわざわいと苦難が彼に降りかかるとき、この歌が彼らに対してあかしをする。彼ら
	   の子孫の口からそれが忘れられることはないからである。
	
	ここでは、覚えさせるために歌が使われています。覚えにくいことも歌にすると覚えられる
	ことはよくありますね。この後の申命記32章が長い長い歌になっている訳です。

	今でもユダヤ人は聖書に節を付けて朗読し、暗記しているそうです。
	
	ダビデのころになると、専門家を任命して歌わせています。(1歴代誌6:31)
	雅歌、哀歌などは文字どおり歌ですし、詩篇もすべて歌だったようです。

	したがって讃美歌の役割は

	1 信仰告白(感謝、喜び、賛美)のため
	2 教育のため
	3 記憶するため

	ということです。

	現在のプロテスタント教会の讃美歌の由来については、以下に専門家の文章を抜粋しまし
	たので参考にして下さい。

	講演「礼拝における会衆賛美」より(抜粋)
					駒込教会牧師&オルガニスト
					青山学院短期大学講師 
					KAY合唱団指揮者   渡辺善忠氏

	1.讃美歌の始まり

	まず最初に、プロテスタント教会において讃美歌がどのように始まったのか一番最初
	の部分から考えてみたいと思います。

	プロテスタント教会における讃美歌の祖はもちろんマルティン・ルターが第一人者で
	す。もちろん宗教改革の時代にルター以外の牧師や音楽に長じた人が何人かおりまし
	た。しかし一番中心的な役割を果たしたのはルターというところは、大方の一致する
	ところだと思います。その一つには、たまたまルターが讃美歌の作詞のみならず作曲
	にも才能を持っていたことが関係しています。「神はわがやぐら」という有名な讃美
	歌があります。これはルターが作詞作曲したもので、宗教改革の代表的な讃美歌です
	が、ここからも音楽的な才能にも恵まれていたということになります。これはなかな
	かないことで、今は讃美歌の編纂においても大体は牧師先生が詞に関して責任を持
	ち、訳をしたり新作を直したりという作業をしますが、音楽の部分はやはり音楽家が
	中心になると思います。ところがルターはどちらにも長じていたということが一番大
	きな原因であります。

	(中略)

	少し話しがさかのぼり、ルターが宗教改革の声をあげた16世紀初頭の直前の教会の
	礼拝の状況を考えてみたいと思います。

	この時代のカトリック教会の典礼は聖餐式を含めて礼拝の要素がどれも非常に専門化
	されていました。たとえばカトリックは聖餐が中心になりますが、それも一般信徒が
	パンや葡萄酒をもらうというのは本当に限られた人々だったのです。大方の信徒は遠
	くの祭壇の方で聖餐がごくごく一部の聖職者たち、あるいは有力者、政治家だけに配
	られているのを遠くで見ているだけ、という状況でした。音楽も、聖歌隊や音楽専門
	の聖職者たちが遠くの祭壇の方で行うのをただ聴くだけで、信徒が歌うのは非常に限
	られた場合でした。それも式文を読んでいくと、どうも礼拝の内容とは必ずしも一致
	していない歌を歌っていたようです。ですから、礼拝に参加する、あるいは実際の礼
	拝の交わりの中に入るということにおいては信徒は非常に締め出されていたわけで
	す。音楽も非常に専門化されてしまっていましたから、音楽は聖歌隊やオルガニス
	ト、聖職者などのごくごく一部の専門家のものだけになっていたわけです。この事に
	はカトリックの教会制度が一つの原因にあります。非常に教会の中で階級制度が厳然
	として出来上がっていたのでそれに入り込めなかったのです。これは音楽面でも同じ
	でした。

	よく宗教改革について語るときに「聖書が再び民衆のものとなった」と言われます。
	聖書をはじめてラテン語からドイツ語に訳したのがルターです。それまでは読んでは
	いけなかったのです。この事は音楽も同じで、宗教改革以前はミサの一般の参列者が
	歌うことがなかった、それが宗教改革後にはコラールとしてみんなが歌う歌として礼
	拝の中で歌われはじめた、これがプロテスタント教会の讃美歌の一番スタートだった
	わけです。ですからルターが自分で讃美歌を書いて、それを礼拝の中でみんなが歌っ
	たということは、当時としては画期的なことだったわけです。しかも、ルターが巧み
	なことには、当時はやっていた流行歌を礼拝に取り入れて、それに聖書を題材にした
	歌詞をつけた歌を讃美歌として歌った、そのような歌を礼拝に取り入れることによっ
	て非常に礼拝の内容、聖書の内容が人々の心に近いものになったわけです。そのよう
	な例は、16世紀半ば、ハンス・レオ・ハスラーという教会音楽家がいました。この
	人が作った最も有名な讃美歌は、「血しおしたたる」という、讃美歌136番の歌で
	す。これはもともとは恋愛歌だったわけです。これを、歌詞を直して、受難のための
	コラールとして歌われ、それが普及したという背景があります。ですから必ずしも讃
	美歌が元々賛美歌として作られたわけではなく、むしろ非常に親しまれている旋律を
	礼拝の中に取り入れていったという状況があります。また聖書が訳されたといって
	も、爆発的に普及したとはとても思えません。印刷技術もそれ程発達していたわけで
	はなく、高価でした。またドイツ語に訳したとしてもどのぐらいの人が読めたかとい
	うのは、文盲率はわかりませんが、多分全部の人が読めたわけではないと思います。
	ですかれあ、宗教改革があれ程短い時間に急速に広まった背景には讃美歌の働きが非
	常に重要な要素としてあります。讃美歌の普及によって、新しい教会の信仰の概要が
	広く伝えられたのです。


以上



>おいそがしいところ、ありがとうございました。
>おかげさまで、とても助かりました。

	どういたしまして。みなさんに仕えるLICです。
	これからもよろしく御願いします。

> 歌詞の意味を知って
> この讃美歌を歌う時は
> 意味を思い浮かべながら大切に歌おう、、と
> あらためて思いました。

	それはとても大事なことですね。讃美歌は文語なので意味のわからない言葉が多いと
	思います。讃美歌21では口語がだいぶ増えているようですが、音符と合わせなければ
	ならないので変えるのは結構大変らしいです。

>幼稚園のころからずっと讃美歌を歌っていて
>(カトリックの学校だったわけではありませんが
> 週に1回、礼拝がありました。)
>知ってる讃美歌も、かなり多いのに
>意味、、となると歌詞からだけで読み取るのは難しいですね。
>ずいぶんと長い間、ただ何となく歌っていたんだなぁと思いました。

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